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話を「聴く人」は魅力的な人

先日、子ども(小5長男)から「姿勢を正さなければ、話は聞けないの?」と質問されました。どうやら学校で先生にそのように言われ納得できなかったようです。

私はこのように疑問を持つことは良いことだと感じながら「話を聞くのに姿勢は関係ないと思うよ」と答えました。

しかし話を聞くとはどのようなことなのでしょうか。今回は臨床心理士である嵯峨山さがやまよしこさんの著書『臨床心理士が教える 人生が豊かになる聴き方』という書籍を読んで話の聞き方について勉強しました。


3つの「きく」

話しを「きく」とは言いますが、日本語には「きく」という感じが3つあります。

「聞く」

特に気をつけていなくても、耳に入ってくるすべての音を聞くときに使います。音や話を単純に感じ取ること。

「訊く」

訊ねる、問う、質問するという場面で使います。

「聴く」

音楽や誰かの話を丁寧に意味を理解できるように、注意して聴くという意味。
今回、子どもに質問された「話をきく」は、こちらの「聴く」になります。

聴く人は魅力的

人間関係において魅力的に感じる人は、自分に興味を持ってくれる人、思いやりを持って接してくれる人。つまり『話を聴いてくれる人』です。

友人との会話や仕事での雑談、プレゼンなど人前で話をする場面で、しっかりと話を聴いてくれる人がいると安心します。
たとえば、私は話をするのが苦手なので、私の話を静かに最後まで聴いてもらえると本当に嬉しいです。なので、話を聴いてくれる人が魅力的だというのは肌で感じています。

「陰キャ」や「コミュ障」だからと人間関係を諦めず、相手の話を聴くことに意識して魅力的な人になりましょう。

自分の聴くスタイルに似合った聴き方をする

ここまでで『聴く』ことに重要性は分かりました。では、話を聴くにはどうすればよいのでしょうか。

結論から言うと、話の聴き方は人それぞれです。
話を聴く人には、よくうなずく人や相手の目をじっと見つめる人、あごに手を当てて聴く人などっさまざまです。その自然なリアクションを大事にして話を聴いてほしいです。

「背筋を伸ばして」など、この聴き方が正解だからと教えられその方法で話を聴こうとしても、聴き方に意識しすぎて肝心の話が入ってこない。これでは本末転倒です。自然なリアクション、自分の集中できるスタイルで話を聴きましょう。

ただし、寝ながら話を聴くスタイルが良いなど「相手に失礼かも」と感じるような聴き方をする場合は、あらかじめ相手に断りを入れたほうが無難です。怒って帰ってしまうので。

人の話を聴いたら終わりではなく、話をする相手に「聴いてもらえた」と感じてもらえるまでが「聴く」です。話が終わったときにお互いが気分の良い状態になれるのがベストでしょう。

相手の全身から話を聴く

精神分析家のテオドール・ライク(1888-1969)は「患者が言葉にすることだけではなく、言葉にならない内なる思いを理解しなければならない」と言っています。つまり、耳から入る情報だけでなく、相手の表情や仕草などからも相手の気持ちを理解するということです。

この表情や仕草のことを非言語コミュニケーションと呼びます。この非言語的コミュニケーションに注意して話を聴くと、相手の言葉にならない思いに気がつきます。以下に記したものが非言語コミュニケーションの傾向の一例です。

緊張
 ●顔、首や髪を何度も触る
 ●ネックレスなどのアクセサリーをいじる
 ●貧乏ゆすり
 ●ボールペンを何度もカチカチさせる
 ●こちらを見ない
 ●手足を組む

興味がない、早く帰りたい
 ●顔はこちらに向けているが、足がドアに向いている
 ●出口の近くに立つ、座る

リラックスしている、自信がある
 ●大きめの仕草や動作
 ●笑顔
 ●アイ・コンタクト
 ●前のめりの姿勢

『臨床心理士が教える 人生が豊かになる聴き方』本文より

相手の言葉と非言語コミュニケーションが『ちぐはぐ』なこともよくあります。そんなときこそ非言語コミュニケーションに注意しましょう。相手の本音がきっと聴こえてきます。

私の家の話ですが、年長の娘は親の顔色をうかがって本音を話していないと感じいます。そのときに非言語コミュニケーションに注目して、娘の仕草や表情から何を考えているのかを考えて「○○なのかな?」と質問するようにする。そうすると娘は笑顔で返事をしてくれます。
こんな感じでいいと思います。

おわりに

今回は子どもの質問から『話を聴く』についてまなぶことができました。「自分らしいスタイルで、相手をよく見て話を聴く」ことを意識すればいいです。

また「どんなことが学べるのだろう」と前向きな気持ちで、真摯に話を聴くことが重要かなと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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