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スタミナカレーをイノシシで。

スタミナって言葉、聞くだけで力が湧いてくるような気がして、好きです。

スポーツ観戦をするにしても、たとえば陸上だと短距離よりマラソンが好きで、野球を観ていても先発ピッチャーが粘り強く投げている姿を応援したくなります。試合の間走り続けてるサッカーやラグビーの選手なんて、ホントにすごいなぁと思います。


💪スタミナは料理にも

そんなスタミナというワードをほかに耳にするといえば、料理の名前。スタミナ焼き、スタミナライスなどなど、食べるとパワーが湧いてきそうな名前にわくわくします。

スタミナをその名に冠した料理の特徴ってなんだろう。そう考えると、なんとなく感じる共通点がありました。

  • にんにく、しょうがを使う

  • 豚肉を炒める

  • 生卵を載せる

どうでしょう。これをすべて揃えてないとスタミナメニューではないというわけではないけれど、このどれかは当てはまる気がします。

🍛カレー界の人気スタミナ

そんなスタミナメニューで気になるのがこれ。

見るからにスタミナが付きそう。

今回はそんなスタミナカレーをアレンジ再現してみようというお話です。

本家のスタミナカレーは、カレーライスの上に豚バラ肉のしょうが焼きを載せて、生卵をポトリという構成ですが、ここで今回登場するのがこれ。

どどーん。

🐗今回はいのししで

今季3回目のイノシシをいただきました。なんと、今度は700グラム超え。

前回と比べて赤身の部分が多くて、ソテーにもより向いてそう。

半冷凍の状態で切ると、スライスしやすくて、うまく薄切りにできました。

たっぷりです。豚肉もスタミナ料理の素材として人気ですが、イノシシってなんかさらにその上をいく気がしませんか。

ご本家の写真を確認しつつ、お肉のサイズをそれに合わせる感じで切りそろえてみました。

🍛カレーソースのベースは作り置き

今回、カレーソースのベースにするのは、作り置き冷凍の牛肉の赤ワイン煮込みのソース。

要はデミグラスソースですね。

これをカレーに仕立てるのに必要なのはもちろんカレー粉。そしてとろみを付ける場合はプラス小麦粉。

バターと一緒にカレー粉、小麦粉を火にかけます。

全体に一体感が出るまで、よく混ぜながら弱火で炒めます。

これが作り置きのデミ系ソース。

火を止めたカレーベースのお鍋にすこしずつ加えて、溶きのばしていきます。

全体が溶けてなじんだら、あらためて弱めの中火に。

しばらくすると小麦粉効果でとろみがついてきます。さあ、これでカレーは準備OK。いったん冷ましておいて、あとは食べるときに温め直すだけ。

🍽お皿はどうする

おっと、ここで考えなくては。

そう、お皿をどうするか。もともと我が家には定番のお皿が3タイプあります。

さらにそこに最近第4のお皿が加わりました。

さて、どれにするか。メニューの感じからして、フレンチ感のある白皿ではなし、ジュージューいわせるのは違う気がするので、今回はスキレットも除外。

残すはシルバープレートと第4のお皿。どちらも気軽な洋食屋さんっぽくてメニューとの相性はよさそうです。中でも形でいうなら、楕円形のシルバープレートのほうが向いてるかな…。

待てよ。

そこでふと思い出したのがこれ。以前、友人がちょっとこだわり系のレトルトカレーと一緒に、プレゼントしてくれたカレー用のお皿。

色は違えど形は近い。それにシルバープレートは金属だけど、こっちなら本家のお皿に素材も近い。うん、これで決まり。雰囲気出してこー。

🐗いのししのしょうが焼き

お皿が決まれば、トッピングのしょうが焼きづくり。

今回はもともとしょうが入りの自家製の万能だれに、さらにしょうがを加えてスーパーしょうが焼き仕様にします。

万能だれは作り置きを冷蔵庫で保存できるので、よかったらお試しを。なければ、醤油、みりん、砂糖、おろしにんにくとおろししょうがを合わせるだけでもOKです。

豚に…もとい、いのしし肉を焼いていきます。

焼色がついてきたら返します。

そこにたれをたっぷり。しょうがマシマシです。

からめながら、焼き上げます。

🍳さあ盛り付けよう

さあ、温め直してカレーの盛り付けです。

ごはんの真ん中は卵ポケット。

カレーソースでごはんを覆いつくします。

そこにいのししのしょうが焼きをトッピング。豚じゃなくていのししです。

いいバラ肉具合ですね。脂の白が輝いてます。

🙌スタミナカレー完成です

真ん中に卵をポトリ。ポケットにうまく収まってくれました。福神漬を添えたら完成です。

どうでしょう、スタミナカレーいのししバージョン。

まずひとくち目はしょうが焼きだけ味見してみます。ビールも用意したので、おつまみ的な感じでひと口目。

うん、これはおいしい。お肉の赤身部分はしっかりした歯ごたえがあって、いかにも野生で育ったぜ、というパワーを感じます。いっぽうで脂身はぷりぷりした弾力ととろけるような食感です。ひと切れのお肉の中に、剛と柔が共存しています。

ではカレーとともにぱくり。うんうん、これはいい。カレーの濃厚さにもぜんぜん負けないパンチがあって、そしてしょうがのおかげで爽やかに食べられます。

さらに卵を崩してからめると、今度はまろやかなコクが飛び込んできました。

関西出身なので、カレーに生卵を載せるのは、ある意味で想い出の味、ノスタルジックな感覚にとらわれます。

このカレースタイル、たしかにスタミナの名にふさわしい力強さがありました。食べるごとにパワーがチャージされてゆくような気分です。

🐗この冬のジビエに思うこと

ところで今回のスタミナカレーに使ったいのししは、毎年親戚から送られてくるものなのですが、例年ならシーズンに1度、多くても2度の珍味です。

それが今シーズンは今回でなんと3回目。おかげで、今季は貴重なジビエを心ゆくまでどころか、ゆき過ぎるほどに堪能することができました。

ただありがたくいただきながらも、頭を掠めたのは、この冬テレビでくり返し見たニュースでした。

人里、町中に熊が出没する回数が激増しているという内容。詳しくは聞いていませんが、いのししにも同じようなことが起きていたのでしょうか。

ことしは気温のアップダウンが激しかったし、昔と比べて山の食べ物も減ったり、そもそも自然の中の野生動物の快適な住環境自体が、縮小したりているのかもしれません。

自然を守る。そう言葉にするのは難しいことではありません。でも、じゃあ実際になにをするのか、なにができるのかと問われると、答えに詰まることもあるでしょう。

それでもなにかしようと思う気持ち、もしかしたら目的につながるかもしれない小さなことを心がけるだけでもよいのではないかと思います。

たとえ直接的ではなくても、即効性がなくても、バタフライエフェクトという言葉があるように、それが廻り廻って、目的にたどり着くこともあるでしょう。

そんな廻り道に意味があるのか。そういわれるのであれば、こんな答えもあると思います。

なにもしなければ、なにも起きない。

それは明確にいえるのではないでしょうか。

そんなことを思いながら、また今年も冬から春へ。静かに季節がうつりかわってゆきます。

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