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【無料】【東大生が解説】5分でウクライナ戦争が分かる!vol.1

はじめに

G7広島サミットに、ウクライナのゼレンスキー大統領が参加したことはご存知でしょうか?

※G7サミットとは…
日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・カナダの7カ国とEU(ヨーロッパ連合)が参加して、世界が抱える課題について議論する会合

ウクライナ ゼレンスキー大統領

G7サミットにてゼレンスキー大統領がウクライナの現状を伝え、世界各国がウクライナへの支援を継続することで合意したのですが、そもそもこの戦争はどのようにして始まったのか、これまでどのように戦争が進んできたのか、今後はどうなるのか。

この記事を読めば、ウクライナ戦争の流れを把握し、これからのニュースがどういう意味なのか、今何が起きているのかを正しく理解できるようになれることは間違いないでしょう。

この記事を含めた、最初の5本は無料で公開します。

それ以降の記事はサブスクリプションにて公開するので、もっと学びたい方はメンバーシップへのご入会もお待ちしております。


ウクライナに侵攻した理由

これには第二次世界大戦後のアメリカとソ連による冷戦が関係しています。

アメリカは、大戦後に西ヨーロッパの各国と「NATO(北大西洋条約機構きたたいせいようじょうやくきこう)」という軍事同盟を結び、ソ連も対抗して東ヨーロッパの各国と「ワルシャワ条約機構じょうやくきこうという軍事同盟を結びます。

しかし、ワルシャワ条約機構はソ連の崩壊に先立って消滅した一方で、NATOの加盟国かめいこくは増え続け、12カ国から現在では31カ国にまで増えています。

2022年時点でのNATO加盟国

これは、多くのヨーロッパ諸国がアメリカと友好関係ゆうこうかんけいにあることを意味しており、ロシアはそのヨーロッパ諸国と隣り合っているため、NATOにいつ攻め込まれてもおかしくないと感じていました。

過去にも、ナポレオンやヒトラーがヨーロッパで勢力を拡大したのちにロシアへ侵攻してくることがありました。

これらの経験から、ヨーロッパにおけるNATOの拡大を脅威きょういと感じたロシアは、ウクライナ人もロシア人と元々は同じ民族であることを理由に「NATOからロシアの民族を守らなければいけない」として、まず2014年にウクライナのクリミア半島へ侵攻し、征服しました。

クリミア征服でロシアが奪った領土(赤斜線部)
青がウクライナ、赤がロシア、黄色は周辺諸国

そしてついに、2022年2月24日にロシアはウクライナ全土への侵攻を開始し、ウクライナを征服してロシアに協力的な政府を立てようとしたのです。


ウクライナ戦争の流れ

2022年 2~4月 キーウ陥落の失敗と経済制裁

ロシアは、開戦から1週間以内にウクライナの首都キーウを陥落かんらくさせることを目標として侵攻を開始しました。

ウクライナは突然の侵攻に対応が遅れ、1日で下図のように首都キーウ付近までロシアに迫られてしまいました。

2022/2/25までにロシアがウクライナから奪った領土(赤斜線部)
青がウクライナ、赤がロシア、黄色は周辺諸国

しかし、国土の広いウクライナは小さなクリミア半島のように電撃的に陥落させることは難しく、長期戦にもつれた結果、4月には下図のようにキーウが完全に解放されてしまいました。

2022/4/3までにロシアがウクライナから奪った領土(赤斜線部)
青がウクライナ、赤がロシア、黄色は周辺諸国

これは、ロシアが初戦で完全に失敗したことを意味します。

その一方で世界はこれを厳しく非難し、日本・アメリカ・EU諸国がロシアからの石炭輸入を禁止し、ロシアに経済的な打撃を与えました。

2022年 5~7月 諦めたロシアと反撃のウクライナ

キーウ陥落に失敗したロシアは、目標をウクライナ全土から東南部のみの征服に切り替え、5月にはウクライナ東南部のマリウポリを制圧します。

しかし、アメリカのバイデン大統領が武器貸与法ぶきたいよほうという法律を定め、ウクライナに軍事援助をした上、ロシアからの石油の輸入も禁止して経済制裁けいざいせいさいを強めます。

7月に、ロシアはウクライナ東部のルハンスクを掌握しょうあくしたと宣言しますが、アメリカから受け取った武器によってウクライナは南部からの反撃を開始し、ロシアによる東南部征服の完了を阻止しました。

2022/7/29までにロシアがウクライナから奪った領土(赤斜線部)
青がウクライナ、赤がロシア、黄色は周辺諸国

2022年 8~10月 ウクライナの真の狙いと長期化する戦争

ウクライナによる反撃作戦は、南部から始まったかのように見られていましたが、実はウクライナの本当の狙いは北部ハルキウ州からの反撃作戦であり、南部からの攻撃は北部作戦のカモフラージュだったのです。

ロシアの意表をついたウクライナは、北部ハルキウ州のほぼ全域を奪還だっかんして開戦以来”最大の勝利”と言われました。

2022/10/21までにロシアがウクライナから奪った領土(赤斜線部)
青がウクライナ、赤がロシア、黄色は周辺諸国

しかし、ロシアは核兵器による攻撃もいとわないような態度を見せており、ウクライナがロシア軍を完全に押し返せば、ロシアによる核兵器の発射からNATOとの核戦争が始まる、という最悪のシナリオにもなりうる状況で決着の糸口が見えないまま、このウクライナ戦争は長期化していきます。

6月30日までにメンバーシップへご入会いただけた方は、初月の会費を”無料”にさせていただきますので、是非ご入会お願いします!


まとめと次回以降の予告

今回のまとめ

  1. ウクライナ侵攻は、ロシアがNATOの拡大を脅威と感じたことが理由

  2. 初戦は、1週間で征服できるという読みの甘さからロシアが大失敗

  3. ロシアはウクライナ全土を諦め、東南部のみの征服を狙う

  4. ウクライナがロシアの意表をついて北部から反撃

  5. 完全にロシアを撃退すると、核兵器で攻撃されかねないので決着できない

という流れでした。

次回の予告

11月にはウクライナが戦術的に重要な地点を取り返す一方で、翌年の2月にはロシアが約30万人の兵士を投入して大規模な反撃を仕掛けます。

ロシアが仕掛けたこの侵略戦争は、今後どのように進展していくのか。

核兵器による攻撃は本当に行われてしまうのか。

核戦争による人類滅亡のカウントダウンは既に始まっているのかも知れません。

次回の『5分でウクライナ戦争がわかる!vol.2』で解説します。




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