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恒温調理入門

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恒温調理のノウハウ集です。単品でも購入できますが、2018年10月から定期購読マガジン『樋口直哉の食と生活』に移しました。
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#分子料理

【恒温調理入門】はじめに

【恒温調理入門】はじめに

最近、anovaなどの安価な恒温調理器が気軽に手に入るようになったことから、ビニール袋に肉を入れて湯煎にかける手法を至るところで見かけるようになりました。まず、恒温調理に最低限、必要な機材は『恒温湯煎器』です。炊飯器でも一部は可能ですが、温度調節が自由に利かないので自由度は下がります。(バーミキュラライスポットのように温度調整が可能な炊飯器は別ですが)

さて、袋に入れて湯煎にかけるこの調理法は広

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ニンジンの真空調理

ニンジンの真空調理

真空調理は肉料理に多く用いられますが、野菜料理にも力を発揮します。野菜料理に真空調理を活用したシェフといえば、アメリカを代表するトーマス・ケラーの名前が挙がります。TV番組に出るタイプのシェフではないですが、アメリカで一番有名なシェフの一人です。

(同社HPより)

ケラーさんは1994年にカリフォルニアナパ・バレーにフレンチランドリーをオープン。その後、高級業態やパン屋さん、ビストロなど複数の

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【恒温調理入門】その3 フライドチキン

【恒温調理入門】その3 フライドチキン

骨付きモモ肉の加熱温度と調理時間を解説します。つくる料理はフライドチキン。骨付きの鶏モモ肉を使ったフライドチキンは温度コントロールが難しい料理の一つですが、恒温調理をした後に揚げることで失敗がありません。

フライドチキンの名作、ケンタッキーフライドチキンのおいしさの秘密は圧力をかけながら揚げる専用の機械にあります。油の温度はせいぜい180℃〜220℃ほどですが、圧力をかけることで水の沸点は上昇し

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【恒温調理入門】その2 鶏もも肉の真空調理

【恒温調理入門】その2 鶏もも肉の真空調理

鶏もも肉の場合は胸肉に比べてコラーゲンの含有量が多いので、加熱温度が変わります。

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【恒温調理入門】その1   鶏胸肉の真空調理

【恒温調理入門】その1   鶏胸肉の真空調理

鶏胸肉は調理が難しい食材の1つ。ゼラチン分が少ないため火を通しすぎるとパサパサになりますし、身が厚いので中まで火が通らないというケースも。

しかし、真空調理法を使えばそうした失敗を100%避けることができます。

鶏胸肉 1枚
塩   適量
オリーブオイル 30cc〜

鶏肉を準備しますが、前提の話を2つだけします。これは真空調理に限ったことはでなく調理の基本なので、今更かもしれませんが、1つ目

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