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映画独り言。(山と映画「ジャンクヘッド」)

GWもあっという間に後半に差し掛かり、1日予定のぽっかり空いた天気の良い日。知人の展覧会用に使うものを制作しようかと材料を取り出したが、なんとなく気が乗らず友人に連絡した。

「山におる?」

すぐに山で何か作業していると返答があり、からっぽになってしまった猫さんのご飯を慌てて買い、山に向かう。

車で約1時間かけて山に到着。友人は以前訪れた家とは別の家でリフォームの作業をしていた。私は上の家で好きなことをしてていいかと聞くと自由に使ってといってくれた。

画家でもある友人は実家が所有していた家を長い期間かけてリフォームしている。私がやることはそれほど時間がかからず地味なことだが、誰もいない山で空気も良いし天気も良いので1人でも作業がとてもはかどった。

しばらくすると友人が上に上がってきた。

「お昼どうするの?」

バナナ持ってきたから、というとカレー食べますかと言ってきた。

「え?カレー作ったの?」

「話が長くなるから・・・まあ、作ったカレーです。」

家でカレーを作るとあっという間に空になってしまい、いわゆる「2日目」のカレーを食すことが何年もない。バナナはおやつにしてカレーを少しもらうことにした。いきさつを聞いたら、息子さんたちが山に訪れて鶏肉を焼こうという話になり、やっぱり参鶏湯にしようとなり、最終的にカレーになったらしい。それが余って冷凍したものだった。(長い)

久しぶりに会ったので積もる話もあるけど、たいした会話もなく背中を向けあってカレーを食べる。

「山に行かなかったら映画行くとか言ってたけど何の映画観るの」

特に決めず適当に何か観るか、エヴァかなあというと

「ジャンクヘッド観て。おすすめ」

ノーチェックだった映画なので特に興味も示さず、先日の朝陽がきれいだった、新しいものを作りたい等々勝手に話してみた。

「そういうときはね、ジャンクヘッド。自分まだまだやんと思うから。」

ん~、そんなすごい人になりたいわけでもないし、頑張る必要ないんじゃない?わたしまだまだ頑張らないかんの?

「うん、ジャンクヘッド観て」

わかったから・・・まあ観るとしてあーだこーだ近況を話すと

「ほう。まずはジャンクヘッド観た方がいいよ。」

・・・・・。

カレー美味しかった。やっぱ人が作ったカレーは美味しい。なんか感動したとお礼を言うと

「そう、ジャンクヘッド観るとすごい感動するよ」

・・・・・・。

明日は連休最終日やし

「ジャンクヘッドやな」

わかったわ!笑

結局3時間ほど山にいたが、友人との会話がこれくらいだった。全く気の使わない友人。

こんな経緯でジャンクヘッドを今日観てきた。観客は数人だった。

ジャンクヘッドとは
映像制作経験のない監督が7年かけ作り上げたヤバい映画。
物を撮影して少し動かしてまた撮影し、また少し動かして撮影しというひたすらど根性な手法「ストップモーション」で制作されている。

冒頭の説明からしてヤバい雰囲気が漂い始め・・・気の遠くなる映像がどんどん流れる。独特の雰囲気や、カメラワーク、ストーリー等々、色んな意味でヤバい映画だった・・・経験がないとはいえ、きっと色んな映画を観たり研究したのだろう。
ラストに少しメイキングが流れたが、長い長い月日をかけて自分の作りたいものを粘り強く完成させたその姿をみて

「まだまだやな私・・・」

と思ったのであった。

おわり。

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