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【No.4】手…上げられる?

横断歩道を渡る時に
手を上げて渡ったことありますか?

子どもの頃…
「手を上げて横断歩道を渡りましょう」
教わった経験があります

けれど自分は…
一度もその通りにしたことがありません💧

大人になってからは特に
目だけで確認をして渡ってしまいます


皆さまはいかがでしょうか…


軽く肘を上げない程度の手を上げる動作や
お辞儀などをして渡ることはありますが

腕を真っ直ぐと上にあげて
横断歩道を渡る大人
正直今迄自分は見たことがありません


大勢の人達が行き交う交差点
車がバンバン通る道
信号機のない横断歩道

大人も子どもも
右を見て左を見て
通れるスキマを狙って
横断歩道をササッと渡っていきます


そんな横断歩道での出来事です



ひとりで歩く練習をしている
目の不自由なCさん
その横断歩道を渡るタイミングが
分かりません

Cさんの心の中は恐怖でいっぱいです

車の音・人の声・電車の音・お店から聞こえる音
虫の声・鳥の声・バスの音

様々な音が入り乱れ
それに合わせるかのように
Cさんの心もかき乱されていきます

怖い…怖い…

ほんの少しだけは
ぼんやりと見えます
けれど
範囲も狭く輪郭を捉えることはできません

怖い…怖い…

皆さまが楽しそうに友達等と
話しながら歩くその声は
実はある人達にとったら
ものすごくジャマになる時があります

目の不自由な方の多くは
白い杖を持っていますが
それがどういう意味なのか
どういう風に寄り添えばいいのか
多くの方は知りません

目の不自由な方々も
自分たちのために静かにしろと
強く訴えたいワケではありません

何とかこの世の中で
少しでも生きやすいように
ひとりでも自信を持って歩けるように…
ただ一生懸命です


太陽がガンガンに照り付ける真昼の街中で
横断歩道を渡ろうとしながら
ダラダラと流れる汗は
暑さのせいだけではありません



Cさんの顔の表情が変わります



そして…



Cさんは思いっきり
手を真上に上げました


横断歩道の近くにいた車
派手な怖そうな車が2台…

もちろんCさんは
どういう車がどこにいるのか
ハッキリとは分かっていません


大人が手を真っ直ぐ上に上げて
横断歩道を渡ろうとしている
その覚悟に…

なんとなく一瞬

街の時間が止まった氣がしました


そして車も静かに止まりました


もちろん…そのような危ない道は
基本的に誘導はしませんし
他の道を提案します

けれど…

過去に見えていた方は
「この道を通ってココに行く」
このような目標を掲げたりします

またこのような道は多く
全部が全部避けられない現実もあります


大人が手を真っ直ぐ上に上げて
不安を抱えながらゆっくりと
一生懸命に一歩一歩…
横断歩道を渡る姿…

皆さまは想像できるでしょうか



横断歩道を渡り切った後…


少しだけ震えながらCさんは言いました
「恥ずかしいなんて
 言っている場合じゃない…」



自分は
あまりにもかっこいい姿勢に
共に震えました


視覚障害者の方々と一緒に歩いていると
「視覚障害者」ということが
思っている以上に通じません

なので
おそらくCさんのことも
一体何が不自由なのだろうと
思われている方々が多くいます


なのでぜひ皆さま…
よければ覚えておいて下さい


絶対ではありませんが…
白い杖を持たれている方は
視覚に何かしらの
不自由さがあります

雰囲気等が
ものすごく頼りだったりします


特別に何かをして下さいとか
視覚障害者だから
特別に扱えということが
言いたいワケではありません


分からなかったり知らなくて当然です

そうではなくて
ただ外を歩く時に

他にも人が歩いていることを
忘れないで下さい


特別な優しさなんていりません
ただ

自分だけが歩いているワケではない

という当たり前のこと…
思い出して下さい


暑い中
陽射しを避けたいのは分かります
けれど日傘をさして
下ばかりを向いて歩いていたら…

スマホをしながら歩いているのと
同じ位危険なこともあります

道はみんなで歩いています

右を歩こうとか歩道を歩こうとか
ルールがあったとしても
ルール通りに歩けない人がいます
ルール通りが危険な場合があります

「どうして自分が
 避けなければいけないんだ」
「お前が避けろ!」
「チンタラ歩いてんじゃないよ」
「ジャマね」
「コッチの歩くペース乱さないで」

その心の声は聞こえています
皆さまが思っている以上に
見えないからこそ感じています


声や態度に出さなければ
問題ない!


これは大きな勘違いです


みんなで道を歩いている
みんなで一緒に道を歩いている
だから協力し合って
手を上げたりする大人もいること

よければ知っておいて下さいm(__)m


最後までお読みいただき
ありがとうございます


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