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夫さんをアセスメントした話 その2

前回まで↓ まだ読まれてない方、ぜひ。

 さてさてお待たせいたしました。待ってくださっていた方がどれくらいいるのかはわかりませんが、こういう感じで始めさせてください。
 夫さんには発達障害グレーゾーンのような特性がある、という話を前回の記事で書いたかと思います。見ていない方は是非確認なさってください。じゃないとわたしがものすごく一方的に夫さんをけなしているみたいになってしまうので。そんなひどい人間ではないと思うんです、わたし。

 鬱とパニック障害の状態悪化で退職をしたわたしですが、そのころから夫さんと同棲するようになりました。そこからわたしがジストニアを発症したりと色々ありましたが、そのまま結婚する運びになり、夫さんは転職やら引っ越しやら大忙しでした。わたしは自己紹介で書いたように職業名に見合わない専業主婦になりました。
 環境の変化は夫さんにとって大打撃だったようで、なかなか転職がうまくいかない期間があったり、夫婦ともに上がったり下がったりしていました。

 わたしの精神状態は安定してきたのに、夫さんの気分ムラにおびえて過ごすようになり、夫さんの帰宅時間に合わせて蕁麻疹が出ていました。自分の体が敏感に物事に反応することを知り尽くしてきたわたしは、あぁ、やっぱりそうだよね、くらいにしか思わなかったのですが、わたしの周りの友人達はとても心配していました。当の本人は他人事なのに、優しい人たちです。
 旦那さんの仕事でアメリカに行ってしまった元同僚に毎回3−4時間夫さんがいない間電話し続けていました。カサンドラ症候群という言葉を知って、解決するために夫さんの行動をアセスメントして分析し始めたのもその頃です。

 嫌な書き方になってしまいましたが、別に夫さんを実験体にとかそういう思いは一切なく、ただこのままいくとわたしも夫さんも苦しいんじゃないか、ということでなにか打開策を探そうと動き出したのです。誰が悪いとかではなく、生活と人生がかかっていたので。
 何もせずジタバタもがいても沈んでしまうし、感情的に夫さんに泣き叫んだって悪化していくだけだろうというのは数年夫さんと過ごして知っていたので、ただ淡々と行動できる方が行動していくしかなかったのです。そう、みなさまおわかりかと思いますが適任は夫さんよりはわたしだとわたしも思っていたのです。
 後にカサンドラ症候群のパートナーさんに向けた記事も書こうと思っています。それなりに苦しかったので、できれば参考にしていただけると嬉しいです。

 主にわたしが「アセスメント」をしたのは、夫さんの行動と言動です。わたしの主観とは別に、一旦感情を抜きにして、時間帯や、いわゆる「イライラしているなぁ」というときの言葉や表現、よく見られる行動などを観察していきました。スマホの中はもはや探偵さん並みに書き記されていたと思います。こわやこわや。
 それがわかってくると、何が原因でそのような行動を取るのかというのがわかってくるのです。夫さんの感情のコントロール方法がわたしのものとは全く違うことや、わたしのどのような言葉や行動に反応するのか、などなど。もう完全に仕事をしているときの目だよ、っていう目をしていたと思います。

 「アセスメント」の次は行動に移す「アプローチ」を考えていく段階ですね。わたしは自分の今の結婚生活状態を冷静に、わかり易い言葉で、簡潔に、夫さんにとって受け入れやすいタイミングで話し合うべきであり、そこで夫さんの現状を客観視してもらおう、と考えたのでした。もはやクライアントさんと話すくらい試行錯誤しました。結婚式より鮮明に覚えているほどの人生の大イベントでした。

 翌日から夫さんの連休に入るタイミングで、お互いの生活を楽に続けていきたいから、と切り出してお話し合いをしました。自分と全く違う性質を持つ夫さんに、感情的にならずに相手を尊重しながら必要なことを話し合う、ということに妙に緊張していたのは覚えています。ただの夫婦の話し合いなのですが。
 結果的に夫さんは言語化するのが苦手であり、自分がイライラしてしまうことをわたしに伝えるすべがわからなかったこと、家に帰ってきてまで人の感情に気を回す余裕がないことなど、夫さん自身の葛藤を聞き出して、自分の性質を簡潔に説明し、二人でルールを決めたりしました。

 これ以上は夫さんの「アセスメント」の話の域を超えていきそうなので、また次回以降、夫婦のニュー生活ルールとわたしの夫さんとの接し方を記していこうと思います。いわゆる「普通の」(もはや普通という定義すら危ういですが)夫婦関係を成り立たせている方々からするとちょっと変わってるね、と言われることが多いですが、それが自分たちらしさなのだからいいか、とわたしたち夫婦は思っています。人生笑ってなんぼですからね。

 これまで多少文句はいってもずっとめげずにわたしの病気に付き合ってくれていた夫さんにとって(見放さずに面倒を見てもらっていたことについては感謝以外なにもないのです)、わたしの病状が安定して、結婚という名の紐で夫婦一括りになった途端、やっと夫さん自身を爆発させることができるようになったのがこの頃だったのだ、と後に二人で語ったときにたどり着いたのでした。

 長くなりました。本当に。ごめんなさい毎度長くて。お付き合いありがとうございます。どこかの誰かが困ったときに、こんな夫婦もいるのだと救いに思っていただければ幸いです。ではまた。


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