新卒採用の “驚き” の進化
column vol.1160
当社では第三四半期もそろそろ終わりに近づいてきましたので、経営会議でも来期についての話が多くなってきました。
特に人財採用は非常に重要なテーマになるため、より深く考えていかないといけないのですが
「採用」といえば、新卒採用について新たなトピックスをちらほらと見かけるようになってきています。
〜ということで、本日は2025年の新卒採用についての予見と、「時代が変わったなぁ…」と感じた事例を2つほどご紹介。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
25年卒は「売り手市場」が続くのか?
まずは25年卒採用(来期内定)の予見からお話しさせていただきます。
学生調査を手掛ける株式会社ディスコの「2024年卒採用 内定動向/2025年卒採用計画調査」によると
全国の主要企業約1200社の56.5%の企業が「今年度並み」と回答。
〈NHK NEWS WEB / 2023年11月3日〉
さらに「増える」が21.7%の一方、「減る」は4.1%。「増加」が「減少」を大きく上回っています。
24年卒は「売り手市場」だと言われていただけに、ますます学生優位の採用市場になるというわけです。
私には25年卒の姪と甥がいます。
私の世代は「ロストジェネレーション」と呼ばれ、超就職氷河期だったこともあり…、売り手市場で就活を迎える姪や甥を羨ましく感じます…
…ただ、まぁ…日本企業の業績回復に加え、少子化が進んでいるのでその傾向は当然なのですが、そうした流もあり、内定の早期化も加速しているのです。
企業が学生に内定を出し始める予定の時期を尋ねると、最も多かったのは「3月」で22.0%。
次いで「4月」が20.2%。
24年卒の実績では4月が最も多かったので、前倒しの傾向となりそうです。
また「12月以前」という企業も、何と11.9%。
これは、今年の4月に「採用直結インターンシップ」が解禁されたことも大きいのではないかと予想しています。
「1月」や「2月」と答えた企業も24年卒の実績より増えているので、就活の早期化はさらに進んでいくでしょう。
「青田刈り」から「青田創り」へ
就活の早期化は3年生だけではなく、1年生までに及んでいます。
と考える方は多いと思いますが、実は新卒採用は「青田刈り」から「青田創り」に移ろうとしているのです。
〈JOB PICKS / 2023年11月16日〉
「青田創り」とは、まだ初々しい大学1年生に「働くって何だろう?」という問いかけから始まり、単なる生活費稼ぎに留まらない「働きがい」「生きがい」を考えてもらうきっかけをつくるというのが、その主旨。
仕事する時間は少なくとも1日の1/3は占めており、人生の時間の中で大きなウェイトを占めます。
より仕事を通して豊かな時間を過ごして欲しいと、各社が青田創りに力を注ぎ始めているというわけです。
企業からすれば、1年生という早い段階から学生とのタッチポイントが築けるわけで、そこで良き関係が生まれれば、優秀な学生を仲間(採用)にすることができる。
そうしたメリットがあるのです。
今年の9月には早稲田大学にて、日立製作所とパナソニックというライバル同士が手を結び社会人基礎力養成講座「リンクシップ」を開催。
この講座は、他に京セラ、清水建設も加わり、5日間のプログラムとして行われ、のべ約300名の学生が受講しました。
概要は運営を手掛ける「エッジソン・マネジメント協会」による座学に始まり、1チーム4〜5人で、働くことへの理解や役割、意義を認識する「就労観」について考えたそうです。
参加した学生からは
など、「人生でここまで深く『就労観』について考えたことはなかった」といった声が上がったそうです。
この話を受けて思ったのは、青田創りができる企業というのは「働きがい」を感じている社員がいなければ成立しないわけで
という好循環を生み出すことに一役買ってくれる可能性が高いという期待。
そう考えると、非常に面白い企画なのではないでしょうか😊
「不採用」を新しいチャンスに
もう1つご紹介したい事例が「お祈りエール」というサービスです。
〈J CAST ニュース / 2023年11月27日〉
こちらは就活新卒特化のダイレクトリクルーティングを手掛ける株式会社ABABAが提供。
どういうサービスかというと、選考に落ちた人に対し、ABABAに登録している企業が「今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」とメッセージとともに、こんな文言を差し込むことができるのです。
そうなのです、ABABAに登録している企業同士で最終選考まで残った学生を共有するという画期的なサービスなのです。
これにより、就活生は書類選考や面接が免除された状態で、平均25通のスカウトを受け取ることができるとのこと…(驚)
学生からすれば、非常にありがたいでしょうね〜!
企業側にもメリットが多く、例えば、熱烈なファンだった学生をアンチにさせないことや
就活後半時期に内定辞退が生じて採用計画が未達になる恐れが出た時、他の企業で最終選考まで進んだ人財を取り込むことができるなどが挙げられます。
ちなみに、ABABAは創業3期目なのですが、NTTドコモやミクシィ、freeeやラクスル、ベクトルなどなど、総企業ユーザー数はすでに1000社を超え、総学生ユーザー数は3万人に。
直近1年で企業数は1.5倍以上、学生数は2倍以上も伸びています。
推薦だけならば費用は掛からないようなので、詳しいことが知りたいという方は同社のWebサイトをご覧くださいませ。
〈ABABA / Webサイト〉
〜ということで、「進化する新卒採用」の、その一端を感じていただくことができたのではないでしょうか?
いずれにせよ、来年は就活する姪と甥をドキドキする気持ちを抑えつつ、陰ながら応援していきたいと思います!
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました😊
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