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タンタシオン
2021年4月29日 23:19
決断しよう。家族を捨て、あの娘のもとへ...そう考えた時期もあった。遊びのつもりがのめり込んでしまい、全てを投げ出しそうになった。後悔をするとわかっていても、あの娘が欲しい衝動が抑えられなかった。絵に描いたように浮かれていて、青春時代のような恋をしていた。今は少し違う。相変わらずあの娘の事が頭から離れなくて、あの娘に会いたい、抱きたくて仕方がないが、もし、あの娘と結ばれても幸せになれる
2021年4月25日 23:38
ほんの少し、ほんの少しだけど覚悟ができている。ほんの少しの覚悟を覚悟と呼べるかは別として、あの娘にいつ別れを切り出されても、受け入れる覚悟をしている。泣きつくようなマネはしない。それがあの娘のためで、僕のためだから。今、もし別れが来たら、僕はオロオロして仕事も手につかない事でしょう。ひとりでカラオケして思い出の曲を歌い涙する事でしょう。抜け殻となり、この世の全てが嫌になる事でしょう。忘れる
2021年4月13日 22:10
僕がマンションのエントランスのオートロックを解除すると、その隙をみて少年がマンションの中へ入っていった。インターホンで家族を呼び出す手間が省けたと得意げだ。少年はエレベーターホールへと続くもう一つのオートロックの前で僕を待っていた。センサーに僕が鍵をかざしドアが開くと、少年はまたスルッと中へ入った。ちょうどエレベーターが来ていた。“ガンッ!"少年が、閉まりかけたエレベーターのドアに挟ま
2021年4月11日 22:06
ここ数日、あの娘にLINEをしていない。僕からLINEが来ない事を、あの娘は露ほども気にしていないだろう。僕と違ってポジティブ思考の持ち主だ。僕の微妙な心境の変化なんて、読み取るわけがない。週末は必ず僕からLINEしていた。僕が家族といる事を気づかって、あの娘からは絶対にLINEが来ない。それをまた僕が気づかって、僕は毎週末LINEしていた。返事は来るがいつも最小限だった。その反動か月曜は心の
2021年4月2日 14:51
嘘をつき忘れた4月1日。「本日からよろしくお願いします!」あぁ、そうか。今日から新年度か。新入社員が2名。緊張で顔を強ばらせながら僕に挨拶する。僕は彼女達が肩の力を抜けるよう冗談を混えながら、社長として、社会人の先輩として、2人を歓迎し仕事の在り方を教示する。3人だけの入社式。希望に満ちた輝く瞳を曇らさないよう、会社の繁栄を胸に誓う。立派な社長を演じた後は、オフィスを抜け出しあの娘のも
2021年3月26日 20:18
おはよう、僕。昨夜はゆっくり眠れたかい?君はただでさえ寝付きが悪いのだから、あの娘の事をアレコレ考えるのはもうやめなよ。君の悪い妄想が必ずしも現実になるとは限らないのだから。ほら、顔を洗って歯を磨いて。カラッとした清々しい朝だよ。もうすぐトーストも焼ける。きっとあの娘も気持ちのいい朝を迎えているよ。えっ?誰と迎えているかって!?どうしてそんな風に考えるのさ。あの娘は言ってたじゃないか。
2021年3月15日 20:00
あの娘を独り占めしたい。だけど既婚者の僕にはその権利がない。恋は盲目とは良く言ったもので、寝ても覚めてもあの娘の事ばかり。優しい妻と可愛い息子、幸せな家庭があるというのに...。未来の僕がどんな決断をして、どんな道を歩むのか、今の僕には見当がつかない。何度も同じ過ちをおかしてしまう。きっと誰かを傷つけてしまう。支離滅裂な心の隙間を埋めるため、僕はnoteを書いています。ありがたい事
2021年4月12日 23:02
ふんぎりってどうやってつけるんですかね?忘れた方がいい、終わりにした方がいい、ってのはわかってるんです。一時辛くても時間が解決してくれるってのも、わかってはいるんです。冷静に考えれば実らない恋なんです。時間の無駄かもしれません。いろんな人を傷つけるかもしれません。僕の事は僕が一番よくわかっていて、何度も同じ過ちを繰り返しているから、学ばなければならないんです。ちっとも成長していない自分に嫌
2021年4月17日 15:55
「ねぇねえ、お爺さん、お話して!」そうじゃのぉ、じゃあ不倫オジサンの話をしてやろう。むかーしむかしある所に不倫オジサンがおった。不倫オジサンは優しい妻と可愛い息子と家族三人、仲睦まじく暮らしておった。ある日の事、不倫オジサンは街で若い娘と出会った。若い娘はたいそう美しく、みずみずしい果実のようじゃった。オジサンは大きな口でペロリと若い娘を食べてしまった。ほんのつまみ食いのつもりじゃった
2021年4月5日 19:18
宇宙の中に銀河があって、銀河の中に地球があって。恐竜が絶滅して、猿人がマンモスを狩って。川のほとりに文明が栄えて、偉大なる王が誕生して。あの娘が王国のお姫様なら、僕は王子か勇敢な騎士。あの娘が江戸の町娘なら、僕は侍か商人か。朝起きて顔を洗って、歯を磨いて家を出て。いつもの電車に乗って、あの娘と出会って。忘れ物をして家に帰って、いつもより遅い電車に乗っても、あの娘と出会って。
2021年2月28日 15:49
「73歳の男性が、猥褻行為で逮捕されました」チクショウ!僕はそのニュースをみて落胆した。じいさんになれば、おなごの柔肌への興味は失せ、静かに穏やかに暮らしていけると思っていた。同く老いた息子を労りながら、季節の移り変わりや、茶葉の渋さを味わいながら、過ごしていけると思っていた。陽だまりの公園で、流れる雲を眺めながら、そんな事を思っていた。雲はいつしかあの娘のお尻へと形を変えた。
2021年2月25日 22:28
僕には幸せな家庭がある。綺麗で優しい妻と、ヤンチャで可愛い息子。リノベーションした高層階のマンション。買ったばかりのクールな4WD。妻は献身的に僕をサポートしてくれるし息子はパパに甘えたい年頃。僕にはもったいないくらいのありきたりな幸せ。40代になって、ようやく手に入れた穏やかで幸せな生活に満足していた。平凡な日常を満喫していた。あの娘と出会うまでは...。彼女は大