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味の素(株)が歩んだV字回復への道。企業変革を経た今「人財投資には価値がある」と言い切る理由・・・という記事の紹介です。

味の素は、たまごかけご飯でいつもお世話になっています。
味の素のV字回復ってあるので業績が悪化していたんですね、知らなかったのでちょっとびっくりです。
回復のために人財投資、という内容なので興味があったので紹介します。

右肩上がりに成長を続けていたものの、2016年を皮切りに株価が低下。そこに大きな危機感を抱き、組織全体の変革に挑んだのが、元CDO、現特別顧問の福士博司さんです。数年にもわたる大きな変革の結果、株価は底地の倍ほどに回復、生産性は2022年時点で115%向上しているそうです。変革のキーワードは「パーパス経営」と「DX」。その全貌について語っていただきました。

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パーパス経営とDX、よく聞く単語ですね。
やはりこれからの経営の中で重要な要素なんだろうと思います。

そして日本企業はどうして衰退してしまうのか、何か共通項はあるか…と調べていた際、小城武彦氏の書籍「衰退の法則」に出会いました。小城さんによると、「衰退惹起サイクル」というものがあるとのこと。

スタッフは非常に優秀であるが故に、経営会議をはじめとした意思決定の前に、交渉や調整を行ってしまう。その際、否定案は事前に全て潰してしまうので、経営会議ではそのまま承認されてしまいますよね。出世するのは社内調整に長けていて、出すぎず気が利く人。一方、経営陣は社内政治には強いが、経営リテラシーや実務能力が低下していってしまいます。

事業環境が良ければ、同一集団は会社のレベルを上げていきますが、事業環境の変化、あるいは既存の戦略が通用しなくなった際、このような組織では衰退惹起サイクルが働いてしまい、会社がダメになっていくのです。これはまさに当社が陥っている状態だと感じました。

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あー、すごく分かる気がします。
コロナという環境変化に対応できない組織の多くがこのような状況になっているのではないかと思います。

一方で、小城さんは 衰退する企業も成功する企業も中身は99%同じ だと言っています。1%だけ違う、それは何かというと、

「経営会議に入る前に、ガチの議論が行われているかどうか」だそうです。

ですから、 企業の衰退を防ぐ上で一番大事なのは「予定調和をみとめず、ガチの議論を行える組織文化」 ということなのでしょう。

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意見が出る会議がそもそも少ないので、ガチの議論って会社の会議でほとんど経験ありません。介護業界だからかなぁ・・・。
他人と違う意見を言っても反論されるというよりもスルーされる事が多かったです。
なので、事前に全てレールの上に乗せられた会議だと思ったので会議というのは一定のセレモニー的なものなんだろう、と思うようにしました。
みんなで決めたよ、というアリバイ作りというか、嫌な言い方ですけどそんな感じです。

当社の場合も、中期経営計画が連続で未達に終わっても、新機軸を打てない。同質性の高いメンバーが多いことから、経営会議においても反論者や意見を言う者が少なく、本気の議論が行われていなかった、いわば「反省のない経営」を行っている節がありました。

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これ、本当にあるあるだと思います。
中長期計画があっても無いようなもので、新しい計画を立てる時に失敗の原因追及はしてない感じがします。

ちなみに、北海道に着任していきなり管理者だったので中長期計画を見て、デイサービスでしたが、日曜日の営業拡大、という目標があったので2年越しで実現させたんですけど、それによって働き方が変わるので辞めてしまう職員も複数でてチームが崩れた事もあるんですけど、計画通りやったんですが、数年後僕が異動で抜けた後に何で日曜やってんの?みたいな事を言われたとかいう話を聞いて、こういう想いは一層強くなりましたね。

立てた計画通りやってんのに理解してもらえないというのは意味が分かりませんでしたね。

大抵の企業は変革において、技術やプロセスに焦点を当てる「プロジェクトマネジメント」を重視します。しかし、本当に会社を変革していくためには、「人的側面」にも焦点を当てなければいけません。例えば、人の意識や考え方、モチベーション、行動様式、そして組織文化などが挙げられます。

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今の会社でも経営が上向かない事業所についてはプロジェクトを立ち上げて本部の介入もありながら色々方向性を決めてやってますが、いつも疑問というか不思議に思うのが、そのプロジェクトに現場職員が一切入ってない事なんですよね。管理者クラスだけでプロジェクトをしているわけです。

それでもいいとは思いますけど、介護事業でサービスを売っているのは現場の職員なので、そういう大事な所の空気感なりを現場の職員が直接肌で感じて、その場で疑問や質問をちゃんとぶつけられる事が重要なんじゃないかなぁ、と思うんですよね。
結局、プロジェクトで決めた事も実際は現場職員の理解を得られずに軌道に乗るのに時間がかかったりするケースが多いように思いました。

改革を始めた当初、当社で実施した組織文化診断においてポジティブな回答率が非常に低かったこともあり、底上げが求められました。

結論から申し上げますと、ポジティブな回答率が上がるにつれて事業成績も上がっていきました。 組織文化の向上はまさに、変革において欠かせない成功条件だった のです。

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やはりポジティブな方向に意識が向くと成長するみたいですね。
組織文化の向上というのは変革に絶対的に必要な要素という事です。

介護現場レベルからポジティブな組織にしていく事が重要という事かと思いました。

当社では2020年に 「食と健康の課題解決企業に生まれ変わる」 と宣言。パーパスを明確に打ち出しました。そして具体的にサステナビリティアウトカムとして、2030年までに10億人の健康寿命を延伸することと、事業を伸ばしながらも環境負荷を50%削減することを掲げました。

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パーパスとは、存在意義という意味とのことです。

パーパスの定義
「パーパス(purpose)」とは、企業としての「存在意義」のこと。もともと、パーパスには「目的」「意図」という意味がありますが、近年では、「存在意義」を表す言葉として使われるようになってきています。「何のために、自社は存在するのか」という問いの答えが、パーパスであると理解するとよいでしょう。なおパーパスは、一度策定したら基本的に「(そう大きくは)変わらないもの」とされています。

d’s JOURNAL

やはり目標を現場レベルまで一致させるというのは非常に重要ですね。
それが出来ないと経営改革はできないという事でしょう。

当然、変化が生じるとともに葛藤が生まれ、衝突も起きます。自分の能力が通用しなくなる不安、未来に悪影響を及ぼす不安などが掛け算になって、本来の合理性すら否定してしまうことも。しかし、パーパス経営においては「一人ひとりが社会課題の解決のために働いている」という認識が生まれるため、内向きの不安を払拭し、外向きの意欲へと変えていくことができるのです。

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ですね、いくら正しい提案をしても、これまでやってきた事を変えるというのは非常に大きな抵抗にあいます。
ですので、現場レベルで一緒に考えた、現場レベルで自分たちで変える、自分たちで新しい事に取り組んだ、という実感が必要なんだと思います。
そのためには、上で勝手に検討した事を下に命令するだけではうまく行きませんので、こういう組織文化の向上をして自分たちも役にたっている、という実感がないとダメなんだと思います。

上から決められた事に変えられただけでは、自分たちがいままでやってきた事が全否定されたような感覚になってしまいますよね。
それが例え外から見て不合理で非効率だったとしても、当の本人たちは頑張って取り組んできていたわけですから、そこをちゃんと見ておかないとダメだと思います。

第1ステップはDX1.0「全社オペレーション変革」です。これはデジタルだけに限らず、各職場でオペレーションレベルを世界の最高水準まで向上させることを目指します。

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目標は高い方がいいですよね、出来ようが出来まいが、自分たちは高い所に向かって挑戦している、という認識は強いと思います。

第2ステップはDX2.0「エコシステム変革」です。一社だけでは解決できない社会的課題の解決に向けて、パートナー企業、大学とエコシステムを構築し、より大きなインパクトを生み出します。

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一社だけで何とかする、という事ではなくて連携して乗り切る、という発想も大切ですよね。
こういうの、介護業界でも必要と思います。

第3ステップのDX3.0「事業モデル変革」では、今までとは発想が違うデジタルを駆使した新しい事業モデルを作っていき、第4ステップのDX4.0「社会変革」で、経済価値と社会価値の両輪から業界全体の底上げを図ります。

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介護業界でもこういう流れになっていくのでしょう。
たぶん・・・。

DX4.0を実現するには未来社会の予測が必要です。2050年の社会はウェルビーイング、スマートソサエティ、低炭素社会が成り立っているとして、そこにたどり着くために当社はどんなイノベーションを生み出すべきか議論しました。

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将来の介護現場について、こういう話を介護職員と議論していく必要もあると思います。
そのためにも、あまり既成概念に固執しない若手の意見は本当に重要だと思っています。

当社では希望する従業員にビジネスDX人財育成プログラムを提供しています。教育には外部機関を利用し、費用は会社が負担する形にしました。従業員のデジタルリテラシー向上への意欲は高まっており、プログラムの応募者数は2年間で2,000名にも及んでいます。

経営層の想定以上に従業員が熱心に取り組んでおり、こうした人財投資が生産性向上につながっています。

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こういう取り組みって介護業界にも必要だと思うんですよね、厚労省でこういう研修とかしてくれませんかね。
企業努力では介護事業所には限界があると思います。

期に2回ほど「個人目標発表会」を開催。個人が部に対して「今期はこういう成果がありました、来期はこのようにします」といったプレゼンを行います。部には40名ほど在籍していますが、全員がそれを聞いてフィードバックし、個人も組織に対して新たな提案をします。それを経て大きな成果を出した人には、賞や能力開発プログラムなどを贈呈します。

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やはりチーム全員が意見を出し合えている事の強みは大きいですね。

個人目標発表会の目的は、組織目標と個人目標のつながりを理解すること。個人目標を組織の同僚と相互に認め合い、安心して挑戦できる組織を醸成することです。ミドルマネジメント層も、自らの目標と組織目標のつながりを再確認できますし、深く考えて自分事化できます。

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介護の現場だとなかなか目標設定とかも難しいですよね、難しく考えないで何でも良さそうですけど、そこを組織目標をリンクさせるには、しっかりとした上司のサポートやアドバイスなども必要ですよね。

自分事化する部分の難しい原因が、こういう所にあるのかもしれません。

プレゼン→アクティブリスニング→発表者へのフィードバック→気づき→目標や計画の改善・実行 というポジティブなサイクルが回り、劇的に組織文化やエンゲージメントが高まってパフォーマンスも上がりますので、強くお薦めします。

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介護職が苦手にしてそうな事のオンパレードな気もしますね、そういう部分からの変革も必要なのかもしれません。

さらに、自分たちの取り組みを社内外に発信することで共鳴・共感を生み出せば、エンゲージメントをより高められます。味の素社では『私が語るASV(Ajinomoto Group Shared Value)』という記事を社内サイトに公開し、情報をシェアして共感の輪を広げています。全記事平均を上回る既読数・リアクション数があり、非常に好評です。

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社内SNSは活用すべきですよね、これは取り入れやすいので何等かの工夫をしたいなぁと思っています。

衰退を防ぐには人財投資を行い継続的に組織文化とパフォーマンスを上げていかなければなりません。当社は、2019年に一人あたりの人財投資を倍増させました。結果、エンゲージメントが向上して課題解決力が上がり、多様性が浸透してイノベーションが加速。生産性は2022年時点で115%、2025年には134%に向上する見込みです。 それだけ人財投資には価値があります。

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人財への投資は、一過性ではかくて継続的に、という事ですね。
どんどんと成長する、そういう道筋を作るのが重要で、介護職がそれをどのように日々のケアの中で実感できるかどうか、そこも重要な課題ですよね。

企業のDXは単なるデジタル技術の導入に留まらず、成長する組織文化を作るための企業変革とするべき です。そのために、個人・組織・社会がともに成長を目指せるパーパスを設定する必要があります。人財投資しながら、エンゲージメントを高めるマネジメントサイクルを確立させましょう。

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単にデジタルや機械、便利な道具を導入して終わりではなく、それが目的ではなくてそれを手段として組織を高めていく、職員エンゲージメントを高めていく事で、組織全体が変化に強くなる、対応できるようになる、という事だと思いました。

そのための学習や、職員個人のアウトプットの機会も非常に重要なんだと思いました。

気が付いたら手段が目的になってそうな事なので、大いに気を付けていきたいと思いました。

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