アホみたいにはしゃげない

こんにちは、そしてこんばんは。
鳥海 花です。

9回目は役割に囚われることについて。

夫と結婚して良かったと思うのは、今まで自分の家族にも見せたことがない、感情や表現豊かな自分を見せられること。

第一子で長女だった私は、自分の親や妹たち、友達の前で自分の役割を意識して甘えることがほとんどできなかった。
とにかく自分でできることはできなさそうなことでもチャレンジし、誰かを頼ることはほとんどせず、アホみたいなことをしてはしゃいだり、自分をフルオープンにすることはほぼなかったし、それが普通だった。

ところが、天真爛漫な夫と出会って過ごすうちに、わたしも感化されていき、徐々に表情や表現を自由にかつ大げさにし、何なら夫が喜んでくれるのも相まって、夫の前で奇っ怪な言動をとることへの恥じらいが薄れていった。アホなことしてはしゃげるようになったのである。

夫の前では童心に戻ったくらい、いや、それよりも理性を働かせずにいられることが多く、本当に一緒にいて楽で楽しいのである。

これは、わたしが2人の間で役割をほどほどにしか請け負っていないからだと思う。

どうして夫とはそんな関係性になれたのか、逆説的ではあるけれど、それは夫が「障害者」だからだと思っている。

夫は身体障害者。それに対して私は健常者(多分)。

ただ、私にとって彼は、身体がそうゆう機能のただの愉快で善良な一人の人間なだけだし、一緒に居るときは障害者・健常者とか抜きにして人と人として関わり合いたい。

そんな想いがあって、出会ってから今まで一緒にいる。

そうすると、私も彼も何らかの役割に囚われることなく(もちろん彼が出来ない事は物理的にサポートするけれど、それは彼も同じである。私は免許を持っていないので車は彼の担当だ。)、2人だけのときは互いに、そして自分自身にラベリングすることなく、個と個として認識し、自分を役割から解放させて過ごすことが出来ている。

もしかしたら役割に忠義を持っているのは私の特性なだけかもしれないので、夫はもともとそんな意識すらしていない可能性もあるが…

今は子供がいないから成り立っていることなのかもしれないけれど、私にとっては夫が最大のオアシスなのである。


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