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運動・筋トレはしなくて良い?長生きと"活性酸素"について


前回のお話
・細胞の寿命を決める"テロメア"
・寿命を伸ばす"テロメラーゼ"
・永遠の細胞"HeLa細胞"
・nの細胞と2nの細胞
・ゾウリムシのオートガミー
・性の役割

ヘイフリック限界の色々

人間のヘイフリック限界は50回で、だいたい平均80歳くらいまで生き、最長で122歳という記録があります。

研究データによれば、ヘイフリック限界が長い(多い)生物のほうが寿命は長くなるのです。


例えば、ガラパゴスゾウガメのヘイフリック限界は120回と言われていますので、ガラパゴスゾウガメの平均寿命は100歳を超え、152歳まで生きた個体が記録されており、200歳くらいまで生きるものもいると言われています。

ネズミのヘイフリック限界は10回で3歳くらいまで、ウサギは20回で10歳、ウマは30回で30歳くらいまで生きるようです。

ウマは400~500kgもあって、人間よりも頑丈そうなのに、寿命は30歳くらいですから、やはりヘイフリック限界は寿命と関係していて、体や骨格の大きさなどで寿命を計ることはできないということになるでしょう。

寿命を延ばす研究

研究者たちは、このどうにもならなそうな"ヘイフリック限界"をなんとかしようと考えています。おそらく、人間の最大寿命を延ばすということは、遺伝子の改造でもしない限り難しいと考えられます。

例えば、産まれたばかりの赤ちゃんの遺伝子を改造するにしても、赤ちゃんはすでに何十兆の細胞でできていますから、細胞1個1個を全部差し替えることは困難でしょう。

ただ可能性はあって、それは受精卵の頃に遺伝子の改造をすれば、ものすごく長生きをするかもしれません。

長生きと"活性酸素"

巷でも"長生きをする方法"がたくさんあって、"活性酸素"という言葉も聞いたことがあるかもしれません。

活性酸素が過剰になると、細胞傷害をもたらすことがありますが、活性酸素はミトコンドリアが働くと副産物として必ず出ますので、私たちが生きている限り出続けます。

人間を含めた哺乳類は、"取り入れた酸素の数%が活性酸素に変化する"と考えられていますので、長寿を考えるなら、細胞をダメにしないように活性酸素をたくさん出さないよう注意すると良いでしょう。

一番良くなさそうなのは、"息を止めて激しい運動をすること"で、これをすると、活性酸素がたくさん出るということがわかっています。(無意識の無呼吸も含む)

運動、筋トレは本当に必要か?

もともと人間は、寝たきりの長期療養で全く動かない人でもない限り、自分から率先して運動や筋トレをする必要はありません。

家の中でも、家事や軽い作業などをしているのであれば、それで"足腰が立たなくなる"ことはないのです。

近年、スポーツジムやエクササイズ、筋トレなどが流行しているようですが、私の経営している整体院には、首や腰、膝、股関節などを痛めたジム通いをしている人が多く訪ねて来ます。

もしも運動や筋トレをするのであれば、まずはそれを何のためにするのかを明確にした上で、なるべく有酸素運動をおこない、激しい運動はしない方が良いかと思います。

運動と"ドーパミン中毒"

運動や筋トレによって"ドーパミン中毒"になることがあります。

人間の脳は好き嫌いなど関係なく、どのような刺激を受けてもドーパミンが出て、その後にセロトニンが出ます。

人間は脳の側坐核からドーパミンを、視床下部、大脳基底核、延髄の縫線核、腸管からセロトニンが出て、快楽、やる気などを感じます。

人はドーパミン中毒になると、借金をしてまでパチンコをしたり、虐待を受けてもパートナーと別れられなかったり、体を壊しても筋トレを続けてしまうのです。

また、活性酸素は細胞の遺伝子を傷つけて、色々な悪さをしますが、やっかいなのが"発がん性"です。

若い時に無酸素運動を続けてしまった人は、かなり年を取ってからがんで亡くなることが多いので、長生きをしたい人は、若い頃から息を止めた激しい運動はしない方が良いかと思います。

次回は、"長生きと断食"についてお伝えします。

以下、参考文献

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