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VUCA時代は「汎用力」がカギ

column vol.1123

…気がつくと…、1月も残りわずか…

今週の半ばには、2月になります。

2月になると本格的に始まるのが「大学入試試験」です。

インターンを毎年受け入れる度に、「最近の大学生は将来の方向性を定めて学校・学部を選んでいるな」と感じます。

実際に意識調査からも、そのことが伺えるのです。


受験生の半数は「5年以内」を想定

Hakuhodo DY Matrix社のシンクタンク「100年生活者研究所」によると、イマドキの受験生半数以上進学先での勉強内容を「5年以内」に使いたいと回答。

卒業後の短期的な目標を叶えるために進学していることが分かったそうです。

〈よろず〜 / 2024年1月15日〉

同調査では、17歳~20代前半までを「イマドキ受験生」と定義。

「就職に役立つ資格や免許を取得したい」と回答した若者は72.9%にも上ります。

さらに、進学先で勉強する目的について調査については、「やりたいことを叶えるため」に対して10点満点中、9、10点と回答した割合は、20代前半56.7%

10代42.7%と4割を超えています。
 
イマドキ受験生は自分のやりたいことを実現するために勉強している傾向が強いことが、この調査からも分かりました。

同研究所の古田めぐみさん

「ブランドのある大学に入って大企業へ就職し、終身雇用で働く『シングルレール』な人生が主流だった時代では、一つの仕事・職場にとどまる中長期的な視点が当たり前だったため、進学先『将来を模索する場』であったと思います」

と分析。

一方で、近年は転職が一般的になるなど多様な働き方が認められている「マルチルート」に変化しています。

生涯学習によって常に自身をアップデートしていくことが前提となるので、まずは数年通用するような知識やスキルを大学で学ぼうというわけです。

…しっかりしていますね…(汗)

社会人に必要な「汎用力」

予測不能はVUCA時代は、そうしたクレバーな判断は当然のこと。

一方で、学んだことがドンピシャで仕事に活きるとも言えないのが人生の難しいところです…

例えば、社会に出てからも「これからはDX人財だ!」と思ってプログラミングを勉強しても、「ノーコード」が出てきたり、「AIがコードを書いてくれる」時代がやってきたりします。

資格を取っても、実践ではハマり切れなかったりすることもあるでしょう。

もちろん、新しい知識やスキルを身につけることも大事ですが、もう1つ大切なのが「汎用力」です。

最近では「ポータブルスキル」という言葉があります。

こちらは、自分が築き上げてきたスキルリスキリングによって「汎用性の高い」スキルにアップデートするというもの。

その会社でしか通用しないスキルどこの会社にも “持っていける” ということで、「ポータブル」というわけです。

例えば、私は比較的幅広くアイデアが出せる方なのですが、それは元々の能力ではありません

私のキャリアのスタートはコピーライターだったのですが、新人の頃は「キャッチコピー100本ノック」を課されていたわけです。

たった一行のキャッチコピーでも、100本考えるというのは、脳から血が出そうなほど、大変な作業です…(汗)

そのおかげでアイデアの多様性を生み出せるようになったのですが、実はコピーライターにとってはメインのスキルセットではないわけです。

こうした、あまり着目されていないけど、実はさまざまな仕事で汎用が利くスキルをどう発掘して、ポータブルなものにしていくのか。

汎用性として抽出したものは、きっと変化が激しかろうが、時代が変わろうが、自分自身の強い味方になってくれるはずなのです😊

「道」は1つだけではない

受験生に話を戻しますと、経済アナリストの森永康平さんは、仮に「医学部」に行ったとしても、医師になる必要もないと仰っています。

〈幻冬舎ゴールドオンライン / 2024年1月11日〉

例えば、労働力不足を打破するために、日本政府がDX、AI、ロボティクスなどの活用を決定したとします。

当然ながらこれらは医療現場にも適用されることになりますが、適用を進めるにはそれを担う民間企業が必要です。

このような状況において、医学的知識を持ったビジネスパーソンがいれば、こうした適用を推進しやすいでしょう。

医師として直接患者を救うこともできますし、AIやロボで医師不足を解消しようとする企業で活躍することもできるわけです。

また、森永さんはこのように続けます。

医学部というのは一般的に、受験ひとつを取っても難しいと言われます。筆者も医学部こそ受けてはいないものの、医学部の難易度はずば抜けて高いと認識していますし、合格に向けた準備段階が非常に大変であることもわかります。それに耐えきった経験から得られるのは、単に「合格に足る学力」だけではありません。ロジカルな考え方ハードワークをこなせる忍耐力など、コンサルティングファームや外資系企業にも求められるスキルセットです。

「ロジカルな考え方」「ハードワークをこなせる忍耐力」というのは、先ほどのコピーライター例と同様に、「表に出ないスキルセット」ですが、非常に汎用性の高い能力

こうしたものを持っていれば、どんな職場へもポータブルなものとなる

「道」は1つだけではない。

汎用性をたくさん見つけることで、選択肢が広がることは幸福度を高めることにもつながるでしょう。

〜ということで、時代の変化に合わせて新しく学んでいくことと、それと同じくらいこれまでの培ってきたことを棚卸しして、汎用性を抽出することの両輪が重要であることが確認できたかと思います。

イマドキ受験生も、短期的に使える知識やスキルを身につけるとは思わず、そこで学んだことの中で一生自分の強い味方になってくれそうなスキルセットを、ぜひ見つけてもらいたいですね😊

もちろん、私も含めて全てのビジネスパーソンにも当てはまることなのですが〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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