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ほめること

仕事で、新人さんの指導にあたる機会が多くある。
その時に意識しているのがとにかく「ほめること」だ。

新人さんはゼロからのスタートなので、出来ないのが当たり前だというスタンスで、出来たことは具体的にほめるのだ。

話は変わるが、僕はオーストラリアに語学留学しに行ったことがある。
現地に着いてからしばらくは、なかなか思うように英語を話せず、もどかしさや悔しさを感じていた。
それがやがて、イライラや自信のなさに繋がっていった。

語学学校に通い始めて2ヶ月ちょっと経ったあたりで、仲の良い先生が、授業でやたら僕に発言させるようになった。
その先生は僕が何を言っても、とびきりの笑顔で嬉しそうに褒めてくれた。
正直言って大したことは言えてないと思うんだけど、ちゃんと出来てるっていう錯覚を与えてくれたし、何より自信になった。

3ヶ月目、4ヶ月目あたりだっただろうか。
簡単なプレゼンをする授業で、僕の番になったとき、原稿はちゃんと作っていたけれど、それを見ずにアドリブも入れつつ(プレゼン中にガヤが飛んでくるのにも答えないといけないので)必死になんとか発表を終えたとき、僕は階段を3段飛ばしぐらいで一気にグッと登ったような、手応えのようなものを感じた。先生はまた、とびきりの笑顔で褒めてくれた。

現地に到着してから、ずっと勉強は継続していた。
でも、間違いなく、先生が僕をやたら褒めるようになってからのほうが成長は著しかった。

約半年の語学学校生活も終わろうかというときに、先生は僕に、真意を教えてくれた。
先生は僕の自信のなさを見抜いていて、僕の成長のためには自信をつけることが必要だったということ、そして、自信が発言回数や練習へのモチベーションになるからだということだった。

僕は先生に心から感謝している。

だからこそ、新人さんを指導するときには、ほめることを意識する。
仕事だから、指摘しないといけないこともあるけれど、何か一つ指摘する時には、同時に何か一つほめるということをマイルールにしている。
適度な自信は成長への力になるから。
そして、先生と僕のように、強い信頼関係が築けるから。


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