「年齢」という考えをなくしてみると、自分の”シンプルな本心”が見えてくる
日本で生活をしているほぼ全ての人は、生まれた瞬間から、「年齢」というレールにのっとって人生を導かれるようになります。
6歳になると小学校に入り、12歳になると中学校へ。
20歳ごろから就職をし、その後は結婚について考えさせられる。
定年や年金の生活についても考えるようになる。
「年齢ごとのルール」というレールに乗る事は、社会的な安定を得るための制約のように感じる事があります。
むしろ、”年齢の制約の強制力”が強すぎる事で、そこに窮屈さを感じている人が増えているとも。
学校や就職や年金などは、これまでの多くの先人たちの”それぞれの年齢の時の経験”によって設定をされた、”生きるのに不便にならないようにする仕組み”でもあるのでしょう。
でもそれはあくまで”社会的に不便にならないため”という意味であり、必ずしも、”幸せな人生を送るため”にはならないと思っています。
もちろんそこに違和感を感じずに、豊かで幸せな生活を過ごしている人も多くいます。
しかし、この微妙にズレている解釈の間で、”年齢のルールに従っても幸せになれず”に苦しんでいる人もいます。
また、「年齢のルールに従う事は、幸せには直結しない」と感じながらも、どうして良いかわからずに、モヤモヤの中を過ごしている人もいるかと思います。
今運用されているルールは、ひと昔前の人々が”豊かに生きるため”のルールでもあります。
恐らく、昭和の頃の「横並び」や「経済的豊かさ=幸せ」の頃の”良さ”が色濃いものでもあるのでしょう。
このような、昔と今の”常識”が変わりつつある中で、疑問や悩みを抱えながらも、その悩みが何なのかわからずにモヤモヤしている方へ。
今回のお話が、そのトンネルを抜けるための兆しになればと思います。
唐突ではありますが、今から2000年前の弥生時代にタイムトラベルをしてみましょう。
あなたはいま山の中の、とある小さな集落に住んでいます。
横の森には、獲物となる動物や木の実や山菜は常に豊富にあり、集落では稲も栽培しているので食べる事には困りません。
近くに綺麗な川も流れているので、水も飲めるし、洗い物もいつだってできます。
その集落の人々には、ちょっとした思想もあるので、獲物を食べる時は「感謝」をして食べる風習があります。
森に出れば2〜3日分の食料はすぐに手に入るし、保存食や稲の栽培もしているので、もしもの天災や越冬などでも問題なく生きられる。
でも「年齢」という概念はない。
ここに住む人々は、5年後10年後はどうするか?という事はまず考えません。
あっても、1年後くらいでしょう。
冬を越すまでの未来設計ができていれば十分で、それ以降の事は考える必要性がないのです。
なぜなら”今を充分に暮らしていける”から。
ここにひとつの”幸せを感じるポイント”があります。
「幸せ」になる大きな要素として「安心」があります。
「安心」の反対は「不安」ですよね。
人は「不安」によって、「幸せを損なわれる」と感じます。
そして、この「不安」とは、ほとんどの場合が「未来予測」です。
「未来にお金がなくなってしまうのではないか」
「未来に健康ではなくなってしまうのではないか」
「未来に家族がいなくなってしまうのではないか」
特に、”不安症”や”心配性”の人ほど、「常に悪い未来を予測する癖」があるので、思考はいつも「良からぬ事態に備える」という事ばかりを考えながら行動をしています。
そのような人ほど、今この瞬間だけでもいいので、”年齢を忘れてみる”という事をおすすめします。
年齢を忘れてみると、自分の思考から、遠い未来の予測が消えます。
「お腹すいた」や「少し眠いかな」など、自分の体や心の感覚がよく聞こえるようになると思います。
意識が、”今この瞬間”に向くようになります。
未来の事をごちゃごちゃと考えすぎて不安になる事はありません。
今感じている、自分の”シンプルな本心”だけが見えてくるようになるのです。
人の心と体は、”今”の声に従うほどに、調和がとれるようになり、”今”の声を無視するほどに、ズレが生じて不調を招くようになります。
体の痛みは、過去の行いに原因があるかもしれないし、このままの未来に不安を感じるかもしれません。
でも、”体が痛いのは今”ですよね。
痛みに対処するのは、”今”であって、過去でも未来でもありません。
過去を呪うものでもないし、未来を憂(うれ)うものでもありません。
同じように、「幸せ」になるのも”今”です。
”今が不幸だから未来に幸せになる”のではありません。
どんな状況でも、人は幸せになる事ができます。
しかし、同じ状況でも、幸せを感じる人と、感じられない人がいます。
幸せを感じられない人は、自分の過去や未来を他の誰かと比較して、自分が「恵まれていない状態にある」と予測をしてしまう傾向にあります。
本当に幸せな人は、「恵まれている」と思うのは当然で、「恵まれているから幸せ」とは思っていません。
「今この瞬間は十分でちょうどいい」という感覚を持っています。
だから、決して身の丈を過剰に超えるほどの多くのものを必要としません。
「年齢ごとの暗黙のルール」や「一般常識」といった、社会の常識に捕らわれず、今の自分を優先しましょう。
同年代の人と、自分を比較せずに、自分の人生の一本道を尊重しましょう。
自分の人生は、自分だけのもの。
人生の進み方は、他人が決めるものじゃない。
未来を想像すると恐れが湧いてくるのなら、未来なんて想像しない方が良い。
未来の想像が理想や希望になるのなら、ぼんやりとなんとなくした方が良い。
まずは、今日の自分を何よりも幸せにしましょう。
今日も素敵な人生をお過ごしください。
鈴木天尋
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