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哲学を「哲学」する

vol.61

今日会社に行って本格的な2024年の始まりを感じました。

改めて「経営」について真摯に取り組んでいかないといけないと思っているわけですが…

最近、興味深いと思った記事があります。

それは東洋経済オンライン【海外の先進企業はなぜ哲学者を雇い始めたのか?】という記事。

〈東洋経済オンライン / 2023年12月12日〉

グーグルアップルなどの大企業が「インハウス・フィロソファー(企業内哲学者)」を雇用するなどビジネスシーンでの哲学活用が広がっています。

もちろん、社内で採用するとまでいかなくとも、欧米では「哲学コンサルティング会社」を起用することが増えてきています。

日本でも哲学ブームは感じますし、私のアカウントでもちょこちょこ記事にして参りました。

自分たちの社会意義は何なのか?
倫理的な経営であるのか?

哲学とは「疑うこと」から始まり真理を明らかにすること。

例えば、「どうすれば私はもっと成功できるのか」という問いに対し

「なぜ成功しなければならないのか」

と疑い、問い返す。

そして「そもそも成功とは何か」といったより深い思考へと誘うわけです。

こうして企業のパーパス倫理観を磨いていく。

株主や顧客だけではなく、従業員、地域、自然、取り引き会社など、全方位に配慮した「ステークホルダー経営」の実現を目指すため、各企業が精進しているわけです。

…しかし、一方で「エシックスウォッシュ(見せかけの倫理)」と厳しい評価を受ける企業もある…

その1つとして、2020年12月のグーグル内で起きたAI倫理研究者であるティムニット・ゲブルさんの解雇が挙げられています。

同社の大規模言語モデルに含まれる差別的バイアスを指摘したことが原因と言われており、解雇に抗議したマーガレット・ミッチェルさんも解雇

その結果、研究者コミュニティの離反やグーグルからの資金提供の拒否、社員2600人以上による抗議署名、抗議辞職などが起きたのです。

反対に2021年、ツイッター(現X)倫理的AIをつくるために、ビッグテックに最も批判的なAI倫理学者を雇用。  

ツイッターのMETA(Machine Learning, Ethics, Transparency and Accountability)チームは、「責任ある機械学習」を同年の主要な優先事項に設定させたのです。

(…ただ、イーロン・マスクがツイッターを買収した後、METAチームは解散)

ビジネスは理想通りにはいかないこともあり、切羽詰まった状況では特に倫理は崩れやすくなります…

さらに、人間は諌言が苦手

「インハウス(企業専属)」であることにより、哲学(者)が批判的な機能を果たさず、自社やクライアントの正当化に悪用されてしまう危険性もあるのです…

それは遥か昔から同じで、4000年の歴史を持つ中国でも、かつて「諫議大夫」という皇帝を諌めるための専門の役職がありましたが、なかなか機能しなかったと言われています。

…というわけで、それだけ理想や倫理を保つというのは難しいと言え、特に組織をまとめるリーダーは自分を「自分勝手な生き物である」と捉え、見つめ直さないといけないなと改めて身が引き締まりました…(汗)

理想と現実の現在地を常に把握し、未完である自分を認識する。
そして、接する人たちに感謝と敬意を忘れない。

そうした意識を見失わないようにしつつ、「本当にそれだけで良いのか?」と問い続ける

哲学で導き出した真理をまた「疑う」こと。

そんなことを胸に仕事に励みたいと思っております。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました😊

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