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現状維持に固執した平成の揺り戻しにより不穏な空気が進行してくやるせなさと変化への希望


GW以降にますます不穏化した国内の流れ

NHK党の立花氏。最近は本来のNHKスクランブル放送を掲げて、NHKに物申すスタンスからずれているという指摘も増えてきていますが、NHKは先ごろ集金人は外部委託は全廃、既定の営業人口も削減すると発表。またドンキではNHKを移さないTVが売れに売れているとも聞きます。

同じN党議員となったガーシーこと、 東谷義和氏は芸能界のタブーとも言われる大手事務所所属の芸能人の暴露などを繰り広げ、それによって露出や好感度が下がる芸能人も出てくる事態も珍しくなくなってきました。

芸能界は数年前のジャニーズ事務所のゴタゴタや吉本の不祥事、相次ぐタレントの独立騒動や「大衆のTV離れ」からギャラの高い大御所が、露出を控え、あるいは降板する事態も既に増えてきている段階にありました。

先の安倍元首相の銃撃事件は、犯人による本来の犯行動機の追求から離れ、統一教会の闇を暴くような事態に発展。またその騒動の最中に、小泉政権で製造業分野の非正規を解禁させ、その後人材派遣会社パソナの会長となっていた(平成の新自由主義の申し子とも言われ、何かと批判的な意見も多い)竹中平蔵氏がパソナ会長を辞すという事件の余波を示すような、象徴的な出来事もありました。

その後、東京五輪汚職に絡み、AOKIホールディングス 創業者の青木拡憲前会長が東京地検特捜部に逮捕という事件も起こりました。

コロナやウクライナの騒動もあり、円安も一時は続々と進行、悪性インフレ(スタグフレーション)が進行していく中、先の参院選では、結果的に自民党が政権を維持する流れになりながら、このような大きな変化を感じさせる流れがつづいています。

思えばオイルショック、オウム事件、9.11、3.11(による自粛生活)と、戦後にそれぞれ各10年単位で起きた世情を揺るがす大きな事件がついこの間まで、まとめて起こっていたような不穏な空気を感じます。テレビは相変わらず日常の延長の風景を移していますが

特に今年のGWあたりを境にして、様々な事態がどこかで非日常化しているような…


個人的には例えばN党がやるような、炎上も厭わないある種強引な手法は非常に戦略的であると思いつつも、眉を顰めたくなるような点は多いのです。安倍氏銃撃に関しても、故人を偲ぶ流れよりも明らかに自民の闇を暴く方向に流れが引きずられているキライがあり。

しかし、それも少し遡って考えれば日本はトップダウン(上意下達)で意思決定をすることが多く、長らくボトムアップで下からの積み上げや意見、訴えかけで徐々に形を変えていくという事があまりに少なくなってきていた揺り戻しではないのかとも思えるのです。


世代交代と秩序の入れ替わりの混乱期

最近インフルエンサーとして特に影響力が強くなっている、ひろゆき氏や成田悠輔氏がよく指摘しているように平成の折り返しのあたりから、日本の国力は目に見えて衰えており、とりわけ分かりやすいのが一人当たりGDPの指標。2000年頃には世界2番目だった一人当たりGDPは現在は世界では30番近くまで後退。30年も給料が上がらなくても、バブル崩壊後10年ほど経ていた20年ほど前まではまだたくさんの余力は残せていたのです。

yahoo CSOのデータアナリストこと安宅和人氏が記した著書「シン・二ホン」によれば、GDPにおける生活水準は勿論、特にやっかいなのが先端となるテクノロジー分野で、新興国や先進国を始めとする諸外国に比べて日本は致命的に後れをとっており、新しい学部の創設、何より教育の質や方向性を変えて行かなければいけない段階…にも関わらず次世代となる人材を育てる教育の分野に圧倒的に投資も人材もたりていない現状があると。その境目は平成の折り返し頃で、あらゆる分野がどうしたのかというくらい振るわなくなってきていると。


経済だけでは世の中の流れを語れないながらも、資源の問題と「世界最高最速の少子高齢国家」となる日本は歪な人口ピラミッド型にとうに移行しており移民も受け入れがたい国民性もあるため、加工貿易なり外に売れる武器(コンテンツ・ブランド品・観光資源)を売り出していかないと充分なインフラが維持できない問題を抱えています。
少子化・高齢化は国力を確実に墜とすと言われますが、尚の事、次の時代のGDPを引っ張る次世代への投資は不可欠なはず。同時に発展ではなく緩やかに豊かさの指標をシフトさせていく、「持続可能な新しい価値観を持った国」への転換が急務のはずなのです。

いわば資本主義マインドを持ちながら社会主義的な経済活動を行うのではなく、社会主義マインドを持ちながら資本主義的な経済活動を行っていくような変化が求められているのかもしれません。

逆に言えば、それだけ表面的な安定の裏で届かなかった声や見捨てられてきた層も多かった一面がまたあるはず。様々な問題を棚上げにし、平成に移行して以降の各年代の若者世代に安定ではなく負担を押し付けてしまった面も少なからずあるはずで。

現状維持ではなく、緩やかな変化(痛み)をもう少しだけでも国民全体が受け入れられていれば、ここまで強引な手法、果てはテロに近い事件が世を騒がす風潮は出てこなかったのではないかと思うのです。

象徴的なのがホリエモンによるフジテレビ買収騒動。事の是非はともかく、あのあたりの段階で様々な分野や問題に目を向け、少しづつでも変化をしていく流れができたかどうかの大きな境目を思わせる事件です。勿論それは同じように変化を積極的に起こせなかった当時の若者の責任でもあるのですが。その後のリーマンショック、民主党政権への一時的な移行、震災と続いた大きな出来事も、決定的な変化へのきっかけにはなりませんでした。


現在、YOU TUBEなどの新しいメディアが議論や炎上を厭わない、本質には切り込むもののどれが正解かも分からない、それぞれの絶対性を掲げるカオスな島宇宙と化しだしたのに対し、古いメディアの代表であるテレビやマスコミは明らかに往年に力を失い、同時に公共性も失われ始めている気がします。


繰り返しになりますが、最近起きている一連の出来事は、平和な話し合いではなくマウントの取り合いが横行し、それは平和で安定した流れではなく、半ば暴力的とも言えるやり口にも思え、それが正しいのかと思う向きもあるのです。しかし、戦後を引っ張ってきた数の多い団塊世代に対して、その子供である団塊ジュニアや氷河期世代以下の現状「もたざる世代」によるカウンター=戦後のシステムの作り替え期間に入ってきており。実質、令和=東京五輪以降のフェーズに入ってきているということなのだろうと思えば、その時代を若者として辿ってきた世代として少し腑に落ちる点もあります。

それは明治維新や、戦後の混乱期にも準えられるものなのかもしれません。これまであまりにも変化に対して鈍感でありすぎた反動から数年間はこういう不穏な流れになるのも、揺り戻しとしては仕方ないのか…とも。


いずれにせよ、現状維持ではもう持たない?

これは会社や地域社会、家族など身近な所に目を向けても同じような風景、対立が見えてくるはず。

地元の祭りなどは担い手不足・参加者不足に悩まされており、地区によってはボランティアを呼ばないと成り立たないほど規模が縮小してきています。そこをある面では誤魔化しながら、現状維持=伝統の名のもとに大きな変化を避けつづけているのですが、例えば屋台の修繕には一定の費用がかかり、それを維持・運営してくならば、頑なに一町での参加に拘らず幾つかの町での合同の開催に踏み切るのが現実的。

また準備や練習にかかる時間・会合などは少子化や地方からの人口流出・若者の価値観の変化などで大きな流入は望めない。参加には大幅なハードルの引き下げや価値観の転換も必要になってくるはず。一方で古い価値観や伝統・文化はしっかり継承していかなければいけない面もあり。

ただこれまでが、あまりに後者=伝統や古い価値観を優遇しすぎた結果「現状維持にすがる甘え」と言えるまで変化を拒んでしまったのが、今の日本で様々に噴出している問題の根っこの1つとも思えるのです。

それは当然、人口比で言えば数の多い高齢者、さらには長らくつづいた年功序列が強い日本においてはマスも政治家も上の世代の意見に傾くため、そこもまたこれまでの流れとして致し方なかった面もあります。


しかし、それにより、若者は草食化しつづけ、消費はどんどん落ち込み。やりがい搾取に走るブラック企業やワンオペの限界が指摘されるサービス業、担い手不足で過重労働の問題がたびたび取り上げられる教員の問題など、似たような構造で問題の袋工事に陥っている事態が、頻出する時代に入ってきました。子育てや介護、地域社会の問題も歪な人口ピラミッドや不景気によって問題が顕在化している例は多いはずです。
この状態のままで、高齢化問題がさらに加速度的に高まる2025年を迎えることになります。今後、南海トラフ地震が20年以内には起こるとか、2年以内に台湾有事の可能性も唱えられ、移民を入れなければもう持たないと言われていながら国力の低下や国民性からそれは厳しい現状もあります。

尚更、立ち遅れているAIやビッグデータを活用した国内の作り替えは急務。2040年には数の多い氷河期世代の負担も加わり社会保障も大幅な見直しに迫られる瀬戸際に来ています、その後には日本に豊富にある水資源が世界中で不足しだすもののそれを、それを豊富に有する日本にそれを守れるだけの国力がその頃あるのかどうか…

以前の記事でもたびたび触れていますが、今から2030年頃にかけてどれだけ国内の作り替えが進むのか、その変化のフェーズにいよいよ本格的に入ってきている気がしてなりません。


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