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シン・映画日記『かがみの孤城』

ユナイテッドシネマ浦和にて、辻村深月原作、原恵一監督作品『かがみの孤城』を見た。

控えめに言って超傑作だった!!!!!!

見事な中学生SFミステリー&アドベンチャーで、終始心が揺さぶられまくった!!

性別・年齢もばらつきがある心を病んだ7人の中学生が謎の孤城に集められ、期限付きで孤城内にある鍵と願いがかなう小部屋を探す。

約1年の期間をゆっくり進み、7人で遊んだり話したりしながら徐々に手がかりを掴む。7人とも何かしらのトラウマを抱えた子どもたちだからか、お互いに打ち明け合い、密に話し合うというのが出来ないからか、かなり後になって招集の謎に気付くが、そこがナチュラルかつ繊細。

主人公・こころの視点・エピソードを軸にしながら展開。学校での問題に対し、主要人物、周りの人物、家族、と徐々に詰める形で描き、真っ向から向かい合う。


テーマを「学校」、「不登校」、「いじめ」にしながら、そこからの逃避行と問題解決力をつけるパラレルワールドミステリー。


オオカミ、鏡、7人or7などもキーワードになり、寓話的な話を「学校」を中心とした超現代を描く。


7人の中学生のアドベンチャーとしてのノリは『ぼくらの七日間戦争』でありながら、鏡へのワープや終盤の描写は『時をかける少女』、さらにこれを原恵一監督作品『カラフル』にかけあわせている。

そして孤城内の象徴とも言える狼はヨーロッパの童話を深く思わせるし、
アルカトラズ島みたいな孤島の孤城はアルカトラズ島の刑務所ともカリオストロの城やラピュタの天空の城のような香りがし、映画の風景として素晴らしく、見るものが「いつまでも孤城にいたい」と思わせる作りである。

最終盤にわかる7人についての謎もなんとなくは「そうなんじゃね?」というのが薄々分かるが、はっきり分かると驚きがある。


そして爽やかなラスト。


予告編を見た段階から「あ、これ、良作かな?」とは思ったがその遥か上をいくクオリティーだった。

さすがは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』、『カラフル』を手掛けた原恵一監督である。


2022年最終盤に来て、『そばかす』と並ぶまさかの超傑作だ!!


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