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40歳過ぎの料理経験に乏しいおじさんが突然お菓子づくりに目覚めた話

思いつきで突然始めたnoteだが、
そもそも何でお菓子づくりにハマったのか
そのキッカケを書いていなかったので
プロローグとして書き起こしておく。

◎40歳までの料理履歴

高校卒業までは実家暮らしで
基本的に3食は母が作っていたので
料理経験はほぼ皆無に等しかった。
唯一料理をしたのは学校の授業。
家庭科の調理実習だが、
出来上がりの酷さに絶望したのは覚えている。
特に、餃子を作った時は
外が黒焦げなのに
中が生焼けというかほぼレアという
奇跡的な失敗を起こし、
この一件で「あ、自分は料理苦手なんだ」
という潜在意識を植え付けられた。

大学入学後、親元を離れ
一人暮らしを始めたが
最初の頃はご飯付きの学生会館に住んでいて
自炊をする事も無く、
そこを引っ越した後も
基本的には外食依存の食生活。
たまにレトルトや冷凍食品を買って食べたり
実家から送られてきた食糧で賄っていた。

それでも30歳を過ぎた頃は
ルーのパッケージのレシピ通りに
カレーを作ったり、
市販の素を使って
お手軽なパスタや中華料理を作ったり
する程度は出来るようになったが、
それ以上の料理スキルアップは
見込めないまま歳だけを重ねた。

◎転機となった奥さんの一言

40歳手前で結婚したが、
奥さんは家事全般得意なので
ご飯づくりはやはり
自分がやる事は無かった。
たまに言われるがまま手伝う事はあっても
自分がメインで料理を作る
という事も一切なかった。

そんな生活を送ってきた
私の転機になったのが2022年の秋。
出張で地元へ行く事になり
ホテル代を浮かすために、
母に連絡をとって
実家へ帰る事にした。出張兼帰省である。

一泊二日の出張を終えて
実家を後にする時、
母親がいつものごとく
紙袋いっぱいの食べ物を持たせてくれた。
中身をあまりちゃんと見ずに持ち帰り
自宅に着いてから中身を出すと
冷凍食品や和菓子に混じって
なんとシャインマスカットが
一房入っていた。
久し振りに見たそれは
文字通りシャインして(輝いて)いた。

しっかり冷やして食べようと
冷蔵庫にしまおうとした時、
不意に奥さんが私に言った。

「これ、レアチーズケーキにしたら
 美味しそうじゃない?」

それは良い提案と思うと同時に、
てっきり奥さんが
作ってくれるのかと思ったら

「●●(私の名前)なら
 絶対作れるから作って!」

・・・はぇ?

奥さんは私が料理を
ほぼ出来ないことも勿論知っている。
なのに何故?
ただ、奥さんなりに
私がお菓子づくりに向いてそうと
判断した理由はあったらしかった。

◎私がお菓子づくりに向いている理由

私は典型的なA型気質で
基本的には几帳面な方だと思う。
そこがお菓子づくりに向いている
というような事を確か言っていた。

奥さんは料理は得意だけれど
数字や数学が滅法苦手で、
分量通りに作るのも面倒くさいらしい。

一方、私はと言えば
水100ccと言われたら
ちゃんと100ccの目盛りまで
計量カップに水を注ぐし、
揚げ物の油を180℃まで上げるとなれば
フライング気味にタネを投入しようとする
奥さんを制止して180℃まで上がるのを
じっくり待つタイプ。

そして、もう一つ
自分がお菓子づくりに向いていると
自分で気づいた理由があり、それは
包丁を使う事がほぼ無いという点である。
包丁を使うのがヘタクソで
とにかく食材の皮を剥いたり切ったりするのに
時間がかかり過ぎるのが
料理をしていて一番嫌だった。

なにせ私は人生で初めて
カレーを作った時、
5時間かかった男だ。
大学の授業が18時に終わって
帰宅してすぐカレー作りを始めたのに
食べ始める頃にはテレビで
「『ぷっ』すま」が流れていた光景は
衝撃的すぎて未だに覚えている。
(『ぷっ』すまの放送開始は当時23:09〜)

でも、お菓子づくりには
そんなに包丁を必要とする工程が無い。
果物を使うようなレシピで
たまに使う位なものだろう。
ここも個人的には大きなポイントだった。

◎恐る恐る作ってみた結果

もう記憶は曖昧だけれど
参考にしたレシピ動画はこれだったはず。

一つひとつの工程を動画で確かめながら
丁寧に丁寧に作っていき
そして出来上がったのがこちら。


敷紙を外す時に少しミスって削れたけど


改めて見ると歪だけど

出来上がったケーキを一目見て、
この美しいレアチーズケーキを
自分が作ったという喜びで打ち震えた。
あのミラクル餃子を作った男子が
25年後に作ったケーキと考えたら、
これもまた一種の奇跡と呼べるだろう。

その後、気を良くした私は
2週間に1回のペースでお菓子を作り続け
そこでスコーンの魅力に取り憑かれ
自分の事を“スコおじ”と呼びながら今に至る。

【完】

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