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『古事記ディサイファード』第一巻029【Level 4】北海道(7)

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 以上が旧拙著小説からの抜粋を元に書き直した実体験の記録である。
 今思えばあのときの運転手さんと名刺を交換しておけば良かったと悔やまれてならない。
 キーワードと言えば、後に気付いたのだが滝川の現場のすぐ近くに稲田町があり、帯広の現場も稲田町であった。
 もしかするとこれもキーワードとして意図されたものだろうか?
 あるいは偶然だろうか?
 UFORIAのことや以前の職場のことを書いたが、実はこれがとんでもない伏線になっていることなど当時は知る由もなかった。その事については後巻で詳述することになるだろう。
 さらに、なんと筆者の出生地も関係していることが約二年前に判明して腰を抜かすほど驚いたのだがその話も後巻に譲るとしよう。
 本書はあくまでも古事記の暗号の基本に内容を限定したい。少しだけ事実に言及すれば、例えば筆者の出生地から帯広のミステリー・サークルへの方位角は96度である。

 さて、この後、一九九一年九月二八日、豊頃の堤防の上に直径三〇センチの小さなサークルが百個発生したのである。

 この記事のコピーは二十年以上ずっと捜していたのだが見つからずあきらめていたものが不思議な経緯で二〇一四年に友人の霊能者から手元に送られてきた。

 UFORIAのリーダーから聴かされた話ではその後ミステリー・サークルに関しては一切記事を掲載せぬよう箝口令が敷かれたと報道関係者が証言していたらしい。

 このような体験を通じて筆者は彼らが確実に自分のことを認識してくれているという確信があった。発生後二四時間で二カ所とも現場に駆けつけた人間はおそらく自分しかいない。
 今では元々出生当時から既に彼らは筆者のことをよく知っていたらしいと解っているのだが……。

 その当時、筆者のもとへ毎週訪ねてくるあるカナダ人男性がいた。父親はパイロットで巨大母船と何度も遭遇していたという。彼自身アブダクションを経験しており何度も宇宙船に乗せられた経験を持つ。
 インプラントも経験していた。
 彼は毎週筆者の部屋にやってきては二時間近くも英語で話しこむのが常だった。
 勿論話題はUFOや宇宙のことだ。主に彼の体験談についての詳細が多かった。まだ日本語に訳されていない英語やフランス語のUFO関連書籍についての話も多かった。
 その頃筆者は妻と付き合い始めていて、結婚を心に決めた夜も彼はやってきて三時間ほど話し込んだのだ。
 その一週間後のことだ。彼はいつものように筆者の部屋へ顔を出すなりいきなりこう言った。
「先週ここを出て帰る道すがら突然テレパシーがきたんだ。
 He is going to marry.(彼は結婚する)って。
 英語で……。
 何か心あたりはあるか?」
 そのとき筆者は〈彼ら〉が完全に筆者の事を知り尽くしているのだと悟った。
「あ……いや……何のことかな……わからないけど……」
 冷や汗をかきながらしらばっくれてみせた。
〈彼ら〉は自分のことを全てお見通しなのだ。
 実は随分と前から〈彼ら〉は自分と交信していたのだと悟ったのは何年も後になってのことだった。
 それから程なくして〈彼ら〉がとうとう筆者のアパートに現れた。
 UFOの〈追っ掛け〉を初めてから二年目のことだ。
 ある日の明け方の三時頃、眠れずに考え事をしながら居間の中をぐるぐる歩いていると突然明確なテレパシーが来てハッとした。
〈ここに座れ〉
と言う。
 首が勝手に動いてキッチンカウンター際の床の一点へ視線が行った。
 え……?
 ここ……?
 そう言えば一度もここに座ったことがないな……。
 素直にスッとそこに座る自分が後で考えてみると不思議だがその時は何の疑問もなく声なき声に従った。
 当時はまだ自分の思考と外部からくるテレパシーの区別が曖昧だった。
 座ってみると半分開けた窓から向かい側のビルの隙間が目に入った。
 その隙間からさらに向こう側の空が見えた。
 へええ、ここから空が見えるんだ……。
 今まで全然気付かなかったな……。

 その瞬間、青白く光る円盤形の無音の飛行物体がゆっくりとその空間を横切った。

 息を呑んで一瞬固まった。

 映画に出てくるような青いグラデーションの円盤だった。
 
 そんなこともあって確実に双方向のコミュニケーションが成立していることを確信できたのである。
 そして、それから夜な夜なこの不思議な絆が何の為なのか問うようになり、その問いはやがて祈りになり、世界を変える為に自分に何か出来ることがあるのなら地上部隊として何かさせて欲しいと心の中で訴えるようになっていった。

(つづく)


※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。

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