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「はじめての休職生活」が始まるまで

新卒でインターネット広告代理店へ入社して満4年。
「5年目」を迎えると同時に、私は「適応障害」と診断され、人生初めての"休職"が決まった。


適応障害になる原因は、やっぱり"ストレス"である。

思い返すと、ここ約半年の間、私はいつもギリギリの状態だった。


急な増員により、初めて任されたリーダーというポジション。入社して間もない年上の部下精神疾患を持つアルバイトパワハラ上司に囲まれながら、営業職でもないのに求められる売上ノルマ。それを達成するに向けた長時間労働

終電でも終わらない日は、電車で寝てから帰宅後朝まで仕事をする日もあった。土日祝日は休みだが、返上しないと終わらない。

しかも、タイムカードは定時で帰ったように記載することが求められるため、残業代は出ない(ひどい。違法だよ)。これは入社してからずっとのことだから諦めてはいたものの、ここまで労働時間が長くなるとさすがに嫌気がさす。

結局、これだけ働く時間が伸びても売上に繋がることはなかった。

あの時間は一体なんだったんだ。。。


もともと私は、仕事が嫌いじゃなかった。インターネットが好きだし、代理店としてお客様のために、お客様と一緒に、クライアント企業の事業を盛り上げていくというところにやりがいを感じていた。

以前流行ったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の中で、"みくりさん"が「これは、やりがい搾取です!!」という名言を残していたことを思い出す。私も新卒入社して長い間、"やりがい"でいろんなことを乗り越えてきたものだ。

しかし、長時間労働およびストレスの力は偉大だ。ここまで来るともはや、やりがいも何も感じない。「自分がやりたくてやる」余裕なんてなく、売上を上げられない罪の意識で自分を責め、今日、明日をギリギリで生き抜く……そんな日々。


気づいたら、起きて会社へ向かうまでの間、会社から出て寝るまでの間、仕事の合間ですら涙が止まらなくなっていた。毎日のように続く、ギュウギュウと締め付けられるような、内部でガンガンと響くような頭痛。朝、起きるには起きるのだが、どうしてもベッドから動けない。

少しずつ遅刻が増え、出社しても頭が働かない。サクッと終わらせられるはずの仕事にも、2~3時間もかかるようになり、さらにはこれまでだと無かったミスまで出てくるように。。


このままでは仕事に支障が出てしょうがない。病院へ行けばなにかお薬でももらえるだろう。周りはもっと働いているのだから、自分だってどうにかしないと……と考え心療内科へ向かった結果、「しばらく、仕事を休みなさい」とのことだった。


そう言われて、なぜか勝手に溢れ出てくる涙。今、自分が休むことなんて考えられなかったのだ。

「私より、もっと働いている人も周りにたくさんいるんです」

「では、会社の人たちはあなたのように、涙が止まらなくなったり、会社へ行けなくなったりしていますか? 」

「でも、私が休んだら私の仕事を他の人がやらなければいけなくなります。実は私の前にも休職者がいて、その仕事を私が引き取っていたんです。また、今度は私のせいで同じように倒れる人が出てくるかもしれません」

「そのときは、そのときです。そのような状況に追い込んでしまう"会社"がいけないんですよ。あなたのせいじゃない。」

心療内科の先生は、ゆっくりと優しい言葉を選んでくれた。


病院帰り、上司にこのことを報告し、翌週から休職することが正式に決定した。

急いで引き継ぎをして、突然のことに自分でも心の準備ができていないまま、人生はじめての休職生活がスタートするのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。