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政治講座ⅴ1345「支那は四面楚歌の窮地。外交の『遠交近攻』と『美人計』の失敗例」

中国の外交を俯瞰すると「遠交近攻」政策のようである。
自国の領土を「中国新地図」を作りその主張して、近隣の国々と争いを始めている。過去の中国大陸における王朝の侵略の歴史を見る想いである。そして「一帯一路」という勢力圏を作る覇権国家の軍事行動をとりつつある。中国本土から遠い国に設備資金を貸し付けて債務の罠に誘うのである。設備の機材・人員はすべて中国から賄うので現地には費用対効果に乏しい収益力の無い設備だけが残るのである。現地の経済を少しも潤わせることもなくすべて搾り取るのである。そして、出来上がった設備は収益力の無い投資であり、返済に窮するので担保としてその設備を接収するのである。反社会的勢力もこのような詐欺・略奪紛いの事はしない。不法行為の極みである。しかしながら、近隣諸国も中国の振る舞いに怒っているのである。
今回はそのような報道記事を紹介する。
蛇足:中国の兵法『三十六計』を読むと中国共産党の政策が分る。『三十一計美人計」がある。中国の美人というと妲己(夏王朝)、西施(春秋)貂蝉(三国)、王昭君(前漢)、楊貴妃(唐)らがあげられる。いずれも、王の寵愛をうけて、国政を傾けさせたところから、傾国の美女といわれる。
中国共産党が「一帯一路」の推進に当たって、その国の指導者に「美人」に接待をさせたり、「買収」という策略を仕掛けるようである。そしてその指導者の弱みに付け込んで、その国の国益にならない設備投資を債務の罠に誘い込むのである。だから指導者が代わると国益にならない債務の罠にはまったことに気が付くのである。故安倍首相の側近の話であるが、中国に訪問時に故安倍首相にも「美人」をあてがわれたようであるが、断ったら、趣好が「男」と思ったのか「美男」をあてがってきたという話がある。その「美人」を頂いたのは誰かというと外務大臣のようであるという話である。

     皇紀2683年9月9日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

遠交近攻とは

兵法三十六計第二十三計にあたる戦術。「遠とほきに交まじはり近ちかきを攻せむ」と訓読し、「遠い国と親しくし近くの国を攻略する」という意味。

中国の戦国時代では諸国は絶えず戦争を続けていたが、多くの国々が分立していたため、一国を攻める場合には複数の国々が同盟を組み、攻める国を二正面戦争状態にさせ、一国を攻めた後に得られた戦果は分担するのが慣わしであった。遠方との緊密な連絡を確保するのが難しい前近代においては、通常その場合に同盟相手として選ばれるのは自国と隣接した国であった。しかし近隣の同盟国と共同して遠方の他国に攻め込み、そこから領地を得られたとしても、それは飛び地となってしまう場合が多い。このため領地の維持が難しく、結局はすぐまた領地を取り返されてしまっていた。中国は広大な大陸国家であるので、飛び地の領土経営・管理防衛は本国からでは非常に難しかったのである。

范雎は諸国を遊説し、はじめ魏の大夫に仕えたが、異心があると疑われて、秦に逃れ、昭襄王に仕えて遠交近攻を説いた。すなわち、遠い国と同盟を組んで隣接した国を攻めれば、その国を滅ぼして領地としても本国から近いので防衛維持が容易である。この方策に感銘を受けた昭襄王は范雎を宰相にして国政を預けた。
 遠い斉や楚と同盟し、近い韓、魏、趙を攻めた秦は膨張を続け、やがて六国を平定して中国大陸の統一を成し遂げた。   このように遠くの相手と手を結んで近くの敵を片付ける政策を遠交近攻という。

美人計とは

兵法三十六計の第三十一計にあたる戦術。

色仕掛けで相手の戦意を蕩かせてしまう計略。
勢いのある相手と正面からぶつかり合うのは愚策である。
敵が強いのであれば美人を献上するのが良い。相手に服属するのに土地を献上すれば戦国時代に六国が秦に服属したときのようになり、金銀財宝を献上すれば宋が遼や金に服属したときのようになるだろう。土地や財宝ではなく、美人を献上して敵将をこれに溺れさせれば、その敵将の野心や攻撃心を挫くとともに肉体を衰弱させることができる。また、土地や財物と違い、味方に負担がかからない。そして、敵の末端の兵士は報酬として得るものがないので主君を恨むように仕向けることができる。

春秋時代末期に越が呉に滅ぼされそうになったとき、呉王の夫差に対して越の范蠡が美女西施や鄭旦らを送り、やがて逆に呉を滅ぼしてしまったという故事がある。


中国新地図などで応酬か=「平和と繁栄に大きな責任」―インドネシア大統領強調・東アジアサミット

59 分

 【ジャカルタ時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の最終日となる7日、日本のほか、米国やロシア、中国などもメンバーとなっている東アジアサミットがインドネシアの首都ジャカルタで開かれた。中国が8月下旬に発表した新国土地図やロシアによるウクライナ侵攻などを巡り、応酬があったとみられる。

 インドネシアのジョコ大統領は冒頭、「ここにいる各国のリーダーはこの地域に平和と安定、そして繁栄をもたらす大きな責任を等しく負っているということを強調したい」と訴えた。

 日本からは岸田文雄首相、米国はハリス副大統領が出席。中国の李強首相、ロシアのラブロフ外相らと共に議論に臨んだ。

 ロシアの侵攻から既に1年半以上が経過したウクライナ情勢や、
 中国と一部のASEAN加盟国の間で続く南シナ海の領有権問題など、解決の糸口さえも見えてこない問題について協議。
 南シナ海の大半を自国の領海とした中国の新国土地図に関しては、ASEAN側から厳しい指摘が相次いだもようだ。 

中国に国際法の順守求める 南シナ海念頭にASEAN

共同通信社 によるストーリー •22 時間

中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議で発言する中国の李強首相(右)=6日、ジャカルタ(ロイター=共同)© KYODONEWS

 【ジャカルタ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)はジャカルタで6日、中国の李強首相と首脳会議を開いた。多くの加盟国が中国側に「信頼が必要だ」として国際法の順守を呼びかけた。議長国インドネシアのルトノ外相が明らかにした。中国が南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶとする新たな地図を公表、加盟国に反発が広がっていることを踏まえた発言とみられる。
 李氏は冒頭発言で「意見の違い」を認めつつ、「対話によって適切に処理し、実務協力を引き続き深める」よう訴えた。摩擦を最小限にとどめる狙いとみられる。南シナ海では8月、フィリピン軍拠点への補給船団を中国艦船が放水砲を使って妨害した

日米と中露、「南シナ海」「侵略」巡り応酬…東アジア首脳会議

読売新聞 によるストーリー •

7日、ジャカルタで開かれた東アジア首脳会議に出席する岸田首相(中央)ら=AP© 読売新聞

 【ジャカルタ=川上大介、森藤千恵】日米中露など18か国による東アジア首脳会議(EAS)が7日、インドネシアの首都ジャカルタで開かれた。南シナ海情勢やロシアのウクライナ侵略などを巡って各国が応酬を繰り広げた。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の最終日に開催された会議には、日本の岸田首相、米国のハリス副大統領、中国の李強(リーチャン)首相やロシアのセルゲイ・ラブロフ外相らが出席した。

 非公開の会議で、岸田氏は、南シナ海などで海洋進出を強める中国を念頭に「力による一方的な現状変更の試みや経済的威圧に反対する」と述べた。さらに、「東シナ海で日本の主権を侵害する活動が継続・強化されており、強く反対する」との認識を示した。これに対し、李氏は米国などを念頭に「域外国は地域の国々による話し合いや、南シナ海の平和と安定を守る努力を尊重してもらいたい」と主張した。

 会議後に発表された議長声明は、大半の国がロシアのウクライナ侵略を強く非難していると説明し「戦争が世界中で進行中の食料安全保障の危機をさらに悪化させている」と指摘した。

 東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を巡り、岸田氏は「一部の国は、日本産水産物の輸入を全面的に一時停止する突出した行動をとっている」と批判したが、中国の名指しは避けた。ハリス氏は「日本が科学者や地域の利害関係者に対し透明性を保っていることを歓迎する」とし日本の対応を支持した。

 一方、中国外務省の発表によると、李氏は日本への直接の言及は避けつつ「海洋汚染の影響は重大だ。歴史や人類に対して責任ある態度で海洋生態環境を守る必要がある」と訴えた。

参考資料・参考文献

中国新地図などで応酬か=「平和と繁栄に大きな責任」―インドネシア大統領強調・東アジアサミット (msn.com)

中国に国際法の順守求める 南シナ海念頭にASEAN (msn.com)

遠交近攻 - Wikipedia

日米と中露、「南シナ海」「侵略」巡り応酬…東アジア首脳会議 (msn.com)

島村義 著 監修 陳再明 『三十六計』ダイヤモンド社 昭和57年11月18日 初版発行 

安東亮著 『孫子の兵法』日本文芸社 昭和58年4月20日発行

貂蝉 - Wikipedia

王昭君 - Wikipedia

美人計 - Wikipedia

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