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⑦自宅紹介その2

今回は写真をお見せしながら各空間について説明していきます。

平面図はこちら


01.玄関

まずは玄関からです。

玄関を上がって振り返ったところです。
真ん中の柱奥が壁面になっており、玄関正面にウェルカム感をつくる受けを設け、その裏に薪ストーブを設置し建物全体を暖めるため、今回工事範囲の中心に近く、煙突の抜け方がシンプルな位置になるよう工夫しています。

02.薪ストーブ周り

薪ストーブは小さめですが、しっかり暖めてくれます。ストーブ周りの不燃処理と、火をちょうど良い高さから眺めるためにタイルでステップを設けています。その壁面もブルーのタイルで設えました。空調は薪ストーブの他にエアコンを1台のみで完結しています。(念のため寝室には将来的に設置できるよう電源とスリーブを用意しています)

03.ホワイエ

玄関を抜けた先からホワイエを見ると、空間の全体像がわかります。ホワイエは吹抜けになっており、ダイニング兼客間としています。その奥にはソファを配置しゆったりと映画を楽しめるスペースをつくりました。窓の外にはスギ林が広がっていて緑の光が差し込んできます。アーチの開口がふたつありますが、2階部分の奥は寝室、1階はキッチンの入り口になっています。

吹抜け部分には既存と同じ場所にハイサイドライトの入れ替えを行なっています。電動で開閉できるため夏は窓を開けて熱気を外にだし、冬は天井についているファンで暖気を下に戻して効率的に空気を循環させています。

04.和室

和室はホワイエと一体となった床の一部を畳敷きにして設けています。南に面した窓側なのでここで日に当たりながらゴロゴロできます。既存は基本的に全て畳敷きの部屋だったため、その時の生活感も残せるよう視線を落とした場所にしています。フィックス窓の向こうにはさくらんぼの樹が見えます。

和室からホワイエを見ると、奥には古い柱梁に囲まれた空間が広がり、右手奥にはキッチンがあります。
手前にはキッチンと同じ高さのカウンターを設け、朝食をとったり、バーカウンターとしても使えます。
フローリングや天井などの木部の塗装には全て柿渋を使用しています。丸森町の特産品に干柿があり、渋い柿がたくさん生えていることから、自身の協力隊としての活動の中で活用方法を検討しています。フローリングはカバ材に柿渋と蜜蝋ワックス、天井はシナ合板に柿渋です。柿渋は防腐・防虫・防水・抗菌などの作用があるとされており、昔ながらのSDGsな材料で、塗り重ねることで風合いが変化します。
また、壁面はエッグペイントという卵の殻を混ぜたグレーの塗料で、珪藻土のように調湿・防臭などの効果のあるもので、こちらもDIYのイベントを行い、たくさんの方に協力いただいて完成しました。素人が塗ってもそこそこうまくいく、扱いやすい素材です。

05.キッチン

キッチンは全て造作ですが、極力、扉をつけないことでコストを落とし、オープンにすることでどこに何を置いているのかが分かりやすいようにしています。隠したいものはかごに入れるなどして工夫しています。基本的な掃除はルンバさんにやってもらっているので、棚下もルンバが入れるよう高さが調整できます。上部の棚も使いやすい高さで一段だけ設けています。
キッチン収納の裏はパントリーとし、見せたくないものや大きな鍋などをまとめて置けるよう逃げのスペースを設けています。

06.浴室と洗面

浴室と洗面1です。お風呂はこだわりたかった場所なので、ユニットバスではなく、バスタブから選んで造作しています。造作お風呂は掃除が大変などメンテナンスに難があるイメージですが、実際に使っているとそんなことはほとんどありません。また、きちんと断熱材をまわしてつくることが可能なため、タイルが足裏に触れていてもそれほど冷たさを感じず、ゆったりとバスタイムが楽しめます。天井はピーラー材に柿渋を3回塗装しているため、濃さが他のところと異なります。3回も塗ると柿渋自体も中々染み込んでいかないくらいの撥水力で、入浴時に天井付近のタイルに触れると湿っていますが、天井を触るとサラッとしています。天井から水滴が落ちてきたこともないので、お風呂の天井には柿渋塗装がとてもおすすめです。
室内の随所に「水とみどりの輝くまち」という丸森町を端的に表すフレーズを表現しているのですが、お風呂の正面は緑色のタイルをアクセントとして用いています。日中はタイルに反射された光が洗面まで届いてきてちょっと幻想的な空間になります。

07.外観

最後に外観です。外壁は近くの栗駒山でとれた杉材に柿渋を塗装しています。外部に関しては耐候性を高めたものを用いており、顔料などで色味を調整しているため、少し落ち着きのある色合いになっています。裏側は実は既存の外壁に色味を合わせた金属のサイディングを張ってコストダウンしています。

既存をなるべく尊重し、自分のライフスタイルと組合せ、自然素材を可能な限り使って、これからも好きなものを取り込んでいけるすまいの器を目指しました。
既存部も追って手を入れていくことを考慮し、給排水や分電盤など将来対応が可能な設備を既存部にも施しています。今後の改修計画に支障がないようはじめの一歩をどこまでやるか考えておくことも大切です。

次回は移住・古民家改修で大変だったことについて書こうと思います。

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