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「休む人」は「モテる人」

column vol.1187

今週は仕事始めの週でしたが、気がつくとまた3連休です。

2024年は土曜に被っている祝日が少なく、日曜の祝日は月曜日に振替休日となるため、祝日休みの多い1年

休日はしっかり休む。

特に日本人はその意識が必要でしょう。

なぜかといいますと、昨年日本人10万人を対象に実施した調査によると、78.5%の人「疲れている」と回答しているからです。

…ただ、

実は「質の高い休み」への意識を高めることで、この疲労感は低減するのではないかとも感じております。

その理由を語る前に、そもそも「疲労感」ということを確認したいと思います。


「疲労感」の正体

『疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた』の著者であり、東京慈恵会医科大学医学部教授の近藤一博先生は、疲労についてこのように言及されております。

「疲労」には、2つの意味が含まれています。疲れたという感覚である「疲労感」と、疲労感の原因となる「体の障害や機能低下」です。

この「疲れたという感覚」というのが疲労感なのですが、感覚だけに非常に曖昧なわけです。

例えば、人は退屈に疲れることもありますし、スポーツやゲームに熱中して疲労を忘れることもありますよね…😅

考えれば考えるほど、よく分からなくなる…

そこで、近藤先生はこの「曖昧な疲労感」について、このように定義されております。

その答えは、「休みたい」という気持ちです。
難しい言い方では「休養の願望」と言います。

〈現代ビジネス / 2023年12月24日〉

「休みたい」という気持ちが、疲労感のサイン

ちなみに、マウスの実験でも疲労感を見て取れるそうです。

マウスを泳がせたり、滑車を回させたりした時、体の方にはまだ余力があるのに、泳ぐ速度を弱めたり、滑車を回すのを止めてしまったりする現象が起こるそうです。

つまり、体の疲れよりも休みたいから休んでいる

さらに面白いのが、この疲労感「酵母」にも見られるらしいのです(笑)

酵母は置いておいても、人間にとって大事なのは「心」ということです。

「休む」とは「心を整えること」

つまり、疲労感があるということは「心が整っていない」とも言えます。

もちろん、「働き過ぎ」という社会課題もあるでしょう。

しかし、最近では以前に比べると、この国は超過労働を改善する企業も増えOECD主要国の中でも「働き過ぎ神話」は薄れてつつあります。

また、社員が仕事に対して熱意を持って取り組んでもらうため「働きがい」「自律型組織」に意識を向ける経営者も多くなっているとも感じます。

…まぁ、もちろん…、道半ばであるのですが、今日はこちらは置いておいて…

一人一人が休むことへのリテラシーを高めることで疲労感を低減できるのではないかということにフォーカスさせていただきます。

…ちなみにですが

休日はちゃんと休むためにベストを尽くしていますか?

と質問されたら、どうでしょう…?

何となーく、ただ休みを過ごしていることが多くないでしょうか?

ちなみに、最近のプロスポーツ選手科学的理論に基づいた休養を取り入れるようになっています。

いやいや、休日の質を高めるなんてストイック過ぎやしないか?

…はい、…確かに、そうかもしれません…

…ただですね…、ある時間帯の休み方については、一般市民レベルでもリテラシーが以前に比べて格段に高まっていると感じます。

それは、「睡眠時間」です。

睡眠の質が高いと「モテる」

「質の良い睡眠」運動習慣食生活と並んで、市民権を得ているような気がします。

『子どもの脳の育て方』の著者であり、人工知能研究者の黒川伊保子先生に至っては、「寝る子はモテる」と仰っております。

〈現代ビジネス / 2023年12月28日〉

それは大人も同じ睡眠中に分泌される「若返りホルモン」と呼ばれる成長ホルモン美肌に導き、加齢トラブルも軽減させると言われております。

他にも、2017年に行ったスウェーデンカロリンスカ研究所の実験によって、「きっちり睡眠をとった人ほど魅力的に映る」ことが明らかになったのです。

〈日刊ゲンダイ / 2024年1月5日〉

実験は、男女の大学生を対象に実施。

2晩連続で十分な睡眠を取るように指示
②その1週間後に2晩連続で4時間しか睡眠をとらないように指示
十分な睡眠と4時間しか寝ていない睡眠不足の回それぞれの後に、参加者のスッピンを撮影

その写真を、スウェーデンの首都・ストックホルムに住む男女122人に見せ、被験者の魅力、健康状態、眠気、信頼性などの評価をしてもらいました。

その上で「写真の中の人物とどれくらい交流したいですか?」とも質問しています。

結果、評価した人たちは往々にして、4時間しか寝ていない睡眠不足の写真に対して、「魅力が低い」と回答。

「交流を持ちたい」と答える人も少なかったそうです。

疲労感が顔に滲み出てしまったのかもしれません…

睡眠の質が高い方がモテやすい

という説の信憑性が増しますね〜

「デキる人」はメリハリをつけられる人

他にも、心にゆとりが出来ることで優しくもなれますし、しっかりと睡眠をとることでパフォーマンスも上がるわけで、恋愛や友人関係だけではなく、仕事においてもモテそうです。

ここまでは皆さん、同感していただけそうですが、…では、「質の高い休日」を心掛けているのか…という話に戻りたいと思います。

ちなみにですが、厚生労働省『令和元年版労働経済の分析』(2019年)によると

仕事と余暇時間の境目のマネジメントが「出来ている」と自己評価した人たち

において何と!

「ワーク・エンゲイジメントが高い」人の割合が大きかった、との結果が示されています。

〈まいにちdoda / 2023年3月22日〉

「ワーク・エンゲイジメント」仕事に関連するポジティブで充実した心理状態のことを指す用語。

活力、熱意、没頭の三つが揃っている状態として定義されています。

つまり仕事と休みのメリハリがある人ほど、ポジティブな心理状態で働いている

そして、心に余裕がある方が人も情報も集まりやすくなることは以前もお伝えした通り。

つまり、最低でも仕事においては「モテる人」でありそうです。

「効果的な休み方」を探る

まずはしっかりとオンとオフの切り替えをする意識を持つことで心が整い、ワーク・エンゲイジメントが上がる

そして、パフォーマンスも高まり、好循環が生まれるというわけです。

そして、上記のまいにちdodaの記事では、「質の高い休日」を過ごすためのヒントも示しています。

第一に「生活のリズム」を乱さないこと。

ちなみに、平日と休日の起床時間の大幅なズレは『社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)』と言われ、医学の世界で問題になっているそうですよ…(汗)

そして、休日を通して疲れがとれない場合

自分にとって効果的な休日の過ごし方を探る

ということもオススメのようです。

例えばインドア志向の人が同僚からバーベキューに誘われて普段より疲れを感じるなどがあります。反対にアウトドア志向の人が終日部屋でじっと過ごすのも疲れの原因になります。自分の嗜好性を把握し、それにマッチした休み方を選択すると良いでしょう。
ただしあまり両極端にならないことも重要です。インドア派もたまに散歩に出かけた方が健康に良いですし、アウトドア派の人も家でゆっくり過ごす日をつくってください。

よく「休日は思う存分楽しみたい〜〜」という想いから、イベントを詰め込み過ぎる人がいると聞きます。

私は「リア充依存症」と呼んでいるのですが、…結局のところ、月曜日の朝には身も心も疲れている

時に「遊ぶことも休む」という意識も大事なのかもしれませんね…

もちろん、子育て中の方は休みの日も自由が利かないでしょうし、そもそも「休みの質」まで考えたくないという方もいるでしょう。

一方で…、日本人の実に8割は「疲労感」を感じていることは間違いないですし、その原因は仕事だけではないということだけは頭の片隅に置いておきたいところです…😅

そして、睡眠の質を高めるというのと同じ感覚で、休日の質も高めることができる

〜ということで、ちょうど「正月休み疲れ」していたところなので、この3連休は疲労感を抜くことを意識したいと考えております。

皆さんも、ぜひ良い3連休をお過ごしくださいませ!

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