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白饅頭日誌:2月24日「共有地の悲劇」

セルフケアやアンガーマネジメントといった話には、たとえ会社や社会に問題があったりしても、まずは労働者個人に問題がないか点検し、個人をなんとかしようとさせる方向性があって、ともすれば、問題の個人化を促しているきらいがあるんじゃないか、と私は警戒している。最近耳にするレジリエンスという言葉もそうだ。あの言葉はなんとなく聞こえがいいけれども、一歩間違えると問題解決を個人に強いるためのきれいごとになりかねない。気がする。

シロクマの屑籠『意識が高くなって治療や支援が行き届いた社会だからこそ「なおすべきは、あなただ」と言えてしまわないか?』(2023年2月16日)より引用
https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20230216/1676512245

 セルフケアやアンガーマネジメントといった、自分の心身や感情をケアしてコントロールすることで、ある個人や協働する仲間がより健康に過ごせるようになるために注目されていたタームが、最近では「セルフケアやアンガーマネジメントが出来ない奴は立ち去れ」といった、ある種の“自己責任論”的な、排他的ニュアンスを帯びるようになった――という肌感はたしかにある。

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