マガジンのカバー画像

アセクのよしなごと

14
公開停止したマガジン【アセクのたわごと】より、過去記事を再編してお届けします(新規記事も含まれます)
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事
そもアセクシュアルとは

そもアセクシュアルとは

Wikipediaの【無性愛】の項目には、アセクシュアルについて以下のような記述がある。

無性愛(むせいあい、英: asexuality)とは、他者に対する性的な惹かれ(性的魅力を感じること)の欠如、すなわち性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないことである。

無性愛は、性欲自体がない無性欲や、性的行為に嫌悪感を抱く性嫌悪、性的欲求低下障害(HSDD)とは異なる。また純潔運動や不

もっとみる
サヨナラ虹色界隈

サヨナラ虹色界隈

今となっては最早懐かしい思い出となってしまったが、2022年にワタクシがnoteで初めて連載したマガジンのタイトルは【アセクのたわごと】である。

再三に渡りカムアウトしているが、ワタクシはアセクシュアル(無性愛者)だ。
noteで記事を書こう、と思った時に、真っ先に思いついたのがアセクシュアルの一介の視線から見たセクシュアルマイノリティ界隈(以下【虹色界隈】と表記)についての諸々だった。このマガ

もっとみる
黒い指輪

黒い指輪

そう遠くない将来に、黒い指輪を買おうか…とふと考えた。

アセクシュアル(無性愛者)たる自覚を得て色々調べた結果、然り気無く自身がアセクシュアルである事を主張する為に【右手中指に黒い指輪を嵌める】と言うカルチャーがある事を知った。生かさない手は無い!と思った。

ワタクシが公の場でアセクシュアルたる事をハッキリと自称するようになって、そろそろ6〜7年位経過していると思う。
にも関わらず、周囲には未

もっとみる
来世の生または性の話

来世の生または性の話

高校卒業間近のある日の事。
教師のひとりから以下の質問をぶつけられた事がある。

「来世でも人間になれるとしたら、男性・女性どちらになりたい?」

アホらしい質問だと、当時は思った。

「来世がどうとか言うより、今与えられた【生】(そのまま【性】に置き換えても良いだろう)を全うする事の方が遥かに重要じゃないですか」

上記が、当時のワタクシの概ねの回答である。然し、この回答は質問を投げかけた教師的

もっとみる
インナー・ジェンダー

インナー・ジェンダー

mixiだったかTwitter(現X)だったか忘れたが、ある日九州方面在住の青年にお声掛けを頂き、いつしか相互フォロアになった。
御母堂がコリアンの血を引くクォーターとの事で、その当時度々公開されていた彼の顔写真は、少年と言っても過言じゃないあどけなさを残したエキゾチックな雰囲気のそれだった。
聞けば、リラックマのグッズを集めるのが趣味…との事で、同じくぬいぐるみが好きなワタクシとは割と話が盛り上

もっとみる
エドワード・ゴーリーのこと

エドワード・ゴーリーのこと

エドワード・ゴーリーと言う絵本作家を、皆様は御存知だろうか。

アメリカの絵本作家(シカゴ出身、1925〜2000年、享年75)で、緻密な描き込みによるモノクロの絵柄、韻を踏んだ独特な語り口、そして最大の特徴として徹底してシニカルかつネガティブなストーリー展開(最も例外はあるようだが)を得手とする事で知られる。こうした作風に加えて、【エドワード】と如何にもな名前だった事から、周囲からはしばしばイギ

もっとみる
祝福あれ

祝福あれ

ダイバーシティ、つまり【社会的多様性】が大々的に叫ばれるようになってそれなりに年月が過ぎたが故か。
最近、そう頻繁では無いが、街中で同性同士の【カップル】を見かけるようになった。

見た限り、男女の比率は半々位か、やや男性同士の割合が高い位だろうか。
手を繋ぎ睦まじそうに歩く姿や、時に一方のパートナーがもう一方のパートナーをいたわる姿は、見ていてとても暖かい気持ちになる(但し、以前新宿の路地裏で人

もっとみる
儚く散った想い

儚く散った想い

自身がアセクシュアルだと自覚するようになって、そろそろ6〜7年は経過している。こんなワタクシが、嘗て一度だけ異性に対して告白を試みようとし、然し果たせなかった苦い過去がある。
自分がアセクシュアルだと知らない…いや何ならアセクシュアルと言う概念すら一般的じゃない、高校卒業間際の事だった。もう30年も前の昔の話だ。

ワタクシより2学年下の学生に、珍しくもワタクシとウマが合う女子が居た。
眼鏡が似合

もっとみる
カムアウト

カムアウト

ワタクシが周囲に対し、自身の性自認をアセクシュアルだとカムアウトするようになったのは、自身がアセクシュアルだと自覚するようになって3〜4程経過した頃の事じゃなかったかと思う。

流石に最近はあまり言われなくなったが、嘗てワタクシはアセクシュアルである事を周囲にカムアウトするまで(いや、何ならカムアウトした後も)何度も身近な人間から、

「何故結婚しない!」
「何故恋人を作らない!」
「人間は独りで

もっとみる
遠因

遠因

性自認は、先天的な要因によるものもあれば、後天的な要因によるものもある。
ワタクシの場合は果たしてどちらだろうか。

もし後天的な理由でアセクシュアルになったのだとしたら、何故ワタクシはアセクシュアルの自覚を得るに至ったのか。

これが、はっきりとした要因が未だに判らない。

元々ワタクシは学生時代、人間関係を良く保つのがあまり得意な方では無かった。
それを未だに引き摺っていて、人間不信とまでは行

もっとみる
感覚のズレ

感覚のズレ

自分の性自認をアセクシュアルだと認識するようになってから、過去の幾つかの出来事について「嗚呼、あれは自分がアセクシュアルだからそう感じていたのかもなぁ」と思うようになった。最も、それを周囲に明かしても先ず理解して貰えないのだけれど。

例えばワタクシは、女性のボディラインや素足が顕わになる服装(レオタード、水着、ジャンプスーツ…etc)に性的衝動を抱いた事が無い。
特にレオタードやボディスーツタイ

もっとみる
続・感覚のズレ

続・感覚のズレ

ワタクシが物心ついた頃、丁度20世紀から21世紀への過渡期と言う事もあってか、しばしば近未来をイメージしたCMや漫画やアニメがメディアを賑わせていた。
その【近未来】を描いた作品群では、どう言う理由からか若い女性は大抵、レオタードタイプの装束を身に着けていた(男性も割と体にフィットするタイプの装束を身に着けていた気がする)。
幼いワタクシはそれらの光景を見て
(嗚呼、未来のトレンドはあんな感じなん

もっとみる
ある仮説

ある仮説

アセクシュアルを含む性的マイノリティの人々が等しく抱える重荷…と言うか枷のひとつは、

【(性行為による)血の繋がった子孫を残す事が出来ない】

と言う事ではないだろうか(それが当事者間で選択した事であるにも関わらず)。
同時に【子孫が残せない】と言う事象は、マジョリティが性的マイノリティを排斥したり嫌悪したりする際に、その根拠として最も声高に叫ばれる事由ではないかとも思う。
人間たるもの、男女間

もっとみる
結婚と言う儀式

結婚と言う儀式

以前、アセクシュアルの自覚を得た後に第三者から、

「お前はアセクシュアルと言う概念を建前に、自分磨きを怠り、結婚から逃避している」
と暴言を吐かれた旨を記した。

いつも思うのだが、マジョリティはどうして【結婚】と言う儀式を以て人生の最高の成功と決めつけたがるのだろうか。不思議でならない。
世の中には結婚したは良いものの、決して幸せとは言えない家庭がゴマンと溢れていると言うのに。
何なら、今すぐ

もっとみる