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押したんじゃない、「押ささった」んだ!!

「あ、すみません!! 押ささっちゃいました!!」
口からぽろっとこの言葉がでると、相手が『?』という顔をする。

わたしの出身地である北海道には、「○○(←動詞)しささる」という言葉がある。

これは、「自分は〇〇するつもりなかったのに、結果的にそうなっちゃった状態」を表す。
この言葉、めちゃくちゃ便利なので標準語になってほしい。

「なんで急に電気消したの?」
「ちがうちがう、肩で押ささっちゃったの」
※押してないよ! 結果的にそうなっただけ!
「このお菓子、めっちゃ食べらさる」
※わたしの意思が弱いわけじゃない。このお菓子が美味しすぎるせい。

「押しちゃった」「食べちゃう」よりも、もっと他人事感が強いのだ。
そこに自分の意思はなく、受けいれるしかない結果だけが存在する。

言われた方も、「いやいや、よろけてスイッチを押したのあんただろ」「自分で食べてるじゃん」とは、ならない。
「ああ、押ささっちゃったのか/食べらさるのか」と結果だけを受けいれる。
大陸的おおらかさ!!

ちなみに、対義語の「○○しささんない」は、「自分は○○したのに、反応しない」という意味になる。

「電源はいる?」
「いや、スイッチ押ささんない」
※押す動作はちゃんとやってるよ。反応しないだけ。
「このボールペン、書かさんない」
※書く動作はちゃんとやってる。インクが出ないペンが悪い。

そう、わたしは悪くない!! 書かさんない、押ささんないモノが悪いのだ!!


他の北海道弁は口からでないようにぐっと堪えてるけれど、これだけは脊髄反射のように“言わさっちゃう”。

この感覚を道外の方に伝えるのが難しい。
そう考えると、育つなかで獲得した言語によって、共有している感覚って違うんだろうな。(そこを補い合う努力は出来るし、違いが面白いというのは大前提として。)


みなさんの出身地に、“言わさっちゃう”素敵な方言はありますか?


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