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女性が女性に相談できる場所:私が「女性による女性のための相談会」が必要だと思う理由

noteを書くのは久しぶりです。
皆さまはいかがお過ごしだったでしょうか?
実兄から性虐待を受けていた当事者としてこのnoteをスタートさせて、マイペースに発信をする予定が、このコロナ禍で私自身もいろいろあり、全く更新できないまま今日に至りました。
私は、かろうじて生きてます。

さて、ふとしたきっかけで、Twitterを通じて「女性による女性のための相談会」という相談会を知ることになりました。

労働組合や市民団体が同公園で開催した「年越し支援・コロナ被害相談村」の実行委員などで参加した女性たちが、女性に特化した相談会が必要だと感じ、開催を呼びかけた。作家の雨宮処凜さんやジャーナリスト、労組メンバー、福祉関係者ら約60人の女性が呼びかけに応じ、「女性による女性のための相談会」実行委員会を作った。
ー 毎日新聞「コロナ困窮者向け 「女性による女性のための相談会」新宿で開催」2021/3/4 16:34(最終更新 3/4 16:34)より

上記の通り、「女性たちが、女性に特化した相談会が必要だと感じた」という言葉は、非常に納得できます。
女性だけの相談会の告知に対し「じゃあ男性のための相談会もやってほしい」というリプなども見かけました。そんな反応を見るにつけ、個人的に私だったら、「男性ばかりの相談会には行きにくいかなぁ」という思うところもあり、私が思う女性だけの相談会の必要性について書いてみることにしました。「個人の意見」程度に読んでもらえたら嬉しいです。

女性による女性のための相談会とは?

コロナ禍で生活に困難を抱える女性の相談会として、3月は新宿で、7月には浅草橋で開催された女性による女性のための相談会。相談会当日に携わるスタッフは全員女性。3月の開催時の模様は新聞にも取り上げられており、生活相談を含めたさまざまな専門家が参加し、食料や生理用品、化粧品や衣類などの配布も行なったそうです。キッズスペースとして子供を預けられる場所があることも特徴です。

生活保護やDV被害者支援の専門家ら約80人が対応し、外国語による相談や性的少数者の悩みも受け付ける。食料のほか生理用品や化粧品、衣料品なども配る。
ー朝日新聞「女性による女性のためのコロナ禍相談会 都内、14日も」2021年3月13日 18時20分

7月開催時には、弁護士が主催となって開催されたとのこと。

30人以上の弁護士に加えて労働組合専従、女性支援団体の相談員、臨床心理士、看護師、不動産業者が女性らの複合的な問題の相談に応じました。
ーしんぶん赤旗「女性による女性の相談会 解雇・DV・生活…複合的に」2021年7月11日(日)

コロナの影響と現状

セクシャリティや年齢問わず、ただでさえ生きづらい今の世の中です。
私を含め、私の周りには非正規雇用の人も多いので、コロナになってからはその影響を肌で感じます。友人との会話の中でも、「明日はどうなる?」「仕事が(職場が)なくなりそう」「病気になったら?/ 病気が発覚した」など不安はつきません。

内閣府が発表する「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会報告書」によれば、

DV相談 
2020年4月から2021年2月の相談件数は、17万5,693件で、前年同期の約1.5倍。昨年度(2019年度)全体の相談件数(11万9,276件)を大きく上回っている。
就業・雇用者数 
就業者数は、男女とも2020年4月に大幅に減少。特に女性の減少幅が大きい。雇用者数は、男女とも2020年4月に大幅に減少。特に女性の減少幅が大きい。
雇用形態 
女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高い。「宿泊,飲食業」「生活,娯楽業」「卸売,小売業」「医療,福祉」は、女性の非正規雇用労働者の割合が高い。 また、女性の非正規雇用労働者を人数別で見ると、「卸売,小売業」「医療,福祉」「宿泊,飲食業」が多い。

この調査結果を読んでいくと、様々な場面で苦しい状況に置かれている女性が増加しているということがわかります。

また、警察庁の調査では、2021年5月に自殺した人は速報値で全国で1745人。(2021年に入ってから、毎月約1600-1900人が自殺している。推移グラフは、リンク先をご覧ください。)

男女別では
▽男性が1142人と4.5%の増加、
▽女性が603人と21.1%の増加となっていて、
特に、女性が大幅に増えています。

男性の自殺者数ももちろん無視できませんが、女性の自殺者数が21.1%増加ということは、やはり注視すべき部分ではないでしょうか。
自殺するほど追い詰められる時、原因は一つではありません。小さな原因が複合的に重なり合って、重りになり、うまく息が吸えなくなる。未来が描けなくなる・・・。友達に相談するには重過ぎて、誰に相談していいのかわからない。(これは実体験。)
とにかく今を生き延びるために、誰かの助けを乞うことは恥ずかしいことではないはずです。その手段の一つとして、こういう「女性のための相談会」はあるのではないかと思います。

相談できる場所の選択肢として

これは一つの例ですが、以前に某ホームレス支援団体が行うボランティア説明会を受講した際に、「女性のホームレス」について伺う機会がありました。そこで「女性のホームレスはいないわけではない。ただ、女性一人だと危険な目にあうことも多いため、男性と一緒だったり、ホームレスとは見た目でわからないようにされている方が多い。」というお話を伺いました。
実際、炊き出しなどの現場の多くは男性の比率が圧倒的に多いそうです。男性が多い場所、そして「困っている」ことが目に見えてわかる状況下に、女性が自分を置くことはかなりハードルが高く、好奇の目(もしくは性的な目)で見られるのではないかと不安になるのも容易に想像できます。体格的に男性と女性では差があります。すでに開催されている炊き出しや相談会に行くとしても、「何かあったら・・・」と気を張って参加しなければならないとすれば、気力も体力も参加するだけでかなり消耗するのではないでしょうか?
また子供連れで炊き出しや相談会に参加する場合、子供を預けられないから行けないという方もいらっしゃるでしょう。子供を持つ友人を見ているとわかるのですが、子供を預けられない状況だと、子供が気になって相談どころではありません。キッズスペースなど、子供を預けて相談できるというのは、非常に心強いのではないでしょうか?

また、これは私の場合の話ですが、これまでに自身の性虐待の話をした際に、男性の医師とのカウンセリングで「忘れなさい」と言われたことなど、打ち明けた際に傷つけられたトラウマがあります。また、自分の弱いところをさらけ出さなければならない場所で、男性に打ち明けるのが怖いと思う部分もあります。フラッシュバックではないのですが、男性という存在が単純に怖い場合も多いにあり得えます。(実際、私も急に後ろに立っていられるとかなりビビります。ごめんなさい。)

女性の相談窓口の重要性

どんな相談員が私の話を聞いてくれるかわからない場所に勇気を出して行ってみても、心折れるようでは元も子もありません。そういう意味でも、「女性による女性のための相談会」は、そもそもスタッフが全員女性という段階で相当ハードルが下がります。また、「女性たちが、女性に特化した相談会が必要だと感じた」という人たちが開催しているなら、(他の場所で相談するよりはずっと)問題や不安を理解してくれるかもしれない。そういう雑多で複合的な問題を理解して聞いてくれる人がいるかもしれない。と思うのです。

10代でお金に困っている・いくところがない女性には、一般社団法人colaboといった相談窓口がありますが、成人以上の女性にとって困った時に相談に行ける場所はあまり多くはないように思います。また、問題が複雑に絡み合っているケースの場合には、相談する窓口を探すことが困難です。(これも個人的な実感です)

そういう意味で、成人女性が複合的に抱く悩みを一箇所で相談できる機会として、また女性によって作られるセーフスペースで、自分の一番弱いところを打ち明けて、必要な助けを得られる場所には、非常に意味があると思います。
私が知らないだけで、こういった相談会は他にも開催されているのかもしれませんが、ぜひ全国にも拡大してほしいなと思いました。個人的には、国の制度として女性のための窓口があってもいいと思うんですけどね、本当は。


この相談会で集約された相談は、この国に生活する人の声。
どうか、社会制度そのものに反映され、苦しい思いをする人が一人でも減りますように。


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