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「ベンチャーから大手に?」「役員辞めてまで?」全方位から質問攻めに遭った、社会人12年目の初転職

toshhh__です。コムニコにお世話になって11年経ちました。

0→1で草も生えないフェーズ(すみません!)から個が強いフェーズ、会社としてのHowを創るフェーズ、組織として拡大していくフェーズまですべて経験し、その過程でたくさんの良い仲間に恵まれ、役員としてグロース市場へのIPOも経験させていただきました。

なぜこの会社で管理職を目指したかったか、実を言うとはっきりした理由がありましたが、チャンスに溢れた環境のおかげで沢山のチャレンジができました。キャリアステップを順調に歩むには、自身の頑張りだけでは実現しないことも多数あります。経験値を増やす機会を与えてくれた点に感謝しかありません。


  • あの頃は良かったけど今は~~

  • 上司が〇〇だから▲▲▲なんだ

  • 別の会社ならもっと評価されるはず!

この11年間で、友人や元同僚から上記のような転職バナシをたくさん聞きました。

「なぜ転職しなかった?」と聞かれればその必要性がなかった(=今の会社に居る方が経験的にも経済的にも良いという判断をしていた)からですが、今回ついに別の道に進むことになります。

そして行く先がまさかの大企業・・!
「大企業からベンチャーへ」という転職エントリは数多く見かけますが、その逆はあまり見ない(ほんとに少ないです)ので、せっかくなのでこの間の面白い経験も含めnoteに書いてみようと思いました。

そもそものキャリア観

キャリアの語源「carrus」(車輪の付いた乗り物 ※ラテン語)を引用するまでもなく、キャリアというものは切れ目なく連続性があるべきで、願わくば遠回りをしたくない気持ちがありました。今までの経験の積み上げがそのまま次の職場でトレースでき、かつ年収を上げることこそが自分としては幸福だと考えていたと思います。
我慢してどこまで行けるかよりも、我慢しないでより遠くまで行きたいタイプですね。最短ルートを走りたい方です。

会社において「事業」も「人」もどっちも大事なのは言うまでもありませんが、150人組織の事業責任者を経て人事に軸足を置くようになった中で、「事業」というものは戦略があって戦術があって、課題に対し適切に対処をすれば数字は伸びたり改善したりするものだと、小さい成功体験ではあるもののそう感じることが多かったように思います。

一方で、「人」に関しては必ずしも理論や理屈通りにならず、「絶対解」がありません。経営と現場の狭間で板挟みになるのは当たり前で、緩衝材ならまだしも、時にはサンドバッグの役割を担うこともあります。
採用もそうです。経験を重ねていくほど、過去の判断が必ずしも正しいとはいえず、反省することも増えます。前年に上手く行った採用方法が今年通用する保証もありません(もちろんそんな性質下であっても、事実に基づく仮説と判断による意思決定を行うことは事業と変わりませんが。)

このように、マネジメントを含めた人材・組織開発はセオリーが通じないどころか、その悩みが永遠に尽きないことに伸びしろ・面白さを感じたので、ここに専門性をもってキャリアを深めていきたいと考えるようになったのがここ1年のことでした。

また、戦略人事やHRBPという言葉が流行ったように、経営視点を持った人事は転職市場にそう多くないことを知ったことで、さらに関心が高まった経緯があります。(※最近公開された「これからCHROの兼業が起きる」という記事でも似たような問題提起がされていました。)

転機

転職未経験とはいえ、ふだんは選考する側の立場なので、市場価値というものがシビアなのはよく分かっていました。僕のスキルで言うと、事業部長や営業責任者といった経験が「できること」になるでしょうし、「やりたいこと」である人事領域でオファーがつく確率は低いと考えていました。(※図1)ずっと人事畑を歩んできたわけでもありませんし。

【図1】経験者採用では、各企業が「期待すること」と
候補者の「できること」のマッチングを見られている

なのでキャリアについてのジレンマはあれど、転職しようなどとはまったく考えていなかったです。目の前の業務に忙殺されていましたし、できることなら面接で「見極め」なんかされたくないですし、会社の仲間も好きですし、といった具合に。

ただ、人事領域における経験値は課題に感じていましたので、秋ごろからCHROやHRBPで活躍している方々の話を聞きに行ったり交流しに行ったり、お世話になっているメンターにもキャリアの壁打ちをしてもらうなど、段々と好むコミュニティが変化していったように思います。

あるヘッドハンターとの出会い

「ヘッドハンティング」と聞いて皆さんが想像されるものは何ですか?

あくまで僕の経験ですが、LinkedInやTwitter、Wantedlyにヘッドハンティング感のあるDMがちょくちょく届くことがあります。実際の中身は不特定多数に送っているスカウトメールであるにもかかわらず、です。結局は選考を通じてふるいにかけられ、お祈りされることが一般的という認識です。

試しにTwitterで調べてみると、「〇〇にヘッドハンティングされた!でも落ちた」といったネタで言っているのか本気なのか分からないツイートもあります。

そんな中、ある方から届いた一通のメッセージが目に留まります。

『ベンチャー出身でIPO経験者かつ事業と人事両面を見られたあなたに、
人事責任者候補のポジションでお食事をセットしたい方々がいます』(意訳)

“本物は存在”した

「よくできた口説き文句だなぁ、こりゃ浮かれて返信しちゃう人いるだろうなぁ」と感心した一方で、半分信じていなかったのが正直なところです(笑)

たいていの面談オファーのDMはパターンが決まっており、最初の数行でその先まで読むかどうかの判断がつきます。

  • 「あなたの経歴に惹かれまして」(どこに?)

  • 「成長したいあなたへ」(なぜそう思った?)

  • 「カルチャーに合うと思います」(本当に?)

といった感じです。

前後にテンプレDMが続く中、この方のメッセージには定型らしきフレーズがなく、ふだんのキャラクターが垣間見える文体をしていました。そしてその中には、僕の今後に対する考察も含まれていました。次はこういう道を考えていないか?といった具合に。
その後もやり取りを重ね、今までに受け取ったものとは内容が違いすぎるということで、一度オンラインMTGすることになりました。

「どうせ何十人もいる候補のうちの1人なんでしょ?」と思いながら(すみません!)MTGに臨みましたが、トントン拍子で意向確認の面談や会食が組まれ、やり手のヘッドハンターの仕事を間近で見た衝撃もあり、正式オファーをいただいた日のフワフワ浮ついた感情は今でも覚えています。

ヘッドハンターも様々だと思いますが、“本物は存在”しました。
僕の「できること」と「やりたいこと」を徹底解剖し、それをそのまま求めている会社と引き合わせてくれたのです。「見極める」という上から目線を一切感じることもなく。

次のステージとそのミッション

こうして、次の会社が決まりました。

「こうありたい」と願っていたタイミングでの貴重なオファー。またとないチャンスなので断る理由もありませんが、決断にはそれなりの時間を要しました。

コムニコへの愛着は当然強かったですし、上司(社長)へのご恩に応えたい一心でずっとやってきました。仲間も好きですし、ある程度自由も効くポジションにいます。
こんなに恵まれた環境は無いと思いますが、ベンチャー出身ゆえのカオス耐性と0→1が得意であることや、前述のキャリア観から見ても、完成された大きな組織に後から入って結果を残すことが自身の守備範囲を相当広げるものになると考えまして、この一歩を踏み出すことにしました。

その会社はグループ全体で従業員が数千人いるため、規模感の差がまずプレッシャーですが、マネジメントだけでなくHRBP部門の新設もミッションに入っています。「経営・事業に資する」人事組織を実現すべく全力で取り組んでいけたらと思います。

また、当面は採用がメインミッションとなりますが、組織における経営メッセージは人事制度を通じて浸透していくものだと考えますと、コムニコで設計・運用してきた経験も生かしたい野望もあります。(※図2)

良いアイデアは誰が出そうが関係ありません。組織施策を現場とリンクさせつつチューニングすることが最も大事なことだと思います。

【図2】100人の壁やコロナ禍のタイミングなど、
様々な組織課題に対し行ってきた施策

組織のためになるアイデアであれば採り入れられやすいのはコムニコの特徴的なカラーでしたが、次の会社ではまだ実績がありません。信頼を積み上げ、アンラーニングしながら着実に成果を残していきたいと思います。

そうは言いつつ、外部から来た得体の知れない人間が突然変なことを持ち込んだり始めたりするつもりはなく、同社が今までに蓄積されたメソッドや考え方を大事にしていきます。いくら張り切っても、アジャストできないとお役に立てないと思っています。

さいごに

前職のメンバーからすでに面白いお誘いが2つあります。

  1. 「辞めて正解だったかを答え合わせする」飲みを定期的にやろう

  2. 「転職秘話とその後」について、転職後にコムニコの公式noteで取材させてほしい

この選択が失敗だと言われないよう、良い途中経過をお見せできるようにしないといけませんね。

お世話になった皆さんとはまた違う場所で、いつかどこかで一緒にお仕事できたら幸せだなと思います。
今後とも薄く長くお付き合いいただけますと幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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