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【映画メモ】クライアント・リスト ザ・ムービー

■公開:2010年/アメリカ
■監督:エリック・ラニュービル
■脚本:スザンヌ・マーティン
■キャスト:ジェニファー・ラブ・ヒューイット、テディ・シアーズ、シビル・シェパード、など

※ネタバレややあり。


2004年にテキサス州で実際に起きた売春スキャンダルを元に描かれた作品。

「二重生活 女子大生の秘密のレポート」というドイツ映画や、「17歳」というフランス映画も観たが、売春を取り扱った物語に私は、いつも同じ感想を抱く。

「自分の中のラインを越えていくときって、きっとこんな感じなんだろうなあ……」って。

一線を超える前は、超えてしまったら自分の中の何かが大きく変わるような気がするのに、いざ超えてみると大して何も変わらない。芯に本当の自分(例えば恋人や家族を愛する自分とか)を据えたまま、売春を続けられる気がするのだろう。最初は恐々だったのに、徐々に刺激に慣れて、より強い刺激を求める自分もどこかにいて、どんどんエスカレートしていく。そしてハッと我に返った頃には、決定的に何かが違ってしまっているのだろうって。

ケガで働けなくなった夫と子どもたちを支えるために、売春で稼ぎ始めた主人公サムの変化を観ていて抱いた感想も、同じだった。仕事と家庭の両立に疲れ、眠気を打ち消そうと、顧客の1人に渡されたドラッグにハマっていった彼女はきっと、いつでも止められると思っていたはず。売春も、ドラッグも。


今だけ、いつでも止められる……。そうして気づけば引き返せないところまで来てる。


それってね、老いていくときにも似てる気がする。肌荒れや肥満なんかにも。急に話題が軽くなり過ぎ?でも、そう思うんだよね。

いつでも引き返せるって言い聞かせながら蔑ろにした今日は、やっぱり無かったことには出来ないんだなって。明日ちゃんとするから、明日には止めるからじゃなくて、やっぱり今日しかないんだなと。今、何を選ぶか? 今日をどう過ごすか……。


売春やドラッグを扱った物語を観ると、いつも最後にそう思うのだ。

この映画のラストはけっこう好み。実話が元って考えると、改めて女は逞しいな~と(笑) 気になった方はぜひ観てみてね♡

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