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#SF
消えゆく世界、再生の街へ
自殺志願のこどもが笑ってる。
それでも、鼓動どくんどくん。
俺のこの気持ちは、絶望と呼べばいいのだろうか。
うっすらと月が顔を出す夕暮れ時、高校からの帰り道で俺が住むS市A区の空は無数のミサイルに埋め尽くされた。
こんな事態はやはり、空想科学(イマジナリー)が織りなす芸当なのだろうか。
想像力が物質を創造する科学技術、空想科学(イマジナリー)。世の中に公表されたのは2年も前ではなかったと思う
Who Let The One Out?
ひょんなことから時間移動できるようになった俺は適当に10年くらい前にタイムスリップしてどこかの家から金をかっぱらおうとしていた。
俺の住んでいたホワイトレスト駒川は10年前は一軒の平屋だったらしく、部屋で適当にタイムスリップすると俺はその知らん平屋の庭であぐらをかいていた。
俺はあたりを見渡す。すると、その縁側のところに、肘掛け付きの籐椅子に座って日光浴をしているババアがいた。
「ババアだ。
クビの配達引き受けます
AP。
その言葉が意味するのは、大体二つだ。
一つはアーマー・ピアシング。徹甲弾。
もう一つはアーマード・パルクール。装甲戦闘服の運び屋。俺みたいな。
「昔の戦争の花形がなあ」
「ボヤくなよマスター。俺は割と気に入ってんだから」
酒場の店先、デカいコンテナを置く。中身は無論酒。割れキズ遅延無し。
「んじゃまたご贔屓に」
跳躍。重力制御。ビル壁三階、垂直着地。
走る。ハードルじ