映画「ジョーカー」は、「ダークナイト」を超えたのか?
みなさんこんにちは。
Teizouと申します。
早速、映画「ジョーカー」を観てきました。最高でした。
最高だったのですが、その勢いでいろんな方のレビューを読んでいて違和感がかなりあったので、書いてみようと思いました。
以下、映画「ジョーカー」ならびに、「バットマン・ビギンズ」「ダークナイト」のネタバレを含みます。
①映画「ジョーカー」は「ダークナイト」を超えたか?
早速、多くの方が言及されているこの問題ですが、はっきり言って好みの問題だと思います。
が、あえて私の意見を言うならば、
そもそも映画「ジョーカー」と「バットマン・ビギンズ」と「ダークナイト」全部つながっとるやんけ!!
というのが率直な感想です。つまり、私的には映画「ジョーカー」、「ビギンズ」、「ダークナイト」までで大きな一つの完成を果たしているため、どちらが優れているなどの議論はできないと考えているわけです。
どういうことかといいますと、まず映画「ジョーカー」を観ていると分かるのが、
「ダークナイトとつながっていると仮定すると、作中の時間軸が明らかに合わない。。」
これは観ている途中に、多くの方が気づいたのではないでしょうか??
ホアキン・ジョーカーが少なくとも年齢的に40歳を超えていそうに見えるのに、このときブルースはせいぜい10歳くらいにしか見えないわけです。
つまり、「ダークナイト」の前日譚とすると、「ダークナイト」のジョーカーはゆうに60歳を超えていそうな年齢になってしまうわけです。
ここで観客は
「アメコミにありがちな平行世界の、別の時間軸の話ね」
と思うわけです。
しかし、最後のほうにブルースの両親が殺されるシーンが登場します。
そう、母親の真珠のネックレスを引きちぎられるあのシーンです。
そう、「ビギンズ」のあのシーンです。
ん?どういうこと?となる方も多かったかもしれません。
②ジョーカーの真の恐ろしさ、本当の悪とは
この時間軸の謎を唯一解消する答えを私なりに考えてみました。
そう、
ホアキン・ジョーカーとヒース・ジョーカーは別のジョーカー!!
って当たり前やないかーい!と思うかもしれませんが、そうではありません。
よく思いだしてほしいのですが、この映画「ジョーカー」、ホアキン・ジョーカーに感化された模倣犯・市民がたくさん出てきます。
彼ら・彼女らはホアキン演じるアーサーと同じように貧しく、持たざる者たち、失うものが無い者たちです。
「ダークナイト」で描かれていたジョーカーの恐ろしさは、悪事を行う理由が無いことでした。
金が欲しい、権力が欲しいとかそういったことではない、とジョーカー自身が説明していましたよね。
なぜそんなことができるかといえば、ヒース・ジョーカーも持たざる者の一人だからです。
「ダークナイト」では、その持たざる者が予測不可能な究極の悪をこれでもかと披露していました。
「ダークナイト」の終盤、彼は光の騎士であったハービー・デントを持たざる者の闇へ突き落します。多くの観客は、この悪が伝染する恐怖を味わったのではないでしょうか?
つまり、ジョーカーの真の恐ろしさ、本当の悪とは・・・
どんな善人も、一般市民も、きっかけひとつで悪を伝染させることができる、誰でも悪人になりうることそのものなのです。
これは映画「ジョーカー」でも描写されていますし、「ダークナイト」においても前述のとおり描かれています。
つまり、私が言いたかったのは、
ヒース・ジョーカーは、悪の感染源となってしまったホアキン・ジョーカーから悪が伝染した別のジョーカーじゃん!!
ということです。これが正解か分かりませんが、私見では今のところこれが一番納得する見方だと思っていますし、映画「ジョーカー」でブルースの両親が殺害されているシーンを観てこのことに気づいたとき、心底鳥肌が立ちました。
悪は伝染するというテーマとジョーカー自身の恐ろしさを
映画「ジョーカー」から「ダークナイト」へ見事に繋げ切ったのです。
③そして観客へ
最後に私が真に恐ろしく感じたのは、この狂気や悪が観客へ伝染しうることに気づいた点です。
映画「ジョーカー」はそれぐらいのパワーを持っていますし、ホアキンの境遇に近いような観客も少なくないのではないでしょうか?
実際、日本でも某バスケ漫画の作者を脅迫したとして逮捕された方は、当時
「無敵の人」、つまり持たざる者であることを自身が主張していました。
実質賃金が低下し続けている日本において、私たちはこの映画「ジョーカー」から影響を全く受けないと言い切れるでしょうか?
私たちが目を逸らしているだけで、日本にも持たざる者になりつつある方はたくさんいらっしゃると思います。私自身も状況が二転三転すれば分かりません。
それを想起させてくれる映画「ジョーカー」、素晴らしい傑作であることに間違いはないのでしょうが、同時にその狂気の恐ろしさを感じたそんな映画でした。
みなさんはどう感じましたか?
よければコメントなどで教えてください。
Teizouでした。
Teizou-ch.は、日本の平凡なサラリーマンが様々な社会問題について考察しております。客観的なデータ・文献を極力明示した上で現状を把握し、私なりの推測ともに動画に。参考になるデータ・文献があれば、教えてください。https://twitter.com/Teizou_ch