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読書日記~20世紀約1,000冊分の年表:2024/01/31

 前回の記事では、20世紀(正確には1900-2000年)の小説作品約1,000冊を選んで、その年表を作成したことを報告した。配布したスプレッドシートのリンクは下に置くことにする。

 20世紀の小説・約1,000冊分の年表を作成するのは大変だったけれど、仕事はまだ終わっていない。入れそこなった作品を加え、出典や書誌情報・備考欄の整備もしなければならない。(やらないまま公開してしまったのはすみません。)

 さらに、19世紀の文学作品年表や平成・令和の小説作品年表にもそのうち着手するかもしれない。膨大な作業量が予想されるが、自分がやらねば誰もやってはくれないだろうことが目に見えている。(ご覧になりたい方は気長にお待ちいただければ幸いである。)

 前置きはこの程度にして、まずは年表の所感について語っていきたい。

20世紀の約1,000冊をどう選んだか?

 いろんなジャンルから有名作を万遍なく抽出したつもりだが、実際はそうもうまくいかないのが現状である。私は純文学や海外文学、SF小説をよく読んできた。一方でミステリ小説や歴史・時代小説はあまり読んでこなかった。なので、自分が作成した年表にもそうした影響が色濃く出ているだろう。どうしても純文学やSF寄りになってしまう。

 また、ミステリ小説や歴史・時代小説のチョイスにも素人らしさが現れているかもしれない。クリスティやカー、クイーン、司馬遼太郎や池波正太郎など有名処の作品を多く入れ過ぎてしまったように感じる。そのせいでマイナーな作家の有名作を盛り込めなかったという後悔もある。

 ただし、日本のミステリ小説に関してはその種類が多いことにも留意したい。本格・ハードボイルド・社会派・警察小説・サスペンス・日常の謎……80年代後半からは新本格も登場するのだが、これらのサブジャンルの代表的な作品群のすべてを入れることはできなかった。(むしろ切り捨てている作家・作品の方が多いかもしれない。)特に90年代のミステリ小説は多すぎるので相当数を切っているはず。

 それらの点をご了承なさった上で、ご覧いただけると幸いだ。

年表で面白かった部分

※同年の作品については順不同

 個人的には1939年がアツかった。同年の9月にはポーランド侵攻があり、戦間期の終わりが決定的となった年でもある。この年に刊行された作品も戦間期の総決算と呼べそうなものが多い。

 アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』、スタインベック『怒りの葡萄』、ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』に吉川英治『宮本武蔵』――どれも豪華だ。戦中、特に1943-45年は作品数がぐっと減ることを思うと切なくもなる。

 もちろん、これ以外にも面白い年はたくさんある。が、長々と語っても退屈かもしれないので、ここで一旦しめることにしたい。

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