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フランス映画

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フランス映画「彼女のいない部屋」

フランス映画「彼女のいない部屋」

現実と希望のはざまで朝は23℃、渋谷は秋の兆しが感じられる中
フランス映画「彼女のいない部屋」を鑑賞しました。

早朝、二人の子供と夫を残し車で出ていく妻。
平凡に暮らしていた家族4人にいったい何が起きたのか?

マチュー・アマルリック監督は
「彼女に何が起きたのか、
映画を見る前の方々には
明らかにしないでください」
と観客に伝言しています。

はたして今観客に見せられているのは彼女が見ている幻

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フランス映画「1640日の家族」

フランス映画「1640日の家族」

子どもにとって一番の幸せとは

本当の家族のように育てていた子供と突然別れなければいけない、と言われたら?子供が自分のことを「ママ、ママ」と慕い、兄弟も実の弟のようにかわいがっているのに?

私にも息子がいるため、同じ立場ならきっと葛藤するだろうなあ。

しかし、冷静に考えると里親制度のゴールが元の親に返すことであれば、里親は育てながらも、「いつかは離れ離れになる」覚悟が必要なのでしょうか。

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雨の日におすすめのフランス映画

雨の日におすすめのフランス映画

激務の労働環境でしばらく働いた後、退社してフランスへ留学した時のこと。パリではめずらしく大雨が降った日、築100年のアパートで静かに窓辺を伝うしずくを眺めながら読書したりフランス映画をみた時ははじめて頭に「晴耕雨読」という平和で穏やかな言葉が浮かびました。
ふと空を見ながら「雨のパリもモノクロ写真みたいでいいなあ」なんてのんきな感想は激務の日々の中では決して生まれることのないものでした。
結局、日

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フランス映画「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」

フランス映画「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」

世の中、挫折を知らない人なんているのでしょうか。計画していたことが途中でくじけてしまったり、予想外のことが起きて中止せざるを得なくなったり。コロナ禍において、余計そんな人が増えているのではないかと思います。たとえ大きなチャレンジでなくても勉強でも仕事でも生きていれば壁にぶつかることは誰にでもあります。フランス映画「パリの調香師~しあわせの香りを探して~」は勉強や仕事、プライベートでもなにかしら行き

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フランス映画「モンサントの不自然なたべもの」

フランス映画「モンサントの不自然なたべもの」

農業大国フランスで150万人が見た映画「モンサントの不自然な食べもの」が衝撃でした。世界の食市場を牛耳る大企業のウラの顔。ふだん何気なく目にする「遺伝子組み換えではない」という意味。フランス人ジャーナリスト執念の取材は世界42か国で放送されましたがなぜ日本では放送されないのでしょうか。

アメリカ産大豆の94%は遺伝子組み換え大豆アメリカ産大豆の94%は「モンサント社」が開発した遺伝子組み換え大豆

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ミニシアターが存続の危機

ミニシアターが存続の危機

昨日は17:00ごろからコロナ禍で厳しいミニシアターの現状をYoutube LIVEで半日近く見ていました。全国の劇場支配人のほか、茂木健一郎さん、カラテカさん、小泉今日子さん、斎藤工さん、井浦新さんなど…豪華な出演者たちが熱く映画館存続の必要性について語っていました。

茂木健一郎さん
「・日本の文化予算はフランスの8分の1
・ミニシアターは地方創生の中核
・映画館で映画を"みんなで"観ることは

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フランス映画「タイピスト」

フランス映画「タイピスト」

レジス・ロワンサル監督の「タイピスト Populaire」金曜の夜、ワイン片手にチーズやサラミをつまみながら、なーんにも考えず映画を楽しみたい人におすすめです。

あー、こういうおしゃれでキラキラしたロマンティックコメディ、好きだわー。

ノルマンディーの田舎に暮らす主人公ローズがタイプライター早打ち選手権の全国優勝を目指してロマンデュリス演じる鬼上司に鍛えられる話。
見どころはなんといっても主人

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フランス映画「顔立ち、ところどころ Faces places」

フランス映画「顔立ち、ところどころ Faces places」

「顔立ち、ところどころ Faces places」

33歳の写真家JRと88歳のアニエスヴァルダ監督がフランス中の村を周り偶然出会った非凡な村民の顔写真を撮影するプロジェクトのドキュメンタリー。

JRはかつてのゴダールを彷彿とさせる風貌で颯爽と写真を撮っていき、アニエス監督は鋭いインタビューで村人たちの魅力を引き出していきます。そして最後にアニエス監督は音信不通のゴダールを探しに行く…。

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