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嘘から出た誠? 叶える思い。 ~ ミュージカル THE MUSIC MAN ミュージックマン ~

「ラ・カージュ・オ・フォール」でフォーリンしまして、「シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜」でますます好きになりまして、森公美子さんミュージカル出演とチケットサイトからメール案内が来たら、ポチっとしない訳に参りません。

と、言うことで強風で髪を乱れさせながら、日生劇場に仕事を早上がりして出掛けました。(働いて!)

ここからネタバレを含む感想を書きますので、これからご鑑賞予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです♪


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舞台は1912年のアイオワ州。

マーチングバンド専門家で大学教授の肩書をうたい「楽器や制服を売り付け」売上金を持ち逃げする詐欺師のハロルドこと坂本昌行さんは、アメリカ各地を詐欺道中しています。

移動をしている電車の車中で、真っ当なセールスマンをしている人たちは「アイオワはお堅い田舎町。こんなとこでは何も売れない」と話していることを耳にして、坂本さんは俄然「詐欺の腕」が鳴り、アイオワ州のリバーシティに降り立ちます。

リバーシティはお堅く娯楽の無い街ですが、唯一の娯楽として「ビリヤード台が一台」街に設置されます。これは町長となったシンこと六角精児さんがこっそり導入したもの。

街の状況を見ている途中で、昔の詐欺仲間で今は足を洗って地元の女性とイイ仲となっているマーセラスこと小田井涼平さんと出会い、また「仕事」に巻き込んで行きます。

マーチングバンド編成(詐欺の品物を売りつけるため)に正当性を持たせるため、小田井さんから教えて貰ったピアノ教師であり図書館司書のマリアンこと花乃まりあさんに目を付けます。俗にいう色で落とすような。マリアンの母のミセス・パルーこと剣幸さんは全く虫が付くことの無かった娘にチャンス到来と浮足立ち、吃音のあるマリアンの弟ウィンスロップを上手く取り込むことで花乃さんの信用を得ようと坂本さんは優しく接します。ところが花乃さんは坂本さんに胡散臭さを覚え、図書館で坂本さんの「身元調査」を始めます。

そんなことも知らずに坂本さんは町の広場で「ビリヤードは不良への入り口、そんなものにかまけないように、マーチングバンドを編成し、音楽に親しむことでみなさんのお子さんを良い子に育てましょう!」っと高らかに「うたい」上げ、家々を回っては楽器や制服を後日持ち込むと言ってはお金を徴収して回ります。

ビリヤードを導入した六角さんは面白く無く、妻のユーレイリーこと森公美子さんや取り巻きまでもがノリノリでダンスや歌に興じ始めます。六角さんは化けの皮を剥がすべく坂本さんの「セールスが出来る身分証明書」をどうにか手に入れたいため、同じくノリノリでいる部下たちへ命令を下します。

坂本さんは事あるごとに花乃さんへちょっかいを出し、その度に花乃さんは嫌がりますが、弟に優しく接してくれる坂本さんに徐々に心を開き始め、「身元調査」を止めます。

町から大体お金を巻き上げた坂本さんは、小田井さんと馬車で町から脱出すべく準備を進めます。


そんなある日。

単純な下心でデートに誘った花乃さんから、実は坂本さんが教授でもなんでもない詐欺師と知っていたと知らされます。図書館で調べたところ坂本さんの語る「首席で大学を卒業」の年月日が、大学設立の前年だったと分かったのです。それが記載された本のページをちぎり、ちぎったページを坂本さんに渡します。
さらに坂本さんによりセールスマンの信用失墜が各地で甚だしく、恨みを持っていた他のセールスマンが、坂本さんの素性をバラすために町に入っている、だから逃げて欲しいと懇願されます。

ここに至って坂本さんは自分の行いを悔い、改めて花乃さんへの思いに気付きます。

六角さんの耳にもこの事実は入り、町を上げて坂本さんを捕まえろ!!と大騒ぎに発展します。


花乃さんの願いも空しく坂本さんは逃げずに捕まり、町民の集まっている広場に突き出された坂本さんは六角さんから糾弾されます。

そこで花乃さんが「坂本さんが来てから町に活気が生まれた。マーチングバンドを編成するという希望をみんなが持つようになったでしょう?」と、町民に訴えかけます。

六角さんは町民に坂本さんを糾弾すべく決を採ります。

町民たちは如何なる判断をするのか・・?


ミュージックマンというタイトルにぴったりな、大人から子どもから、みんなの歌とダンスで物語は進行しています。

ハロルドの存在は、1年前の父の死を引きずり続け、吃音で話をしないウィンスロップに明るさと自信を与え、「蕾のまま」なマリアもハロルドの熱々アタックにより女心に火が点き、町のみんなもマーチングバンド編成を楽しみにすることで、町が元気になって行く様は楽しいものがあります。

ですがハロルドはお金を巻き上げる詐欺師。

本人は罪の意識も無くゲーム的に「仕事」を進めていくことに躊躇は無いのですが、マリアの思いを知り、ウィンスロップが慕ってくれていることを知ってからまるで人が変わります。

意地悪な書き方をすると、ご都合主義的な物語に見えますが、最後の最後にまさかの大逆転があり、その後はどうなったのかな?と、楽しい想像の余地を作ってくれたりしています。

自分は25年近くテレビをまともに見ていないので、知らなかった坂本さん、小田井さんの魅力を知ることが出来ました♪

花乃さんの歌は特に感動ものでした。
劇団四季や宝塚出身の皆さまの歌と華のあり加減、真央さま(いきなり)に真骨頂を見ましたが、歌とダンスは本当に素敵です。


舞台が額縁のように演出されていましたが、それはハロルドのトランクの縁であったり、演者の皆さまの衣装の着替えも結構多めで、その辺りも見ていて楽しいものがありました。

そして、森さん、ますます好きです♥

勧善懲悪である“べき”な物語。

それでも人は変われるし、希望を具現化する奇跡は起こる、そんな舞台だと思います。

ミュージカルにぴったりな物語でした!


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