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読書

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大型書店での愉しみ

大型書店に入るとわくわくします。知らない路地に踏み入れる感覚に似て、なんだかドキドキする。 本棚の中に自分の知らない世界がいくつもあるのを感じる。 自分の感覚を開放して、先入観を持たず棚から棚を見て回るのが好きです。そうやって思いがけない本に出合えるのはとてもうれしい。 ◇ そんな私には困ったクセがあります。 大型書店に行くとテンションが上がってしまい、全部の棚を見ずには帰れなくなってしまうのです。平積みしてる本や、棚に収められてる本の背表紙も、ぜんぶ見たい。見終わ

日記の中から"図書館"を拾い集めてみた

私が図書館を利用し始めたのはわりと遅いほうで、子供が生まれてからでした。絵本を借りるのがきっかけだったと思います。 以来ずっと図書館にお世話になっており、今では立派なヘビーユーザー。年間400冊近く借りた年もあります。そんなに借りられるものなの?と思った方はぜひこの記事を読んでみてください。 読み終えたとき 図書館に関するたくさんのtipsを手にしているはずです。 ※tips=ちょっとしたヒント、アドバイス、コツ。 これから紹介するのは私がFacebookに投稿した中か

詩人:絵本作家;林 木林さん

今年の始め、あることに気づいて一人興奮してしまいました。 16年前に書いたブログの記事。「詩のボクシング」第4回全国大会について書いた文章です。他を圧倒する才能でチャンピオンを勝ち取った無名の新人の登場に衝撃を受けて、驚きもそのままに記事を残しました。 これがその時の記事です (noteに再掲載) ↓ チャンピオンの名前は林 木林(はやし きりん)さん。 私は記事の結びにこんな言葉を書きました。 「林さんのこれからの活躍に期待します」 記事を書いて16年後。"林

期待と不安と僕らの弱さ

かもしれない、と思うことについて書いてみたい。それが私たちにどんな影響を与えるかについても。 *** アンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』という本を読んだ。きっかけはカミーノさんの記事を読んだことだった。 スマホが脳にどんな影響を与えるのか?と言ってしまえば、きっと良くないことが書いてあるだろうことは想像に難くないが、この本はその理由を様々な調査や研究の結果を用いて分かりやすく説明している。脳と人間の進化の観点から、現代の生活スタイルを考察する興味深い一冊だった。ぜひ手に

『いわいさんちのリベットくん』岩井俊雄

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2013.11.30の投稿= 『いわいさんちのリベットくん』読了。 メディアアーティストの岩井俊雄が 娘さんとの遊びの中で作り上げたのが この「リベットくん」。板紙と足割リベットを使って作る いろんな動きができるおもちゃです。とても面白い本でした。 かわいい絵を描いてあげても すぐに興味をなくしてしまう子どもが「動く」というだけで 目を輝かせ始めたといいます。 ↓ 本の内容を知りたい方は"いわいさ

北欧のクリスマス

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2013.12.21の投稿= 「北欧のクリスマス」 いま我が家の本棚ではブックフェアが開催中です ♪ 本棚のクリスマスブックフェア。その中から素敵な1冊をご紹介します。 『イェンセン家のクリスマス ー北欧、手づくりの暮らしに教わる-』 シックでシンプルな表紙を開くと、そこには雑誌「クウネル ku:nel」みたいな空間が広がっていました。デンマーク人の旦那さん、日本人の奥さん、2歳になる息子さんの

『キミがこの本を買ったワケ』『透明人間の買いもの』『空気のトリセツ』の三部作を読む。

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※シュンヤ10才(小5) 北九州(小倉)から福岡に引越した頃のお話。 =2016.05.19の投稿= シュンヤ、指南役の『キミがこの本を買ったワケ』『透明人間の買いもの』『空気のトリセツ』以上3冊読了。 引越し前に本を整理してた時に出てきました。これ捨てないで!とシュンヤが言ったので取っておいたら、あっという間に読み終わってた! これマーケティングの本なんだけどなあ。かなりゆるい感じではあるが。

『ぼくのおじさん』を読み聞かせる。

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※シュンヤ10才(小学5年生)のころのお話 =2017.03.04の投稿= 「『ぼくのおじさん』を読み聞かせる。」 小学校の懇談会に妻が行ったのですが、先生がこう言ったそうです。 「シュンヤ君はみんなが読まない本読んでますよね?」 読書感想画の課題で北杜夫の『ぼくのおじさん』を描いたことを指してるらしい。あれは表紙が和田誠だから、シュンヤも描きたかったんだろうな。 ※私が読み聞かせした本なのですが(

落語のような『オバケのQ太郎』

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2012.07.14の投稿= 「落語のような『オバケのQ太郎』」 この頃 図書館で借りる本のほとんどが藤子・F・不二雄大全集(^^;)というちょっと困った状況になってまして、子どもと一緒に読みふけっております。でも大人になって読み返すと新たな発見があるものです。Qちゃんが起こす騒動が実に落語的なのでびっくりしてしまいました。 ◇ 「はりきっちゃったおるすばん」の巻は、まるでオバQ落語のようです。

『銃とチョコレート』を読み聞かせる。

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※シュンヤ9才(小学4年生)のころのお話 =2015.06.20の投稿= 「『銃とチョコレート』を読み聞かせる。」 シュンヤ、乙一 の『銃とチョコレート』読了。 というか私が読み聞かせしたのですが(^^;) ◇ 乙一 の児童向け書籍です。今まで読み聞かせした中では一番満足度の高い作品でした。「これ書いた人すごいね。毎回続きが気になるところで終わるんだもの」とシュンヤが言ったぐらいです。そう、私も初め

『ハリー・ポッターと賢者の石』を読み聞かせる。

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※ユースケ11才(小6)&シュンヤ6才(小1)のころのお話 =2012.07.01の投稿= 「『ハリー・ポッターと賢者の石』を読み聞かせる。」 昨夜ようやく『ハリー・ポッターと賢者の石』の読み聞かせを終えました!! 3月から読み始めて4か月かかってようやくゴール。 455頁もあったからなあ。 ◇ 思えば読み聞かせを始めたのは3年前。当時小学3年生だったユースケが、学校の宿題で音読を毎日してて、教科

『幕が上がる』を読み聞かせる。

当時Facebookに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※シュンヤ9才(小学4年生)のころのお話 =2015.11.27の投稿= 「『幕が上がる』を読み聞かせる。」 シュンヤ、平田オリザの『幕が上がる』読了。 というか私が読み聞かせしたのですが(^^;) ◇ 高校演劇の話であり、小学4年生のシュンヤにはあきらかに早い内容だけど、きっとこの小説の素晴らしさは分かってもらえるはず!と読み進めてきました。面白いものは誰が読んだって面白いんだ! とはいえその背

『あどりぶシネ倶楽部』細野不二彦

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 ※大学時代、映画研究会に所属していました ※8mmカメラ最後の世代 =2009.05.26の記事= 『あどりぶシネ倶楽部』細野不二彦 映画研究会、「映研」のことをテーマにした作品はほとんどありません。映画なら『虹の女神 Rainbow song』。マンガなら『あどりぶシネ倶楽部』。私の知る限りこれぐらいです。他にあればどなたか教えてください。 さて今回は『あどりぶシネ倶楽部』。作者は細野不二彦。自分が映

『幕が上がる』平田オリザ

私たち二人は、いま芝居の話なら、明日の朝まででも続けられそうだ。普通の女子高生が、ファッションやアイドルの話を延々と続けられるように、他人が見たら不思議に思えるくらい会話が途切れない。私たちは演劇の話をしながらハムサンドを頬張り、ぬるくなったアイスカフェオレを飲み干し、それをゴミ箱に捨てるときもずっと話し続けていた。 こういう描写にグッとくる。『幕が上がる』は地方の高校演劇を舞台にした青春小説。劇作家であり演出家の平田オリザが書いた初めての小説です。 演劇の奥深い世界を描