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政治講座ⅴ1141「国の豊かさの指標とはGDPにあらず」

  国の豊かさとは、社会インフラ整備がどのくらい行き届いているか、治安が保たれているか、国民にリテラシーがあるか、厚生施設が充実しているかなどであり、所得やGDPだけでは判別できないものであり、目に見えない生活における付加価値をどのように考えるかであろうか。
社会整備・電車の正確な時刻運行・満たされた物質生活、GNPでは計量化できない豊かさと生活の安定と満足度を与えてくれる。以前、「吾唯足知」の話をした。日本には古来からの神話と仏教伝来の教えがあり、そのような文化も豊かさの要素となっている。今回はそのような報道記事をを紹介する。

     皇紀2683年6月9日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

GDP3位の日本は、まだ「経済大国」と言えるのか?元日銀副総裁がわかりやすく解説

日刊SPA! の意見 • 2 時間前

私は経済学者として国内外の大学で教鞭をとったりした後、’13~’18年には日本銀行副総裁として金融政策の立案にも携わりました。そこで、感じたのは「経済を知れば、生活はもっと豊かになる」ということ。そのお手伝いができればと思い、『週刊SPA!』で経済のカラクリをわかりやすく発信していきたいと考えました。

◆GDP3位の日本は、まだ「経済大国」と言えるんでしょうか?

イラスト/岡田 丈© 日刊SPA!

 ’22年の日本のGDP(ドルベース)は世界第3位ですが、第4位のドイツを3.9%上回っているだけです。そのわずかな差のせいで、「抜かれる」と報じるメディアもありました。しかし、IMF(国際通貨基金)の予測でも’28年まで抜かれる心配はありません。

 そもそも、豊かさや幸福度を見るうえでは、GDPよりも、国民の数で割った「一人当たりGDP」のほうが重要です。国際的な研究組織が発表している「世界幸福度調査」でも、一人当たりGDPが幸福度に影響する主たる要因として取り上げられています。

 中国のGDPは世界第2位ですが、一人当たりGDPは76位で、日本の4割程度にすぎません。中国には富豪もおり、訪日中国人は爆買いしていますが、平均的には貧しい国なのです。
 しかし、日本の一人当たりGDPも、1996年の17位から’22年には38位まで下がってしまいました。’18年には韓国に、’21年にはチェコにも抜かれています。

 ではなぜ、日本の一人当たりGDPの国際的順位が下がっているのでしょうか? よく指摘される原因は、「日本の技術革新力の衰えやIT投資の少なさにある」というものです。本当でしょうか。

 1990~’21年の労働者の時間当たりの生産性(実質GDPを総労働時間数で割った値)の上昇率を、OECD(経済協力開発機構)のデータをもとに諸外国と比較してみましょう。すると、日本は1.46%で、何かと優等生扱いされるドイツ(1.37%)や英国(1.32%)、フランス(1.14%)をも上回っています時間当たりの労働生産性はむしろ上がっおり、「技術革新力の衰え」といった指摘は誤りと言えます。 
 ただし、いくら生産性が高くても、国民一人当たりの労働時間が減少すると、一人当たりGDPの伸び率は低下してしまいます。前号でも取り上げましたが、1990~’21年の期間、日本の国民一人当たり労働時間(年平均)は0.6%の速度で減少し続けました。この減少速度はドイツの7.7倍というすさまじさです。労働時間がすさまじい速度で減少したため、生産性向上の効果を打ち消してしまい、日本の一人当たりGDPの増加率を下げ、国際順位も下げてしまったのです。

 このように労働時間が減った理由は3つあります。
①少子化が進み、生産年齢人口比率が年率0.6%で減少した(米国は年率0.05%の減少)こと、
②雇用市場が悪化して就業率(15歳以上の就業している人の割合)が年率0.08%で低下したこと、
③労働時間の長い正社員が減り、労働時間の短い非正規社員が急増したことです。’13年のアベノミクス以降は雇用市場が改善し、短時間労働を選択する非正規の「働く高齢者」が増えた影響もありました。

【岩田規久男・元日銀副総裁】

東京大学大学院経済研究科博士課程退学。上智大学名誉教授、オーストラリア国立大学客員研究員などを経て、’13年に日本銀行副総裁に就任。’18年3月まで務め、日本のデフレ脱却に取り組んだ経済学の第一人者。経済の入門書や『「日本型格差社会」からの脱却』(光文社)、『自由な社会をつくる経済学』(読書人)など著書多数

参考文献・参考資料

GDP3位の日本は、まだ「経済大国」と言えるのか?元日銀副総裁がわかりやすく解説 (msn.com)

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