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2024年2月5日の日記で練習してみた


例文

2024年2月5日、東京都内に雪が積もった。

降りしきる雪に見惚れていたら、最寄り駅前のロータリーで耳慣れない音を聞いた。
バスのタイヤに取り付けられたチェーンの音かな。
と思い至った頃にはすでに駅前を後にしてしまっていて、貴重な機会だったことも時間差で感じた。
明日はテレワーク日だから、バスの通過音を聞くことも無い。もしかしたら今季だと、耳にする機会はあれが最初で最後だったのかもしれない。

なんてことを考えつつ歩いていたら、タワマン由来の強すぎるビル風のおかげで全身が雪まみれになった。
雨粒だったら大惨事なのに、雪だと大して気にならない。それどころか非日常への高揚でもって、無性に笑えてくる。

住宅街を進むにつれ、誰にも踏まれていない真新しい雪が積もっている場所が、道路上にも見られるようになってきた。
踏めば足首ぐらいまで埋まる、そんな真新しい雪道を、ざくざくと通って足跡をつける。歩いている途中も、ふと立ち止まって振り向いて足跡を眺めることすらも楽しい。
今季はレインブーツの出番が全然無いな、と思わずにいられないぐらい雨の少ない冬だったのに。今日だけでしっかり役に立ってくれた。

日本地図の中でも南寄りの場所で生まれ育ったので、積もった光景はおろか、降る雪すらほとんど目にする機会が無かった。
大人になった今でも、雪を見ると心が躍る。



いつもどおり

2024年2月5日、東京都内に雪が積もりました。
雪の日ならではの特異な出来事に心が動きまくったので、ちょっと書いてみます。

まず、帰り道の最寄り駅前。ロータリーで耳慣れない音を聞きました。
「バスのタイヤに取り付けられたチェーンの音かな」と気づいた時にはもう駅前からだいぶ離れてしまっていて、貴重な機会だったことに時間差で気付いた次第です。
明日はテレワーク日だから、バスの通過音を聞くこともありません。あの音を耳にする機会は、今季だとあれが最初で最後だったのかも。

なんてことを考えた直後、タワマン由来の強すぎるビル風がびゅうびゅう吹いてきて、全身が雪まみれになりました。
でも雪だと大して気にならないんですよね。雨の日で同じ状態になるとかなり悲惨なのに。
それどころか非日常への高揚でもって、無性に笑えてくる。

住宅街を進んでいくうちに、誰にも踏まれていない真新しい雪が積もっている場所が、道路上にも見られるようになってきました。
踏めば足首ぐらいまで埋まる、それぐらい積もっています。
そんな真新しい雪道を、ざくざくと通って足跡をつけるのがまた楽しい。
しばらく歩いてみたところで、ふと立ち止まって振り向いて、自分だけの足跡を眺めてみたりもして。
今季はレインブーツの出番が全然無いな、と思わずにいられないぐらい雨の少ない冬だったのに。今日だけでしっかり役に立ってくれました。

私自身、日本地図の中でも南寄りの場所で生まれ育ったので、降る雪すらほとんど目にする機会が無かったんです。
だから大人になった今でも、雪を見ると心が躍ります。



解説

レーモン・クノー『文体練習』をご存知でしょうか。

偶然バスの中で見かけた、空席に座ろうと躍起になる男性。
その人を2時間後に、別の場所でもう一度見かける。

…という、とても日常的でささやかな出来事を簡潔に綴った「例文」があって、その「例文」を99通りの文体で表現したものが収録されています。

さらっと99通りって書いてますが、目次からして圧巻のひとことです。よくもまあ99種類も思いつくものだと。
と同時に、この内容を日本語へと翻訳した方々にも敬意を抱きます。

私はnoteを始めた当初から「ですます調」で書いているんですが、そういった文体を使わず書かれている方も多くいらっしゃいますよね。
より書きやすいのはどっちだろう?
と考えて、今回の「練習」を試すうちに、そうだレーモン・クノーがやってたっけ、と思い出してご紹介してみました。


書く内容によって、書きやすい文体を使い分ける。
というのはアリなんだろうか…なんて思ったりもするんですが。
今後もし記事によって「ですます調」とそうでないものが混在したとしても、温かい目で見ていただけると幸いです(どんな結論か)。

そんな感じで寒い一日です。
どうぞ暖かくしてお過ごしください。
今日も良い日になりますように☃


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