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「子どもがいる人ほど幸福度が低い」問題は「哲学」で解決できる【育児哲学#29】

今週、子どもをもつ親たちに衝撃的な記事が話題になりました。

子どもがいる人のほうが、そうでない人に比べて幸福度が低いことが拓殖大学准教授の佐藤一磨さんの研究で明らかになったとのことです。

具体的な原因として子どもを持つことによる金銭的・時間的・肉体的な負担と指摘されています。

また、それは高齢になった親でも生活満足度を低下させるとの指標も出ています。こちらの原因もシンプルで、教育費による経済的な負担が大きく、貯蓄や資産の減少からくるお金の不安からきています。


こちらの原因や不安はすべて哲学で解決できます

そもそも、「幸せ」とは何でしょうか?

「幸せ」は目標ではなく結果です。子育てをしている過程が幸せなのです。

「子育て」で「幸せ」を感じるときはいっぱいあります
そして「子どもを育てない」という人生でも幸せはいっぱいあります

どちらが良いか?とデータで比べるということではなく、幸せを感じる内容が違うというだけです。

本当の「幸せ」をとはなにか?哲学を通して、一緒に考えてみましょう。


【哲学】
しあわせは、
けっして目標ではないし、
目標であってもならないし、
さらに目標であることもできません。
それは結果にすぎないのです。



◆オーストリアの精神医学者
V・E・フランクル『それでも人生にイエスと言う』引用



フランクルは、インドの哲学者タゴールの詩を紹介している。「私は眠り夢を見る、生きることがよろこびだったらと。私は目覚め気づく、生きることは義務だと。私は働くーーーすると、ごらん、義務はよろこびだった」。喜びは、喜びそのものを欲することはできない。やるべきことを果たす中で湧き出てくるものである。つまり、懸命に生き抜く中でこそ、喜びは湧き出てくるのだ。

喜びは、やるべきことを果たすなかで生まれます。「幸せ」は懸命に生きぬいた結果であり過程なのです。


そもそも「幸福度」は計れない


子どもがいる人のほうが、そうでない人に比べて幸福度が低い原因は金銭的・時間的・肉体的な負担でした。

ですが、その比べる「幸福度」はそもそも計れないと考えています。

お金がたくさんあっても、ある程度、お金に満足をすると「幸せ」ではなくなります。「時間」も「肉体的な負担」も同じです。どちらも有り余るほど取得すると「幸せ」ではないからです。


本当の幸せは「お金」ではなく「思い出」などの「精神的快楽」


哲学者のなかでも「幸せ」に対する考え方はさまざまあります。

18〜19世紀を生きた英国の哲学者Jeremy Bentham(ジェレミー・ベンサム)によれば、快楽こそが幸福を生み出し、不幸を防ぐものでもある、とする「最大多数の最大幸福」という考え方があります。

それに対し、19世紀の英国の哲学者であり、経済思想家でもあったJohn Stuart Mill(ジョン・スチュアート・ミル)は、「最大多数の最大幸福」という(ベンサムの功利主義)を受け容れつつも、人間の幸せとは量的比較よりも、質的比較こそされるべきもの、とだんげんしました。

「子どもが日々お手伝いをして、もらったお小遣いをコツコツ貯めて親にプレゼントしてくれたペンだったら、500円の安価なものであったとしても、ブランド物のペンよりも大切に感じ、目にする度に幸福感に満たされる」という考え方です。

幸福とは低次元のものと、高次元のものとが混在し、動物でも持てるような低次元の身体的快楽ではなく、人間として持つ高次元の精神的快楽を重視すべき、とミル哲学はときます(低次元の快楽に幸福を感じる人間も、ミル哲学では否定していません)。

「お金」や「時間」のような「物質的快楽」や、健康的な肉体を「身体的快楽」とするのならば、「子どもとの思い出」や「つらかった育児」などは人間として持つ高次元の精神的快楽ではないでしょうか。

こういった精神的快楽(思い出など)は、いくら時間がたっても、いつでも感動を呼び起こることができます。自らの脳内にある記憶をおもいだすだけで、いつでも好きなだけ精神的快楽にひたることが可能だからです。


ウチの4歳になったばかりの子どもが生まれたときは忘れられない幸せな感動でした。入院してから12時間以上、一睡もせずママのそばにいながら応援し、出産を見守りました。あの感動は永遠の宝物だと思っています。


まとめ

「幸せ」は物質や身体などの快楽ではなく、思い出や経験などの精神的快楽「過程」ではないでしょうか。それは育て上げた老後でも、素敵な宝物だと思います。

パパやママに精神的な余裕がないと「幸せ」を感じ取れないときもあります。とくに育児の負担が大きいママに余裕を持たせるためには、こちらの育児哲学を参考にしてください。


子どもがいる人ほど幸せを感じる機会は多いと思います。

もちろん、子どもがいなくても幸せを感じることは多いと思います。

幸せの内容が違うだけで、比較するものではありません。


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「人生を豊かにすることば」で、これからも育児をサポートしていきます。


【追伸】

昨日、2021/11/17に第2子が生まれました!!!
「幸せ」がふえました!!!!

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