たみちゃんと6人の子どもたち

妖精のたみちゃんが愛犬黒ポメ「ポッキー」との日常を人間の言葉に直して綴ったもの。大切な…

たみちゃんと6人の子どもたち

妖精のたみちゃんが愛犬黒ポメ「ポッキー」との日常を人間の言葉に直して綴ったもの。大切な人との出会いと別れについて思った事を綴っています。 人間のたみちゃんは元保育士・3人の子どものママ・留学生のホストママ・施設で育つ子のふれあい里親 さらに子育てアドバイザーとして活躍中。

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特別篇 おかげさまで30記事!ポッキー物語の誕生秘話

黒ポメポッキーが語る「たみちゃんと6人の子どもたち」を読んで下さりありがとうございます。 おかげさまで、30記事を投稿することができました。 これも読者の皆様がフォローしてくださったり、スキやコメントなどのリアクションをしていただいたことが励みになっております。 今回は30回投稿の区切りとして、この物語を書くきっかけとなったエピソードを紹介させていただきますね。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ この物語の主人公である黒ポメのポッ

    • 第38話 ママの「カラの巣症候群」

      今日は大みそか。 ゆーちょんとた―くんもいっしょに年越しそばを食べている。 ボクは、しょうちゃんに天ぷらのエビをおねだりしたところ。 でも、わずかの差で最後のエビはた―くんの口の中へ消えて行ってしまったんだよね。 しょうちゃんが、半分かじったエビを分けてくれた。 シッポだけじゃなくて身の部分もちゃんとついている。 うんうんやっぱり、おいしい~。 ボクは大満足で、それをゴクリと飲み込んだ。 珍しくた―くんがゆっくりと口を開く。 「かあちゃん、祥子は大学行くの?

      • 第37話 ゆーちょんのお年玉

        「お帰り!」 奥からママが声をかけてくれた。 玄関を開けるとすでに夕食の準備ができているらしい。 甘酸っぱい匂いがしている。 しょうちゃんはボクのリードを外しにかかる。 ボクは早くお部屋に入りたくて、しょうちゃんの慣れないリード外しを手伝った。 首をひねって、早く外れるように補助したんだよ。 お部屋に入るとすでに食卓には夕食の用意が整っていた。 ここからは見えないけど、お魚だ。 ”ご飯をお願いします” ボクはママのところに駆け寄って言った。 ママはボクの

        • 第36話 ゆーちょんはマザコン?ママが心配なんだね

          今日で今年も終わりみたい。 テレビでは音楽番組が流れている。 しょうちゃんの二人のお兄ちゃんが、昨日からここに来ている。 ゆうちゃんは会社が、たーくんは学校がお休みになって、みんなでお正月を迎えるためだ。 ママの子ども三人はそれぞれに思い思いの場所でくつろいでいる。 ママはひとりお料理を作ったり、掃除をしたりで忙しそう。 今日は早めに夕食にするらしい。 冷蔵庫を開けて食材を確認している。 この時期、日が暮れるのは早い。 部屋の南側に置かれたボクのラグの日もか

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        特別篇 おかげさまで30記事!ポッキー物語の誕生秘話

          第35話 ママの重大失態 子どもがいないことに気づかない話

          ご飯が終わって、しょうちゃんもゆーちょんもそれぞれでの場所でくつろいでいる。 ゆーちょんはソファーで、見ないテレビをつけて寝そべっている。 しょうちゃんはテーブルでスマホに夢中だ。 ボクも食事中に乗せられていたキッチンチェアーから降ろされた。 しょうちゃんが、スマホを止めて、ダイニングテーブルの食器をキッチンカウンターの上に戻し始めた。 ボクはテキパキテーブルを片付けるしょうちゃんを、感心して眺めていた。 お手伝いできるんだ。 だけどそれ以上のこと、食器を洗うま

          第35話 ママの重大失態 子どもがいないことに気づかない話

          第34話 ママの優しいウソ ゆーちゃょんに弟ができた時の話

          ママの長男、ゆーちょんを囲んでの夕食が続いてる。 ボクはテーブルのすき焼き鍋から、時折お肉をもらって大満足だ。 今日の特別メニューは、ゆーちょんのリクエストによるもの。 離れて暮らす息子のためにママは特上のお肉を奮発したのだ。 「ユウイチ、ご飯は自分では作らないでしょう。」 ママは、ゆーちょんにご飯のお代わりを渡しながらそう言った。。 「作らないよ、そんなの。当たり前だろ。」 ゆーちょんにとって、食事は外食するものらしい。 「だけどおかんが言ったとおりに、なる

          第34話 ママの優しいウソ ゆーちゃょんに弟ができた時の話

          第33話 ママの長男 ゆーちょんの「ネギ事件」

          「お母さんはお兄ちゃんが高校生の頃、ネギでお兄ちゃんの頭をぶん殴ったよね」 突然、しょうちゃんが、夕食の肉じゃがをほおばりながらそう言った。 今夜は、ゆーちょんが会社の休みを利用してやってきていた。 ママとしょうちゃんに、ゆーちょんが加わって、ご飯はいつもよりにぎやかだ。 ゆーちょんはママの長男で、次男のた―くんみたいに離れたところで暮らしている。 た―くんとは少し歳が離れているみたい。 た―くんの妹のしょうちゃんとはさらに歳の差があるから、二人を比べても兄弟には

          第33話 ママの長男 ゆーちょんの「ネギ事件」

          第32話 ママのトリミングは危ないかも・・

          ママがはさみを持ってやって来る。 ボクを捕まえて毛皮のコートをカットする気、満々だ。 ボクは思わず、ママの動きを確認しながら逃げ回る。 捕まるのを覚悟しながらも。 ママの趣味のトリミングに付き合わなければならないのだ。 ボクのともだちのクルミちゃんやきなこちゃんは、ちゃんとトリマーさんにカットしてもらう。 でもボクはトリミングに行ったことがない。 ママがトリマーさんもどきになるからだ。 ママの小さいころの夢は美容師さんになる事だったらしい。 その夢を今、ボク

          第32話 ママのトリミングは危ないかも・・

          第31話 ステキな3人組 優しさを取り戻した盗賊の話

          フワーッツ。 朝から大あくびが出る。今日はゆっくり過ごしたいね。 何しろ14年後の未来と、半年後の未来から帰ってきたばかりだから。 ボクは、いつものお昼寝の場所に行って寝床を掘ってお昼寝体制を作った。 いつもの南側のポカポカ日のあたる、ボクのお気に入りの場所なんだよ。 それにしても、14年後のた―くんの赤ちゃんのことは本当に悲しかった。 でもた―くんがきちんと人間の言葉を話しているのには驚いた。 ここではうなり声しか出さないコだったからサー。 反対に、半年後の

          第31話 ステキな3人組 優しさを取り戻した盗賊の話

          第30話 ママは高校生? 未来から帰る途中で見てしっまった!

          「ポッキー、ちょっと寄り道してから帰ろうか。」 突然声をかけられて、ボクはびっくりして飛び上がった。 ボクはた―くんの後姿を思い出していたんだ。 かりのちゃんのおなかの中で天国へ行ってしまった、た―くんの赤ちゃん。 た―くんが赤ちゃんの遺骨を胸に、花束を抱えたお嫁さんのかりのちゃんと歩いていく悲しい後姿。 あたりは大きな道路沿いでに車が激しく行き交う場所。 ボクのするどい聴覚は機能をなくし、その騒音は聞こえてこなかった。 ただ二人の後ろ姿だけが、初秋の柔らかな日

          第30話 ママは高校生? 未来から帰る途中で見てしっまった!

          第29話 タイムマシンに乗って未来へ た―くん14年後の話

          人間なのに話すことをしないた―くん。 彼の未来はどうなっていると思う? ボクは妖精のたみちゃんにお願いして、タイムマシンに乗せてもらった。 た―くんの未来を見たくなったのだ。 今は大学生だから良いけど、これから社会に出てちゃんとやれるのか、気になるんだよね。 さあ、た―くんの未来の話をするよ。 ・・でも、これはとても悲しい話になっちゃうんだけどね。 妖精のたみちゃんが、未来のた―くんに会うなら、ここがいいよと教えてくれた。 た―くん34歳、2021年の秋。

          第29話 タイムマシンに乗って未来へ た―くん14年後の話

          第28話 ママが二人の子育てを失敗した話

          「タケシ!学校はどうなの?」 しょうちゃんがた―くんに呼び掛ける。 大学生活のことを聞いている。 自分ももうすぐ大学生になるからだね。 「た―くんはお兄ちゃんなんだから、呼び捨てはダメだね。」 ママがた―くんの返事を待たずに、しょうちゃんをたしなめる。 しょうちゃんはた―くんを「タケシ」と呼んでいるからだ。 まあ、返事を待ってもた―くんは答えないだろうけどね。 「かーちゃんが悪いんだよ。」 た―くんはペットボトルのお茶を飲み込んで、口を開く。 明らかに唐突

          第28話 ママが二人の子育てを失敗した話

          第27話 ママが一人に? みんなの話をまとめると…

          人間は、言葉というツールを使ってコミュニケーションをとる、地球上の唯一の動物だ。 あ、ボクは例外ね。 ワンワンとしか言えないけど、話はわかるから…。 しょうちゃんとママは二人でたくさんお話をするよ。 ボクにもちゃんと話しかけてくれる。 なのに、た―くんは話をしない。 ママが何を聞いても、うなり声をあげるだけだ。 たまに人間らしく言葉を発したかと思うと、たった一言だけ。 相手と言葉のキャッチボールをすることはないんだ。 ママとしょうちゃん。 それでもた―くんと

          第27話 ママが一人に? みんなの話をまとめると…

          第26話 た―くんはお行儀がいい?気が利いてる子?

          しょうちゃんを迎えに行っていたママが帰ってきた。 今日は、た―くんがお家に来ている。 た―くんはしょうちゃんのお兄ちゃん、大学生だ。 つまりママの子どもだね。 大学の近くで一人で暮らしているけど、今日はここに帰って来たんだ。 た―くんは人間なのにあまり話をしない。 ママが何を聞いても、あーとか、うーとか返事にならない声を出すだけなんだ。 ママとしょうちゃんはた―くんが来ているから、玄関のドアを開けるなり急いでお家に上がってきた。 二人とも出迎えたボクをひょいと

          第26話 た―くんはお行儀がいい?気が利いてる子?

          第25話 たーくんと友だちになったよ たーくんは意外に〇〇かも…

          ママはご飯の支度が終わった。 時計を見ながら、ソファーで寝そべってテレビをいているたーくんに話しかける。 「たーくん。しょーちゃんを迎えに行って来るね」 「めしは?」 たーくんは初めて人間らしい言葉を発した。 今まで、ママが何を話かけても、アーだのウーだのと、あくびをするだけだったのに初めてママの言葉に反応したのだ。 「ご飯はできてるよ。」 ママはそう言ってから 「すぐ帰って来る、駅までだから。」 と付け足してあわただしく外出の準備にかかっっている。 バッ

          第25話 たーくんと友だちになったよ たーくんは意外に〇〇かも…

          第24話 しょうちゃんのお兄ちゃん?ママの子ども?

          「たーくん来てたの?」 玄関で元気なママの声。 しまった! ボクは、食べていたチーズをゴクッと飲み込んで、玄関に走った。 ママの留守中に侵入して来たコイツに意識を集中し過ぎていた。 ママがすぐそこに来てたのに気づかなかったなんて。 靴を脱いでいるママをの前で、ボクはクルクル回って精一杯吠えた。 ママは、持っていた荷物を入り口に置くと、代わりにボクを抱き上げた。 「眠ーい」 ソファーに体を投げ出しているそいつは、ママの質問とは全然関係のない返事をした。 ママ

          第24話 しょうちゃんのお兄ちゃん?ママの子ども?