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映画『正欲』感想

ラストは小説の読後と全く同じ感想だった。「つ、つづきを~~~~~~~~~~~~!」

不登校や男性恐怖症は、メインの二人が抱えるものからすれば、一般的な例として描かれているんだろうな。
それでも、やっぱり、すべての人が何かしらにおけるマイノリティだと私は思う。

人間はみんな、どこかでマイノリティで、でも社会的動物だから、孤独には耐えられない。
自然に生きられる人にとっては楽しい世界だけど、そうでない人にとっては「地球に留学している感覚」。

とはいえ、心を閉ざして拒んでも、心を奪われてしまう。そういうふうに生まれてしまっている。
マイノリティに寄り添ってくれ、生き方の一例を提示してくれる作品だな。
あんな素敵な契約結婚ないよ。
彼らの嗜好がなんであれ、役者さんの演技に見とれてしまった。自分は人間好きな人間だと再認識。

桐生と佐々木の性行為シーン、滑稽であたたかくて好きだ。
わかりあえる者同士が、出会って、共に生きられた先に、こんなに愛おしい時間があるんだな。
「明日死にたくない」と思えるようになるってこういうことなんだな。

好きな作品が、媒体を変えて表現されるとき、いつも、期待と不安が入り混じる。
でも、今回は両手を挙げて好きだと言いたい映画だった。
朝井リョウさんと同じく、自分の言葉や表現で表現しているなあと思った。
原作よりも尺が短いけれど、
制限のある中でクリエイターの本領が発揮されるもんなんだな~と、
誰目線なのかわからない感想が出てきた。

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