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ブラフマン・曼荼羅・ブラックホール

プリンシプル

 ブラフマンとはブラックホールである。それは量子真空である。我々はその表面に記された情報の場、「アカウント」である。よってアートマンはあるともないともいえない。それは情報の体系=自我によって区切られた「場」だから。まるでドーナツの穴。
 その全体を2次元平面上に表現したものが「曼荼羅」。そこに描かれる各キャラクターはアカウントの象徴、シンボルである。
 各アカウント間での情報の交換と未処理データ残高の総体を、「カルマ」と呼ぶ。それは魂の金融。ブラックホール内部のホログラフであるこの現象世界、「マーヤー」は、カルマ演算プロセスの投影、「写像」である。よって実体はない。全てのカルマが処理し尽くされたとき、この宇宙は消滅する。
               F {f(x),f(x),f(x)…n}=0

三千世界内三千世界

 銀河の中心には巨大なブラックホールが鎮座している。すなわち、我々の宇宙を包摂している、より高次のブラックホール=高次元宇宙が存在する。それは伝統的に「天界」と呼ばれてきた。
 ブラックホールはより高次の宇宙のコピーである。宇宙の細胞分裂。コピーは繰り返すほどにノイズが発生し、劣化する。エントロピーの増大。つまり高次元宇宙ほどエントロピーが低く、低次ほどエントロピーが高い。ボトムにあるのは「矛盾」だけ。特異点なき虚数空間、それが「地獄」。悪性腫瘍としての宇宙。底は無間である。
 エントロピー0、存在の存在性、エネルギーのポテンシャル、可能性の可能性にして全ての前提、それを「空」と呼ぼうが「無」と示そうが、あるいは「パラブラフマン」と名付けようが同じこと。あえて表現するならば、それは「力」。
 「力」の最初の写像である原初のブラックホールは「意識」。ヒンドゥー哲学において「真我」と呼ばれる存在。単一意識である真我は自己を認識した。そこには無数の要素、「三千世界」が広がっていた。

永劫回帰

 我々は三千世界を構成する「小三千世界」である。これは内観すればすぐにわかる。宇宙は内部表現であり、意識は無限の入れ子構造。
 悟りとは、事象の地平面、ポテンシャル障壁を突破することである。それは自己の内面、自我のヴェールに他ならない。個我は小さなブラックホールである。より高次へと、「力への意志」が駆り立てる。
 一神教徒が唯一神と観念する真我も、やがて滅びるだろう。ホーキング博士が解明したように、ブラックホールは蒸発し消滅するから。それは解脱である。そして「力」は再び充溢し、臨界点を超えた「過剰」は相転移を起こす。意識は生まれ、世界は顕現する。過剰とその蕩尽。「いのち」の祝祭は、果てしなく繰り返される。

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