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加熱する「インバウンド熱」

column vol.1154

日本政府観光局(JNTO)は今月15日、10月の訪日客数251万6500人でコロナ前の2019年同月0.8%上回ったと発表。

消費の観点からも日本のインバウンド世界をリードしていると言えます。

〈NHK NEWS WEB / 2023年11月24日〉

外国人旅行者加盟店を通じ購入した先月の免税販売総額について、何と日本は123%増(2019年同月比)…!

ヨーロッパ大陸全体15%増アジア太平洋地域全体47%増ということなので、日本熱がいかに突出しているかが分かります。

これについて、世界40以上の国・地域で免税手続きの代行業務を手がける「グローバルブルー」ジャック・スターンCEOは、このように語っております。


訪日旅行者数・年間1億人も夢ではない?

日本は、世界で非常に尊敬され、魅力的な文化があり、風光明美な観光名所も歴史もある。ただコロナ禍前は、日本に行くのにかなりお金がかかっていた。例えば都内の部屋で1泊600ドルから700ドルしていたところもある。しかし今は、円安で400ドルになっているので、お手頃ですよね。

日本文化の魅力に円安が拍車をかけているというわけです。

さらに、中国からの旅行者数は、今なおコロナ禍前の2019年の半分以下にとどまる(10月は2019年同月比で64.9%減)ということを考えれば、日本のインバウンドがいかに凄いかがよく分かりますね。

ちなみにジャックさんは、中国からの団体旅行客来年の春節頃には戻るだろうと語っており、さらに日本熱は高まっていくことが予想されます。

受け入れのためのインフラさえ整えば将来的に1億人も夢ではない。

受け入れインフラは確かにポイントにはなるのですが…、しかし、そうした推測もじわじわと現実味を帯びてきているのです。

ちなみに、中国人旅行者の回復が戻りきってはいないとはいえ、日本国内で購入した免税品の総額自体は、2019年と比べ、8月以降増加が顕著に。

9月には20%増10月には25%増伸長しています。

購入総額の品目別の割合にも変化があり、化粧品などの消耗品44%から13%に下がった一方、宝飾品バッグなどの「一般物品」56%から87%に伸びているとのこと。

そして、インバウンドの波は地方にも及んでいるのです。

通過点から脱却を図る一手

2026年、国立公園・鳥取砂丘に世界的なホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」の最高級ブランド「ラグジュアリーコレクション」が開業。

同社の日本・グアム担当エリアヴァイスプレジデントのカール・ハドソンさん

日本観光はアジア太平洋圏の中でも人気が高く、外国人観光客の傾向を分析すると、2回目の訪日旅行では4割が大都市ではなく地方を旅先に選ぶ

と、地方観光の可能性に期待を抱いています。

〈産経新聞 / 2023年11月10日〉

今回マリオットが狙う鳥取砂丘一帯は、年間160万人以上が訪れる観光地ながら、宿泊施設がほとんどなく通過点に終わってしまっていたという課題が…

同ホテル進出により「泊まりたい場所」になることが期待されているのです。

計画によると、建設地は国立公園・鳥取砂丘の西側高台で敷地は1万8260平方メートル

4階建て2棟を予定し、客室数は108部屋を見込んでいるそうです。

そして、何より魅力的なのはホテルから一望できる絶景ビュー

全ての客室から鳥取砂丘と日本海を見下ろすことができ、最上階にある大浴場プールから眺望を楽しめるというのです〜

マリオットグループ会員数は1億8200万人

世界の富裕層が訪れることを考えると、この一帯の風景が一変しそうな予感がします。

ホテル建設予定地を所有する大阪の不動産会社「dhp都市開発」榎本泰之社長

砂丘日本海星空などの自然と、カニなどの海の幸山の幸といった素晴らしいコンテンツを十分堪能していただける

と開業に自信を見せております。

こうした通過点になってしまっていた魅力的な場所に、今後もラグジュアリーホテルが進出が増えていくかもしれません。

(交通インフラなど、町づくり全体で考えていかないといけませんが)

その辺りも引き続き観察していきたいと思います!

日本の玄関口で「最先端」を体感

もう1つ注目したいのが日本の玄関口です。

私の地元・横浜からほど近い、羽田空港新たなランドマークが誕生しました。

その名も「HANEDA INNOVATION CITY」

羽田空港エリア、京急線・東京モノレールの〈天空橋〉駅に直結する大規模複合施設として話題沸騰になりそうな予感です。

〈BRUTUS Casa / 2023年11月4日〉

実は3年前より一部施設が先行オープンしていたのですが、今月16日にグランドオープンしました。

面白いと思ったのが、この建物には研究開発施設先端医療研究センターが入っていること。

コンセプトが

「先端」と「文化」の融合

なのですが、コックウェイター全てがロボット未来型レストランや、無人の自動運転バスも無料で運行するなど「最先端」を体感できる場所なのです。

17日から3日間、コンセプトが感じられるイベント『Grand Opening Event ∅』が開催されたのですが、日本の玄関口この国の可能性をアピールしていくというのは素晴らしいと感じています。

日本に降り立つと、日本の、世界の未来が見えてくる。

そんな場所に羽田空港がなれたら良いですね。

〜ということで、本日はインバウンドの加熱ぶりと、その熱を一層上げてくれそうな新しい取り組みについてご紹介させていただきました。

…もちろん、オーバーツーリズム宿泊業界の人手不足地方都市の交通インフラの整備など、さまざまな課題が同時に立ちはだかっています…

それでも「観光大国」、そして「文化大国」としてのポテンシャルの高さはヒシヒシと感じているのです。

今後の展開にますます注目ですね😊


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