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映画評のようで、全然ちゃう話。(おそらく今年最後の投稿にもかかわらず)

先日『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を観てきた。仰々しい専用のサングラスをかけてから約3時間半ものあいだじっと座っていられたことを振り返ると、映画にのめり込んでいたんだと思う。
実際、映像美とやらには驚かされた。ストーリーも嫌いじゃなかった。『アポカリプト』なんかもそうだけれど、未開の地に入植して起こるすったもんだの話には、これまでほぼ無条件で好反応を示してきたような気がする。だからジャングルを舞台にした人間ドラマには、とかく弱い自覚がある。

そんな僕だが、リアルな身近で映画の話ができる人がいるのでありがたいと思っている。「映画つながり」の上司がいるのである。
基本は当然仕事の話で、叱られたり相談したりする間柄。でも余裕のある日の雑談では、「最近、なんの映画観た?」という運びになるのが定番の流れになっている。
なぜそうなったのかは意外と単純。オフの日にたまたま、同じシアターをともにするという縁があったからである。座席も同じ列、かつ近かったので、所どころで上司の存在がチラつく。正直僕としては歓迎できる状況ではなかった……。しかしそれからというもの、映画の話が二人のコミュニケーションツールとなっていったのだ。

上司は今年一番の映画として『RRR』を挙げる。
本家ボリウッド的な要素を入れつつも、ハリウッドをも凌駕するような迫力の映像美で感動したという。
未見の僕にはかなり響くふれこみだが、未見は未見。タイミングが合わなかったので仕方ない。「えー、面白そうですね!」と返すしかなかったのである。上を立てるコミュニケーションとしては最悪だろう。

一応、僕が今年映画館で観たナンバーワンを挙げるとしたら『ドライブ・マイ・カー』になる。ずっと観続けられたうえ、前後半での急展開が面白かった。ただ公開の封切りは去年2021年だったというから、「カンヌ」や「アカデミー」の名に相当左右されてから観に行くことに決めたらしい。過去のことは記憶から遠ざかりつつあるが、星の数を確認してから食べに行ったということ。完全に安パイだと確認してから、今年の一番に挙げるのは我ながらダサい行為だとは思うが、事実そういう結論なのだから仕方ない……。

ただ『ドライブ・マイ・カー』は上司も観ている。
それでも『RRR』のほうがいいわけだから信憑性は高い。見応えがあるのは間違いなさそうだ。
年も暮れそうな中、まだ細々とは上映している『RRR』を、この師走にねじ込んででも観るべきか。この先3日間における地味な難題を抱えている。

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