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『古事記ディサイファード』第一巻030【Level 4】北海道(8)

 そのうちに筆者はさらに密にコンタクトしたくなり、待ち伏せしてやろうとまで考えるに至った。UFORIAのリーダーから〈彼ら〉の飛行ルートは大体決まっていると聴かされていた。
 ならばその飛行ルートを割り出し、先回りして待ち伏せしてやろうと考えるのは当然の理屈である。
 何かエネルギーグリッドのようなものがあるはず。
 実はそれが筆者が古事記の暗号を解読しようと考え始めた直接的な動機だった。探っていくうちにどうやら古事記が大きなヒントになるかもしれないと解ったのである。
 多くのみなさんはこんな風に思っていらっしゃるのではないだろうか。古事記などいくら調べたところで北海道のエネルギーグリッドがわかるはずもない。北海道は大和朝廷や戦国武将の支配権が及ばない、いわば歴史の外にある地域だ。江戸時代より前の神社仏閣はまったく存在しない。古事記とも日本書紀とも風土記とも無縁だ。磐座もピラミッドらしい山も無い。
 しかし、それは大間違いなのである。
 例えば一見して古事記と北海道よりもさらに無縁な英国のストーン・ヘンジ、グロブリー・キャッスル、オールド・セーラム。この三つの遺跡が正三角形を描くというのは以前より知られている事実である。

ストーンヘンジーオールドセーラムーグロヴリーキャッスル

 その正三角形の一辺は正確に6マイルつまり9.6キロメートルなのだ。

ストーンヘンジーオールドセーラムーグロヴリーキャッスル
9.6kmの正三角形

 ならば北海道にも京都や奈良と同じような数値が組み合わせられた図形が出来ても全然おかしくないはずである。
 神社と英国の古代遺跡とは一見無関係に見えるが96という数字の並びは偶然なのだろうか?

【解答 8】(1)


 ところで北海道で綺麗な火山を挙げてみるとまず思い浮かぶのは羊蹄山、駒ヶ岳、利尻岳だ。
 利尻岳と羊蹄山は日本の百名山に名を連ねている。
 駒ヶ岳は二百名山に入っている。
 いずれもコニーデ型の火山で羊蹄山と利尻岳は整った形をしている。駒ヶ岳は噴火で北側が吹き飛んでいるがすそ野の雄大な美しさは全国屈指である。
 ここでお気づきだろうか?
 これらの三つの火山が一直線上に並んでいることに……。

利尻岳ー羊蹄山ー駒ヶ岳

 さらに、この直列する火山を結ぶ線は忍路環状列石を通過する。
 つまり言い換えると利尻岳、忍路環状列石、羊蹄山、駒ヶ岳は一直線上に並んでいる。

利尻岳ー忍路環状列石ー羊蹄山ー駒ヶ岳

 さらに、摩周湖に負けない世界屈指の透明度を持っているエメラルドグリーンの支笏湖を挟んで樽前山、風不死岳と恵庭岳が対向している。

恵庭岳ー風不死岳ー樽前山


 これらの火山も一直線上に並んでおり、なんとこの直線もまた忍路環状列石を通過する。(風不死岳はちょっと山頂がずれているが……。)

忍路環状列石ー恵庭岳ー風不死岳ー樽前山

 言い換えると、忍路環状列石、恵庭岳、風不死岳、樽前山は一直線上に並んでいる。
 駒ヶ岳、羊蹄山、利尻岳の線をAとし、樽前山、恵庭岳の線をBとすると、忍路ストーン・サークルはA線とB線の交点に位置するわけである。

忍路環状列石は利尻岳ー駒ヶ岳ラインと恵庭岳ー樽前山ラインの交点に位置する

 各地点の座標は次の通りである 各地点の正確な座標に基づき方位角を求めると以下のようになる。

 まずA 線。

  利尻岳 - 忍路環状列石
    距離 222.48km
    方位角 187度42分20秒
         7度27分1秒

  忍路環状列石 - 羊蹄山
    距離 41.776km
    方位角 187度39分38秒
         7度36分51秒

  羊蹄山 - 駒ヶ岳
    距離 85.494km
    方位角 187度12分28秒
         7度7分14秒

  利尻岳 - 駒ヶ岳
    距離 349.318km
    方位角 187度40分58秒
         7度17分37秒

  利尻岳 - 羊蹄山
    距離 263.824km
    方位角 187度44分20秒
         7度26分14秒

  忍路環状列石 - 駒ヶ岳
    距離 127.270km
    方位角 187度23分16秒
         7度15分13秒

 次にB線。

  忍路環状列石 - 樽前山
     距離 69.835km
     方位角 143度55分48秒
         324度16分19秒

  忍路環状列石 - 恵庭岳
     距離 56.196km
     方位角 143度18分51秒
         323度35分38秒

 よって、平面地図に定規を当てただけではなく、計算上も正確に忍路環状列石が利尻-駒ヶ岳ラインと恵庭岳-樽前山ラインの交点にあることが証明される。
 そして、この二本の直列火山ラインが忍路環状列石で交差する角度は44度である。

忍路環状列石クロスポイント

 さて、ここに忍路(おしょろ)のストーン・サークルの平面図がある。
 江戸時代から知られていた謎の遺跡で、大きさは日本最大。といっても、それほど広い面積を占めるわけではない。せいぜい長径十二メートル、幅七メートルくらいである。
 筆者の出生地はこの近くだった。
 忍路という場所は小樽と余市を連絡する国道五号線沿い、小樽からは車で西へ二十分くらいの位置にある。
 昭和二十年代から三十年代に調査された事実はあるが国の史跡というタイトルはもらっているものの野ざらしでそのままに残されている。
 アメリカの原子物理学者のライル・ボルストという人が一九八四年に来日して忍路のストーン・サークルをかなり綿密に調査した。
 それによると特殊組石の方位角が192度。(96の倍)
 列石内の地磁気を測定したところ、なんと通常の一万倍という異常な数値が計測された。その他にもいろいろと不思議な現象や計測結果が記されている。
 かのグラハム・ハンコック氏がお忍びで何度も訪れ、その時の神秘体験について書籍にも書かれておられる。
 UFORIAとしても何度も調査を行っており、筆者も一度同行したことがある。
 リーダー夫妻は何度もここで神秘体験や接近遭遇をしているし、筆者もいろいろな体験をしたことがある。
 フランスやイギリスのように古代のストーン・サークルが多くある国では、それなりの研究が進められており一見するとでたらめな形にしかみえないサークル形状に幾何学的な意味付けを施す。
 古代の石造遺跡は、完全な真円や美しい楕円で構成される単純幾何ではなく、ある部分は直線であり、ある部分は円弧、ある部分は楕円で構成されている。どんなストーン・サークルにも必ず骨格となる基本線があり曲率の変化点を通ることがフランスの研究者達の地道な成果として解っている。

忍路環状列石の幾何構造

 忍路環状列石もまた大きな円弧と小さな円弧、そして直線部分の組み合わせである。
 北側の大きな円弧αは東側の下で小さな円弧βへと続き、βは南側で曲率半径を変え、男根から西側は曲率が小さい円弧γ。さらにその西側の円弧δへと連なる。左側中央にまっすぐな石の配置がある。この直線の上端は北側の円弧αの端末に接続し、直線の下側は円弧δに接続する。
 五ヵ所ある曲率の変化点に注目し、遺跡の中で最大長になる線を探し骨格を明確化しよう。
 直線が最大長になる部分は、円弧αのほぼ北の端しかないのでこれをA1線とする。
 同様にB線を決める。やはりこれも円弧αの北西から円弧αの中心を通る。これをB1線とする。この線の下端はちょうど<角穴>の所にくる。
 A線とB線が交差する角度は44度である。

 お気づきだろうか。
 驚くべきことに利尻岳ー駒ヶ岳のA線と恵庭岳ー樽前山のB線は忍路環状列石の幾何構造の骨格と一致する。
 このストーン・サークルは直列する火山との関係を元に設計され、利尻岳-羊蹄山-駒ヶ岳を結ぶ直線Aと恵庭岳-樽前山を結ぶ直線Bの交点であるこの地点をマーキングしているかのように見えないだろうか?



 この座標から羊蹄山、恵庭岳への方位角の差は44度であり、ストーン・サークルは明らかにこの44という数字をモチーフに幾何学的に組み立られている。
 そして円弧αの直径は4.4メートルである。
 つまり、忍路のストーン・サークルも明らかに現代のメートル法や方位系と同じシステムに従って設計されているという仮説が成り立つ。
 もちろん、これらの事は偶然の作用とみることも可能だが、出鱈目に描いた図形が、このように多重に意味をもって現れる確率は極めて小さい。

(つづく)

※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。

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