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「今」にある自由

前回はタオルの役割についてお話しました。
今回は「今」にある自由についてです。

自然なタイミング

相互循環では、どんな方向でも、施術側が身体を変えようとはしません。
痛みを抱えて来られた方が、いつの間にか痛みがなくなっていたという事はよくありますが、痛みを取ることを目的に施術はしません。

痛みにも理由と背景があるのと同じく、痛みがなくなる事にも、必要な経過やタイミングがあり、それら全てが、自然に起こるからです。

これは施術の話だけではなく、人やコミュニティでも同じことを感じます。全体の流れの中で、自分の感覚を汲み取れること、そこからタイミングや方向性を選択できることが大切だと思います。

相互循環の施術を学ぶコースがあるのですが、その中で大切にしている文化が「いつどんな形で関わるか、自分で選ぶ過程を大切にする」という関係性です。


自分で決めるポジショニング

人によっては何かにチャレンジするタイミングが、出会って直ぐではなく、1年後の場合もあります。また、ずっと近距離で関わり続けるのではなく、距離感を変えてみたり、1度離れることや、中にはたった1回の関わりが必要な方も居られると思います。

お互いにとっての自由で心地いいポジション選択が相互循環の特徴です。
やりたいこと、叶えたいことを押し付けるのではなく、身体の動きたい場所・方向・速度・リズム・深さを感じ続けます。


辞めにくい、離れ難い

何らかのコミュニティに所属していると「辞め難い、離れ難い」ということを感じた事、運営側の立場でも「誰かが離れることは寂しい」と感じた経験があるかもしれません。

毎日それぞれに出会いや出来事があり、何かを感じています。それを丁寧に拾える程、自分にとっての違和感や心地よさを繊細に感じます。その結果、大きな流れの中、その都度のポジション調整は必要に起こります。

今、必要なものを感じられること。その感覚を信頼して選択できること。これ以上に大切なことはないかもしれません。

多くの場合、「所属」は安心にもなり、一方で縛りにもなり得ます。
継続は力と言いますが、感覚を置き去りにして繰り返すこと、馴れ合った居心地の良さが目的になってしまっては本末転倒です。「動かない」という一見、選択や行動と認識され難い1つの選択で、自分の違和感を潰してしまいます。

繰り返しや同じと見える「今」でも、どう感じるかを元に、お互いの選択を大切にできると、面白いことになるかもしれません。
次回は無自覚の我慢について。

豊田玲子(遊びたい、身体大好き)
理学療法士 パーソナルトレーナー
2012 IFBB World Chanpionship Body Fitness 日本代表

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