北海道江別市:大麻銀座商店街ブックストリートに行く
3月30日土曜日、本日は北海道江別市の大麻(おおあさ)銀座商店街で毎月開かれているという、「大麻銀座ブックストリート」に行ってみようと思う。
起床⇒出発まで
久しぶりに札幌市外に出るので、(といっても札幌のすぐ隣だが)緊張からか早朝に目が覚めてしまった。
カーテンから外を覗くと、まだ太陽も顔を隠していて、街灯の淡い光だけが道路に反射している。
早朝にもかかわらず室内はほんのり暖かく、春が近づいていることを感じたが、いつもの習慣でとりあえずエアコンのリモコンを掴み、電源をつける。
今が何時何分なのか知りたいが、あまりにも早朝過ぎるとテンションが下がるので、時計を確認することはしたくない。
まだ日が出ていないから、日の出の時間を基準に今の時間を推測しよう。
日の出が最も早いのは夏至で、札幌では午前3時台(4時前)から明るくなる。
逆に最も遅いのは冬至で、おそらく午前6時くらいにならないと明るくならないだろう。(正確には6時台ではなく、午前7時過ぎだった)
今は3月下旬だから、だいたい夏至と冬至の中間くらいということになる。
したがって、日の出の時間は4時前と6時の中間=午前5時くらいだと推測される。
つまり、今はまだ午前5時にはなっていない。
こんなことを布団の中で考えられるほど、私の頭は鮮明としていたのだが、
流石に起きるには早すぎるから、もうひと眠りすることにした。
暫く寝ていたら外が明るくなってきたので、そろそろ朝だろうと分かり起床。
ほんの短い夢を見ていた。内容は忘れたが、夢の中でルイ・アームストロングの「What a wonderful world」が流れてきたので、このまま行くとまた悲しい夢になりそうだと思い、本能的に目が覚めた。
時刻は午前5時50分頃だった。
昨日も夢の中で泣いていて、起きたら目薬をした後のように目が湿っていた。メンタルがおかしくなっているのだろうか。よく分からない。
自分の頭で「正常」と「異常」を判別できなくなった時、その人は異常な状態に在るというのが私の理解であるが、もしこれが正しければ私は何か危ない状況にいるのかもしれない。
そうは言っても、起床後の私のメンタルは至って安定していて、久しぶりに早朝から出かけるので、旅行ばかりしていた一昨年を思い出し気分が高揚してくる。
朝飯を食べ、朝7時半に出発。
とりあえず家にいてもやることがないので、予定より1時間以上早く出発することにした。
地下鉄で新さっぽろ駅へ
徒歩で地下鉄駅まで向かう。
歩きたばこをしている20代くらいの男や、信号をガン無視しながら走る自転車、そして雪解けによってゴミと砂だらけになっている歩道を見ていると、思わず「此処はゴミの街だな」と独り言を言ってしまいそうになる。
どんどん気分が悪くなってくるが、今日は江別市まで行かなければならない。
所詮札幌なんてこんなもんだ、今日の俺は江別に避難するのだという気分で先に進む。
地下鉄で、東西線の終着駅新さっぽろ駅まで向かう。
乗車マナーは相変わらずで、車内にリュックを背負った乗客が複数人立っていて邪魔だったので、半ばリュックを押しのけながら奥に入った。
少し悪い気もするが、混んでいる車内ではリュックを前に抱えるのが常識で、これくらいしないと彼らは自分たちの何が悪いかを理解できない。
新さっぽろ駅に到着。
私の不機嫌度指数(0~100)はだいたい50くらいという状態だが、これから市外に向かうから、これ以上機嫌が悪くなることはまずない。
ではなぜ、市外なら機嫌が悪くなりにくいのか。
これを考えるとき、私は「同じ土俵に立つ」という考え方を提示しなければならない。
例えば、旅行などで自分の縁のない地域に行き、そこで不愉快な思いをしたとしても、その瞬間だけ嫌な思いをするだけで、それ以降は悪感情を引きずることはない。
なぜかと言うと、そこで自分に不愉快な思いをさせた人間は、自分の生活圏とは全く違う場所に生きているので、今後未来永劫関わらないようにすることができるからだ。
しかしながら、自分の地元、或いは現在住んでいる地域、働いている地域などで不愉快な思いをした場合、怒りや失望感といった感情は最大限にまで高められる。
自分の生活圏で起きた場合、不愉快な思いをさせた人間がいつ再び私の眼前に現れるか分からないからだ。
また嫌な思いをするかもしれず、連中に遭遇する回数が多ければ多いほど、その疑念は強まる。
彼らのような存在が、私と同じ土俵に立っているがゆえに、彼らと関わらない、もしくは彼らを無視するという選択を取ることができなくなる。
したがって取り得る選択肢は、彼らのやり方に迎合するか、反抗するか。
2つに1つである。
新さっぽろ駅⇒大麻駅⇒大麻銀座商店街
地下鉄駅から、バスターミナルへと向かう。
9番乗り場から発車する、ジェイアール北海道バスの「大麻団地線」野幌駅北口行きに乗り込む。
私は久々にこの札幌を出る、それだけで何か清々しい気分になるではないか。
バス車内はお年寄りの他に、高校生らしき人が多め。
乗客の半数以上が市内で下車、残りは皆大麻、野幌方面に向かうようだ。
20分ほどバスに乗り、「大麻駅」のバス停で下車。
江別市に来たのはいつぶりだろうかと思い過去の写真を調べてみると、2022年の6月19日以来のことだと分かった。
札幌市から出たのは、石狩市に行った2023年11月5日以来約5か月ぶり。
バス停の名称通り、JR大麻駅の目の前にある。
この駅は、JR函館本線に属していて、札幌、江別/岩見沢方面に向かう普通電車が停車する。
駅前にある跨線橋を渡ると、北海道立図書館などがある駅南口まで移動することができる。
道立図書館には一度も行ったことがないので、ぜひ訪問したいとは思っているが、また今度にすることにして今回はパス。
(同様に、江別市内にあるブックオフ江別店への訪問も次回以降に回すことにした。一度にたくさんのことをこなしてしまうと、今後やることがなくなってしまい、私のメンタル面に悪影響が出てくるため)
大麻駅から、徒歩で大麻銀座商店街まで向かう。
予定では、バスで商店街の最寄りバス停「大麻13丁目」まで行くつもりだったが、予定より1時間ほど早く来てしまったので、時間をつぶすために敢えて歩いて行くことにした。
駅前は住宅街がメインだが、少し外れると(線路沿い)自然豊かな風景が広がっている。
コメの精米所だろうか、こういう施設を見ると何だか懐かしい気分になってくる。
非常に背丈の高い木々が生い茂っている。
札幌市内でも比較的過疎地域にある駅や、無人駅はあるが、ここまで駅前に自然がある駅はないだろう。
「江別市」と書かれたマンホールを見ると、自分が札幌の外にいることを実感する。
ある程度東(野幌駅方面)に進んだら、方向を変えて大麻の住宅街に入る。
札幌と比べると、やはり街並みが綺麗でゴミも少ないと感じたが、よくよく見てみるとやっぱりゴミが何個も落ちていたので、まあこんなもんかと思った。
大麻東公園、大麻東小学校の脇を通っていく。
校庭の遊具は使えないようにロープが巻かれていたので、ひょっとしたら廃校なのだろうかと思ったが、そんなことはない。現役の小学校のようだ。
車通りは少ない道ではあるが、歩道が結構狭い。
小学校の通学路にもなっていると思われるこの道で、毎日児童が大変な思いをしながら通学していることが想像される。
Googleマップによると、もうすぐ大麻銀座商店街らしい。
正直言って、住宅街しかないのにどこに商店街があるんだ?と思ったが、もう少し歩いてみると店が増えてきた。
「アイドール」というお店があった。
こちらは生演奏バーらしい。
ここまでやってくると、ようやく商店街という感じがしてくる。
大麻銀座商店街にて&ブックストリート
北海道道626号東雁来(ひがしかりき)江別線、この道路が商店街のすぐ近くを通っていて、路線バスもこの道路を通る。
最寄りバス停はここ、「大麻13丁目」のバス停だ。
本数はそれほど多くはなく、新さっぽろ駅と野幌駅北口を結ぶバスが1時間に1本程度やってくる。
数メートルほど離れた場所には、中央バスのバス停もある。
こちらは大麻駅前と、江別駅前/あけぼの団地を結ぶバスが停車する。
江別市内で完結するバスなので、札幌から来る場合には基本使わない。
(JR大麻駅から商店街までアクセスする際は使える)
大麻銀座商店街には、ディスカウントスーパーの「トライアル」もある。
トライアルは北海道内でも広範囲に店舗を抱えていて、札幌の他に江別、小樽、苫小牧、北見、旭川などに店舗がある。
トライアル前には、ホットドッグのキッチンカーが出店していた。
商店街の近くには団地が何棟も立ち並んでおり、住民にとって商店街が如何に大事な存在か窺い知ることができる。
道道沿いには、プログラミングスクールがあるようだ。
短期集中型のスクールや、コワーキングスペースなどを運営しているらしく、なかなか面白そうなところだ。
商店街には、本を輸送するための車が停められている。
おそらく、ブックストリートで販売する本を運んできた車だろう。
ブックストリートの開始時刻は午前10時、まだ30分くらい時間があるので、商店街を適当に散策してみる。
商店街は昭和の面影を遺す古めかしい雰囲気で、再開発続きの札幌ではほとんど見られない(現在でも残る昭和的な場所は、地下鉄東区役所前駅周辺のニュー札東ビルや、真駒内の商店街くらい?)雰囲気を漂わせている。
そもそも、札幌に「商店街」はどれくらいあるのだろうか?
パッと思いつくのは「狸小路商店街」くらい。
あれはアーケードで歩きやすくはなっているが、街中で人が多くゴミゴミしているし、全国チェーン店の割合も高く面白みには欠けるところがある。
正直言って、観光で一度行ったら後は良いかなというのが個人的な感想だ。
他には?東京の下町や大阪にあるようなTHE商店街的なところは見当たらない。
旭川の買物公園や、小樽、帯広のアーケード商店街など、道内にもいくつか商店街があるのに、札幌は人口の割に何故か少ないような気がする。
地下街が充実しているせいだろうか、それとも札幌中心部やロードサイド店舗に客が集中しすぎていて、商店街の需要が少ないのかもしれない。
商店街関係のチラシが貼られている。
現場作業員募集という広告には、「日給」10000円~とあったので、日雇いかと思ったが、休日についての記載があるのでおそらく違うだろう。
なかなか良い雰囲気の場所だと思う。
二回目になるが、札幌市内にこういう感じの場所はあるのだろうか?
申し遅れたが、この大麻銀座商店街は歩行者専用道路になっていて、緊急車両や商店街関係の車、道路維持作業車両以外は、侵入できないようになっている。
これが非常に素晴らしい。
お世辞にも交通マナーが良いとはいえない北海道で、車に煩わされることなく商店街を歩くことができる、これ以上の愉楽はあるまい。
さらに商店街の周辺にも、車が通れない遊歩道が多数整備されている。
これには感動した。
以前石狩市花川に行ったときに見た、理路整然とした団地と団地内公園の様子も良かったが、ここもかなり魅力的だと思う。
さて、そろそろ午前10時になる。
大麻銀座商店街ブックストリートが行われる、大麻第二住区会館に向かう。
これは公民館的な施設で、土足厳禁となっていた。
来場者はスリッパを履いて、中に進む。
中の写真は残念ながら撮ることができなかった(人が多いのと、各々が好き勝手に動き回るので撮るタイミングがなかった)が、本の収穫はあり、岩波文庫の本を2冊買うことができた。
このブックストリートでは、本の種類などにかかわらず、全て1冊税込100円で販売しているから、たったの200円で手に入れることができた。
岩波文庫のラインナップについて言っておくと、私が買った2冊の他に、「第三身分とは何か」(シェイエス/シィエス)と「方法序説」(デカルト)があった。
方法序説はブックオフでも110円コーナーで何度か見たことがあったが、「第三身分~」は初めて見た。
それ以外の本はざっと確認しただけだが、文庫・新書本の他にも文学系の全集のようなもの(新古今和歌集など)や、雑誌、漫画など、色々なジャンルの本があった。
ブックストリートの客層は、ほとんどが地元の高齢者という感じで、20代の私は結構浮いていたのではないかと思う。
買っている本の冊数も人によって異なり、私は2冊だけだったが、カゴ一杯に本を詰め込んでいる人もいた。
ストリートの運営をされている方々は、大学生くらいの人が多かった。
本を買った時にいただいた今後の予定を見てみると、5月以降は屋外でブックストリートを開催するらしい。
今回は若干窮屈で周りの人の動きを気にしながらだったから、屋外だともっと快適に本選びができると思う。
大麻13丁目⇒大麻公民館えぽあホール
たったの15分足らずで、公民館を後にする。
買いたい本をとりあえず確保できたというのと、帰りの新さっぽろ行きのバスが気になるので、そそくさと古本市から撤退した。
大麻13丁目のバス停まで戻るも、新さっぽろ行きのバスはまだ30分近く来ないことが判明。
仕方がないので、時間潰しのために徒歩で大麻14丁目方面まで行き、そこからバスに乗ることにした。
大麻銀座商店街周辺は、団地の建物がかなり目立っている。
5階建ての建物が多いが、やっぱりエレベーターはついていないのだろうか。
「大麻14丁目」バス停付近は、江別市大麻の行政の中心になっているらしく、出張所や体育館、交番などが集積している。
「大麻14丁目」からたった数分ほどで、「えぽあホール」のバス停に着いた。
この辺の地域はバス停の間隔が短く、歩いてもすぐに次のバス停まで辿り着くことができる。
バス停の数が多いということは、周辺住民が便利な場所から乗り降りできるということだから、乗客にとっては良い事だと思う。
「えぽあホール」とは、江別市大麻地区の公民館として使われている施設らしく、ここには江別市図書情報館の大麻分館も入っている。
根室や富良野、名寄、厚沢部など各地の図書館を巡ってきた図書館マニアの端くれとして、ここも見てみたいと思っていたが、帰りのバスがもうすぐやってくるので、トイレに行き、序に図書室の入口をチラッと見ただけで退却。
これはバス停の目の前にあった団地(道営住宅)の建物だが、下手なマンションより快適そうに見える。
貧乏でどうしようもなくなったら、北海道の郊外で団地生活も悪くないかもなと思った。
路線バスと地下鉄で帰宅
バスで新さっぽろまで戻ってきた。
大麻銀座商店街はバスの本数が少ないのが残念だが、またブックストリートに行って、今度は商店街のお店も利用してみたいと思った。
昼飯は新さっぽろの「カテプリ」地下2階にある「岩井畜産」でチキン南蛮定食を食べる。
この定食は新さっぽろに来る度に食べていて、今回が4度目だと思う。
料理が出来上がるのを待ちながら、スマホで「古本市」と検索してみると、東京新橋で古本市が開かれているという情報が出てきた。
良いなあ東京、東京、東京…と私の頭が東京に引っ張られていると、料理が完成したことを告げる呼び出しブザーが鳴る。
この定食はタルタルソースがとても美味しいのだけれど、食べているとだんたん飽きてきて、後半になると若干食べるのが苦痛になるということがあった。
しかし今回は、朝飯を午前6時頃に食べていて腹が減っていたせいか、美味しく食べきることができた。
その後は厚別図書館に寄る。
この図書館は札幌市の図書館の中でも特にアクセスが良く、新さっぽろの駅前にある。
図書館から出たら後は地下鉄で帰る。
地下鉄東西線の車内では、私の隣の席に2人組の女性が座っていた。
きっちり私のすぐ隣に座った女性は、右腕を私の左肩に当てながら、同行者と雑談に興じている。
私は誰からも全くもって顧みられることのない、世の中の落伍者であり、且つ卑しい性格の持ち主であるというのに、そんな私の肩に自分の体の一部分を触れさせることについて、何の違和感も嫌悪感も持たないのだろうか。
札幌の人にしては(札幌では、地下鉄で隣の人と少し間隔を開けて座る人が多い、ラッシュ時はあまり乗らないのでよく分からない)珍しいなと思っていると、彼女らが関西弁を話していることに気づいた。
相変わらず関西弁を喋る女性は可愛らしいなと思いながら、「ああ、札幌の人ならそもそもこんな隣に座らないよね~」と思った。
札幌市民のパーソナルスペースに対する価値観はよく分からないが、東京や大阪のように、ぎちぎちになって座るのは嫌な人が多いらしい。
空いている時間帯なら別に良いけども、ラッシュ時は流石に詰めて座って欲しい。
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