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とりあえずいっとけ、ウスターソース

GWをゆっくりと故郷で過ごしたせいか、まだ微妙に関西弁から標準語にモードが切り替わっていないようです。


📚抜けてへんがな関西弁

ちょっとした会話の中に、関西アクセントが残ってたり、語尾がまんま関西弁だったり。ふだんまったく関西弁が出ないので、会う人、話す人が、いつもと違うキャラクターに興味深そうなリアクションをしてくれます。

そもそも関西弁って、不思議なところのある方言で、別に東京でそのまんま使ってても、会話が通じなかったり滞ったりってしないんですよね。実際、東京に住んで10年以上経っても、関西弁で日常会話をし続けている関西人って、けっこういますよね。

これが九州や東北出身の人だとどうでしょうか。みなさん基本的に標準語で話をしていて、方言のまんま大声で電話してる人とか、ミーティングでプレゼンする人とか、なかなかいないと思います。

はて、いったいなんでそうなるんだろう。そう考えてみると、関西弁ってネイティブじゃない相手にも通じるんですよね。だから直さなくても、合わせなくても困らない。

📚テレビのおかげやわ

じゃあなんで通じるんだろうという理由なのですが、おおいにテレビの影響があるんじゃないかと思ってます。

関西出身のお笑い芸人さんって、関西弁のまんまテレビにでてますよね。ふだんは標準語でお芝居している役者さんも、バラエティ番組なんかでは関西弁に戻る人がけっこういます。

つまり、テレビを見ているだけで耳にする機会が多いんです。そうなると自然と耳慣れてくるし、本来標準語にない単語も覚えてゆきます。

ぼちぼちは昔から通じるし、しゅっとしてるなんて言葉のニュアンスも、いまやみんなに伝わるようになったと思います。知らんけど。

この“知らんけど”も、地元では当たり前のように使ってて、関西特有のいいまわしだと認識してなかったのですが、話題になりましたね。これ、ほんまにいいます。ちゅうか、ゆうてること意識してへんくらい、日常。

🧂とりあえず○○しとけ

あと、とりあえず○○しとけや。とかもよう、ゆうてるわ。

関西でとりあえずゆうたらな、とりあえず阪神応援しとけとか、夜中テレビ点けたらとりあえず吉本の若手芸人ばっかり出てるで、とかいろいろあるけど、なんちゅうてもほらあんた、とりあえず○○の王さんは、ウスターソースですわ。

あ、“王さん”いうのは名字の話やなくて、王様のことな。そんくらいわかってくれやんとな。ウスターソースは関西で「とりあえず○○っていうと、なにを思い浮かべますか」と訊いたらだいたいの人が返してくれる答えや。

🧂関西のウスターソース事情

だいたい関西で単にソースゆうたら、ウスターのことゆうねん。

ほんまやで。どこの家かて、必ず常備してるし、なくなったら困るさかいに予備も必ずストックしてあるんですわ。とんかつソースとかお好みソースもあるけど、それはな、その名のとおりフライとか粉モン用や。

考えてみたらわかるやろ。ウスターソースのウスターてなんやねん。そんな食べもんないやんか。ウスターゆうのはな、万能ゆう意味やねん。かしこなったやろ。

え。違う。イギリスの街の名前やて。知らんがな、そんなもん。

🧂とりあえずいっとけウスターソース

まあええわ。関西でな、ウスターソースがどんなふうに、とりあえずいっとけ状態なんかをちょっと語らせてもらうで。

まずはこれや。

🍛カレーにもいっとけ

カレーやがな。まあな、なんぼうちらでも赤ワインたっぷりフォンドボーどばどばみたいな、おしゃれで焦げ茶色の欧風カレーにはかけへんで。

かけるとしたら、こういうカレーや。じゃがいもとかにんじんとかはいっててな、お肉は牛で薄切り、ルウの色が黄色いやっちゃ。

生卵載せんねん。ほんでソースかけるやろ。ほな見てみ。色もきれいやろ。ほんでこれ混ぜていただくねん。まろやかでおいしいで。

🍤フライにもいっとけ

それからな、これや、これ。

見たらわかるやろ、フライやん。

え。ソースかけんの当たり前やて。いやいや、当たり前やいわはりますけど、中濃ちゃいますねん。ウスターやで、ウスター。これをな、どぼどぼってかけるんや。

ほなな、衣が吸いよんねん。ええ感じにな。ほんでな、ひと口噛むやろ。染み出してくるねんな、ソースが。幸せやろ。おいしいやん。揚げ物の醍醐味や。

串カツなんてソース食べてるみたいなもんですわ。あれ、ソースなかったら成り立ってへんもん。せやろ。そう思うやろ。

どぼっと漬けて、ぱくっといくんや。2度漬けは禁止やで。

🍤天ぷらかて揚げもんや

その流れで揚げ物のもうひとつの雄もいっとこか。そや、天ぷらや。

これゆうたら、みんな変な顔すんねん。

せやけどな、おんなじ揚げもんやで。合わへんわけないやんか。

食堂とかいくやろ。ほなテーブルの上の調味料見てみ。醤油とかこしょうと一緒に、ウスターソースも絶対あるさかい。

ほんでな、隣で天ぷら頼んでるテーブルのお客さん見てみ。海老天1本天つゆで食べたあと、次はソースかけるで。ほれ、見てみぃ。皿にソースの水たまりできるくらい、いってはるわ。普通の光景やで。

🥢スパイシーになるねん

粉もんはさすがにお好みソースやけど、どろソースは粘度ゆるめやわ。ウスター寄りやな。

焼きそば炒めるときも、粉末ソース付いてるやつのときも、追いウスターするで。

ちょっとスパイシーになるねんな。おいしいで。

🍚ヤキメシかていくで

ほんでからこれな。

ヤキメシや。

ぱらぱらもしっとりも関係あらへん。どうせソースかけんねんもん。

🐷豚まんももちろんや

それからな、これや。

豚まんやがな。肉まんゆわへんで。豚まんや。

ほんなもん、当たり前やがな。肉ゆうたら牛やんか。豚肉つこてんねんから、正直に豚まんゆわなあかん。肉まんなんてゆうたら、牛か思うやろ。

これな、最初は、皮ツルツルやからはじきよんねん。せやけどな、ひと口齧ったあとにソースつけてみ。

めちゃめちゃ吸いよる。ほんで、噛んだらじゅわっとソース出てきよんねん。どや、たまらんやろ。

🚅ホットな関西カルチャー

このネタ、ずいぶん前からぼんやりと構想はあったんですけど、帰省から戻ったばかりで関西弁が抜けきってないこのタイミングが書きどきだとひらめきました。

かなりホットな関西弁で、関西カルチャーをお届けできたような気がしてます。

とりあえずいっとけ、ウスターソース。

どないでしたやろ。え、家にない。そもそも使う機会ない。そうかいな。

そういわはる思てたけどな、騙された思ていっぺん試してみてみてもらえへんやろか。けっこうクセになる思うで。

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