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死ぬまでにつくりたい10の本と埋名著(my名著)Prologue
今年(2023年)からフリーランスとして、書籍編集に携わる石井強詞と申します。40年近くの版元生活を経て、残りの人生では、組織では企画できなかった本をつくるつもりです。
仕事柄、制作した本の売れ行きを確認するため、出先の近くにある書店には必ず寄るのですが、新横浜の「三省堂書店」が閉店していたのには驚きました。日本の書店数は出版科学研究所のデータによれば、2003年の2万1000店弱から202
死ぬまでにつくりたい10の本と埋名著(my名著)Epi.4 森村誠一と奥の細道
松尾芭蕉の道行を追い求め、東北、北陸をめぐった日々
昨年(2023年)7月、90歳で逝去した作家・森村誠一を偲ぶ会が、2024年4月16日、東京紀尾井町のホテルニューオータニで開かれました。かつて森村先生に同行して、俳文学史に輝く松尾芭蕉の紀行『おくのほそ道』の足跡をたどったのは、2011年の「東日本大震災」が起きる前でした。
この旅の目的は、俳句にも造詣が深く、句作に画像を添える『写真俳
死ぬまでにつくりたい10の本と埋名著(my名著)Epi.3 水丸さんとの約束
民藝の里めぐりを連載、最終目的地はセント・アイブス
安西水丸さんが逝ってから、今年(2024年)3月で10年が経ちました。私が担当していたシニア女性向けライフスタイル誌『毎日が発見』の表紙を2年にわたり描いていただき、打合せにかこつけては水丸さんの事務所があった北青山界隈で、よく夕食をご一緒しました。
表紙だけではなく、不定期の特集記事にもお付き合いいただきました。タイトルは『水丸が行く!
死ぬまでにつくりたい10の本と埋名著(my名著)Epi.2 竹中労の〝一発筆誅〟
夢だった芸能ジャーナリズムの世界へ足を踏み入れた20代のころ
無頼な生き方にあこがれました。複雑な家庭環境から逃げたかった10代のころ、東京の山谷で日雇労務者になろうと思い、職安に相談したら「きみの行くところではない」と諭され、仕方なく別の仕事に就きました。皮切りは夕刊紙の三行広告の営業です。古びたビルの一室にあった小さな広告代理店で宇崎竜童似の胡散臭い社長から電話勧誘のコツを仕込まれました。
死ぬまでにつくりたい10の本と埋名著(my名著)Epi.1 流行語の神様大宅壮一
出版不況の一因となった老舗雑誌の相次ぐ休刊
昨年度(2023年)に休刊した雑誌は、Wikipedia「2023年の出版 出版関係の出来事」より拾いだすと、紙媒体だけで12誌ありました。
特に、日本最古の総合週刊誌として100年以上の歴史を誇る『週刊朝日』をはじめ、駆け出しの編集者・記者として所属した『週刊ザテレビジョン』など著名なタイトルが多く、感慨深いものがあります。
都市情報誌とし