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農業・漁業の技術

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2023年2月の記事一覧

放流しても魚は増えない

放流しても魚は増えない

現在日本では、水産資源の維持のために約70種類の水産動物の種苗放流が行われている。

北海道大学らの研究グループは、放流が長期的に水産資源の維持に貢献できているのかどうかを、シミュレーションと過去21年間のデータの分析を行い検討してきた。その結果多くの場合、生息している水産動物の種類を減らしてしまうことが明らかになったという。

放流することによって種間競争が激しくなり、放流種以外の種類は排除され

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カンガルーの赤ちゃんのフン

カンガルーの赤ちゃんのフン

米ワシントン州立大は、カンガルーの赤ちゃんのふん便から生成した培養液を使って、牛のゲップによるメタン生成を抑える研究を行っている。

牛などの反すう動物のゲップには温暖化ガスのメタンが多く含まれる。牛の胃には無数の細菌が生息しており、食べたエサを分解する。分解の過程でメタンが発生し、牛はゲップで排出する。メタンは二酸化炭素と比べ約30倍の温室効果があり、世界の温室効果の約4%が牛のゲップによるとさ

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【生物史】あらゆる物を錆びさせる毒性物質の誕生

【生物史】あらゆる物を錆びさせる毒性物質の誕生

38億年前、地球に生命が出現した。
そして、ある時、単細胞生物である植物プランクトンが出現する。葉緑体を持つ植物プランクトンは、光合成を行い、二酸化炭素と水からエネルギー源を作りだす。

ところが、光合成を行うと酸素を排出してしまう。酸素は本来、あらゆる物を錆びつかせてしまう毒性物質である。鉄や銅などの頑丈な金属でさえも酸素にふると錆びついてボロボロになってしまうほどだ。
ところが、植物の作り出し

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除草ロボット「ミズニゴール」

除草ロボット「ミズニゴール」

水田を走り回り、田んぼの水を濁らせることで、稲の栄養を奪う雑草の光合成を遮り除草作業を自動化する「ミズニゴール」が進化している。

これまでは、ラジコン操作が必要だった除草作業も、GPS(全地球測位システム)を搭載することで、自動で進めてくれる。

Google Mapの位置情報と連携することで、走行ルートの自動設定、範囲設定を記録することができるため、複数の田んぼを保有する場合でも、例えば「A畑

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国産トリュフの人工的発生に成功

国産トリュフの人工的発生に成功

トリュフは西洋料理に欠かせない高級食材になるきのこです。日本でも食文化の多様化を受けて、トリュフの香りを楽しむ機会が増えています。国内で流通するトリュフは全てが海外からの輸入によるもので、欧州産はキログラム当たり約8万円、きのこの中で最も高額に取引されています。

日本でも、20種以上のトリュフが自生していますが、野生のトリュフは希少で人工栽培技術は確立されていませんでした。そこで、国産トリュフの

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牛用防寒コート

牛用防寒コート

牛は暑さに強く、寒さには強いと言われている。
しかし、野生動物のように寒い時期に外に野放しにしていると風邪をひきます。
昔の人は、「牛に草を食わせるより床に食わせろ」と言っていたようです。
床に厚く敷いたワラは空気を含み、とても暖かいのです。

USIMOは、そんな寒さにデリケートな牛のために防寒コートを開発した。アルミ素材の生地で、電気は一切使わず保温できる。お腹を冷やさない。

犬、猫、牛

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